著者
山川 烈 内野 英治 平川 克己 松山 敏剛 渡辺 寿美子 野上 ナヲエ
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
Biomedical fuzzy and human sciences : the official journal of the Biomedical Fuzzy Systems Association
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.71-79, 1995-07-07
被引用文献数
1

ハフ変換はノイズに埋もれた画像から直線を検出する有効な手法である.しかし, 従来のハフ変換ではノイズが多くなると直線を検出するのが困難になる.本論文では, ノイズの多い画像中の, いわゆるぼやけた直線や, 有界な線分(始点と終点)をも検出できる組合せファジィハフ変換を提案する.さらに, この手法を拡張しノイズに埋もれた円の検出も可能にした.本手法の有効性は細胞診に用いる顕微鏡画像への適用により確認された.
著者
松山 敏之 竹越 哲男 髙橋 秀行 近松 一朗
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.310-316, 2022 (Released:2022-07-20)
参考文献数
8

アレルギー性鼻炎の有病率は年々増加し,長期寛解,治癒が望めるアレルゲン免疫療法は,今後ますます重要な治療法になると考えられる。今回我々は,スギ舌下免疫療法(SLIT)により改善した症状とQOL(quality of life)及びSLITの満足度との関係について検討を行った。2014年11月から2017年12月までの間にスギ舌下免疫療法を開始し,2019年2月1日まで継続治療できた39症例を対象とした。2019年スギ花粉飛散後にSLIT開始前とSLIT後の症状スコア,QOLスコア,SLITの満足度の調査を行った。鼻水,くしゃみ,鼻閉,眼のかゆみの評価したすべての症状でSLIT後に症状スコアの改善がみられた。QOLスコアにおいて評価したすべての項目でSLIT後に改善がみられた。治療前の症状スコアとQOLスコアの間には多くの項目で有意な相関を認めた。治療前の症状スコアは高満足群,低満足群の2群間に有意差はなかったが,治療前後のスコアの改善幅はくしゃみ,鼻閉,眼のかゆみの3症状で2群間に有意差がみられた。症状の改善幅が大きいとSLITの満足度は高くなってくると思われた。症状スコアの改善幅が高満足群と低満足群の2群間で有意差があった3症状について,高満足度への寄与度を多変量解析にて検定すると,治療前後での鼻閉スコアの改善幅が大きいことが満足度に最も寄与した。SLITの満足度に最も影響を及ぼすのは,鼻閉症状の改善であると思われた。
著者
松山 敏剛 松隈 敬太 塚本 直樹 柏村 正道 柏村 賀子 木寺 義郎 岩坂 剛 井上 功 杉森 甫
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.196-202, 1982-02-01

1973年より1980年までの8年間に,広汎性子宮全摘術を施行した396症例中,術後摘出標本の子宮頚部亜連続切片の病理組織検索で,初期浸潤癌,あるいは,それより軽度の病巣しか認めなかった症例62例を発見した.これらの症例は術前,浸潤癌と診断して(Ib期54例,IIb期8例)手術を行なったにもかかわらず,実際は初期浸潤より軽度の病巣しか無かったわけで,術前の生検診断の誤りと考えざるを得ない.そこで術前の生検標本を再検討した結果,生検標本を誤まって真の浸潤癌と診断した原因として,1.腺管内侵襲を深い浸潤と間違った.2.標本がtangentialに切れているために浸潤と間違った.の二大原因が考えられた.さらに,生検の小切片のみでは,浸潤癌であることは診断できても,それが初期浸潤であるか,真の浸潤であるかの鑑別は困難であることが多いことも判った.そこで,同時に行なった細胞診,コルポ診の診断を調べてみると,いずれか一方が真の浸潤癌を否定した症例は44.2%,両者共真の浸潤癌を否定した症例は37.2%であった.少なくとも,コルポ診,細胞診共に真の浸潤癌を否定し,生検のみ真の浸潤癌と診断した場合は,円錐切除診を行在い,over diagnosisを防ぐべきであったと考えられた.癌の診断における生検診断のover diagnosisの可能性については過去にあまり注目されていないが,前述した様な可能性を考慮に入れて,臨床医は生検診断を鵜呑みにせずに,細胞診,コルポ診,臨床所見を総合して,疑問があったら積極的に円錐切除診を行なう態度が必要であろう.