著者
林 匡
出版者
九州史学研究会
雑誌
九州史学 (ISSN:04511638)
巻号頁・発行日
no.152, pp.1-26, 2009-01
著者
小林 匡子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.1134, 2021 (Released:2021-12-01)
参考文献数
3

腸管粘膜には食物などに対する免疫応答を抑制する機構(免疫寛容)が存在し,この機構に異常が生じると炎症性腸疾患や食物アレルギーなどが引き起こされる.末梢での免疫寛容に重要な役割を担うのが,Foxp3によって免疫寛容能を獲得した制御性T細胞(regulatory T cells: Treg)であり,Foxp3の変異により食物アレルギーを発症したマウスにTregを移植するとアレルギー反応が抑制されることが知られている.最近,中国において潰瘍性大腸炎の補助療法薬として認知されている白頭翁湯が,腸管粘膜に存在するTregを増加させて免疫寛容を促し,炎症性腸疾患を改善することが報告されたので紹介したい.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Miao Z. et al., Front. Pharmacol., 11, 531117(2021).2) Yamamoto T. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 516, 626-631(2019).3) Nagamatsu T. et al., Am. J. Reprod. Immunol., 80, e13021(2018).
著者
北爪 智哉 佐藤 武彦 小林 匡 林 正添
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.11, pp.2126-2130, 1985-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
24
被引用文献数
7

分子内にフッ素原子を有するマロン酸ジエステル誘導体の不斉加水分解反応を行ない,光学活性なモノフルオロ化合物の合成中間体を生成させるための微生物学的変換を検討した。その結果,有機フッ素化学の領域における実用的な光学活性シントンとなりうる2-フルオロマロン酸モノエステル誘導体の両鏡像体を簡便な方法で多量に得ることができた。
著者
林 匡宏 中原 宏
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.1_59-1_68, 2017-07-31 (Released:2017-09-20)
参考文献数
11

魅力的なシークエンス景観には二種の時間軸が存在する。歴史性や文化性など長期的な時間軸と、徒歩圏域の景観体験などの短期的な時間軸である。この二種が織り成す景観特性や高揚感への影響について、江別市で最も古い市街地である「条丁目地区」を対象に調査・分析を行った。結果、景観構成要素のうち「歴史文化施設」や「樹木」など、背景に長期的な時間軸を有する要素が、シークエンス景観の中の「アクセント」として評価され、また 10m~50mの比較的に短い区間での景観体験にみられる「自然資源」の構成比の変化が、徒歩圏域の「リズム」となり、次の場面の高揚感向上に寄与していることが把握された。このような、大都市近郊地域の市街地景観に多様性と奥行きを付与する「アクセント」と「リズム」をコントロールすることで、これまで閑散としていた徒歩圏域の魅力化と、隣接する都市と併せた広域圏の価値向上に貢献すると考える。
著者
森 也寸志 林 匡紘 稲生 栄子 登尾 浩助
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

東日本大震災によって,福島第一原子力発電所から放射性物質が漏れ・拡散が起こった。事故から数年経った現在では,環境中に放出された放射性物質が土壌中を降下し,根から植物に吸収される事が危惧されている。土壌に降下した放射性セシウムは粘土鉱物に強く吸着されているが,有機物含量の多い土壌では,粘土鉱物を多く含む土壌に比べて放射性セシウムとの吸着が弱く,植物へ吸収されやすいと考えられる。根群域にある放射性セシウムは農作物に吸収される可能性があるため,もし,迅速に根群域を超えて下方に浸透させ,鉱物層に吸着させられるのであれば有利である。そこで,本研究では有機質土壌であるピートモスを植栽とするブルーベリーを対象とし,ポットでの放射性セシウムの移動実験を行った。特に,下方浸透に効果があるとわかってきた疑似間隙構造である人工マクロポアを使って表層に存在する放射性セシウムを根群域下まで輸送する可能性を検証した。ポットの底から黒ボク土5cm,ピートモス10cm,汚染土壌(1925 Bq/kg)5cmを詰めたものを6個準備し,「無施肥区・人工マクロポアなし」,「無施肥区・人工マクロポアあり」,「硫酸アンモニウム施肥区・人工マクロポアなし」,「硫酸アンモニウム施肥区・人工マクロポアあり」,「塩化カリウム施肥区・人工マクロポアなし」,「塩化カリウム施肥区・人工マクロポアあり」とした。土壌に吸着した放射性セシウムを溶出させることを目的に硫酸アンモニウム(15g/ポット)を,また,ブルーベリーによる放射性セシウムの吸収抑制を目的に塩化カリウム(30g/ポット)施肥した。毎日0.76L/dayの灌水をおこない,実験開始から1年4ヶ月後に実験を終了とし,ポットを分解し,放射性セシウムを計測した。「無施肥区・人工マクロポアなし」「無施肥区・人工マクロポアあり」では放射性セシウムは汚染土層から僅かに下方に移動した。人工マクロポアの周辺でも放射性セシウムの移動は5-10cm層までであり,人工マクロポア周辺と周辺以外での深度別放射能濃度の分布の違いはみられなかった。「硫酸アンモニウム施肥区・人工マクロポアなし」では,わずかに下方移動が見られたが,一方でブルーベリーの葉から放射能が検出され,下方に移動した放射性セシウムがブルーベリーに吸収された可能性が考えられた。「硫酸アンモニウム施肥区・人工マクロポアあり」では5-7.5cm層での放射能濃度が1000Bq/kgを超えており,無施肥区や「硫安区・人工マクロポアなし」に比べて高い値となっている。また,0-5cm層よりも5-7.5cm層のほうが放射能濃度が高い値となっており,人工マクロポアの効果によって放射性セシウムの下方移動が促進されたと考えられる。ただし,同様に植物体から放射能が検出された.また,人工マクロポア周辺の結果を見ると10-15cm層で200Bq/kg を超え,15-20cm層でも87.2Bq/kg放射性セシウムが検出された。他の区に比べて高い放射能濃度が下層で計測されており,すなわち,人工マクロポア周辺では下方浸透促進効果が大きいと判断できる。硫酸アンモニウムの施肥だけでは下方浸透促進効果がみられなかったが,人工マクロポアと組み合わせることで下方促進効果が大きくなったと考えられる。なお,塩化カリウム施肥は移動にはあまり効果がなかったが,植物体から放射性セシウムの検出はなく,植物体への吸収抑制をすることがわかった。ここから放射性セシウムの効果的な移動には,溶出・移動・吸収抑制のプロセスが必要であると推察できる。しかし,根群域下(黒ボク土層)への移動はあまりみられず,今後は硫酸アンモニウムと塩化カリウムを同時施用して,より効果的な移動と吸収抑制を同時に行うことを検討していきたい。
著者
安東 俊明 恩田 昌彦 森山 雄吉 田中 宣威 京野 昭二 小林 匡
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.889-893, 1990-04-01
被引用文献数
88

誤嚥魚骨による消化管穿孔・穿通は比較的まれであり,さらにその診断は非常に困難とされている.最近,誤嚥魚骨による小腸穿孔2例,および肛門穿通1例を経験し,2例を術前に診断しえた.小腸穿孔の1例は急性虫垂炎穿孔の診断にて開腹したが,他1例は術前腹部CTにて魚骨を確認した.また肛門穿通例は直腸指診にて魚骨を確認した.本邦報告例は自験例3例を加え240例であり,穿孔・穿通部位は肛門が最も多く,次いで回腸,横行結腸,S状結腸,食道の順で,胃,十二指腸には少なかった.ほとんどの例で何らかの外科的処置がなされているが,術前に診断されている例は少なかった.特に腹腔内消化管穿孔・穿通の術前診断は極めて困難であるが,自験例を含め腹部CTで診断された報告があり有用な検査と考えられた.ただし報告例は炎症性肉芽腫などの慢性炎症に限られており,自験例のごとく汎発性腹膜炎症例を術前に診断しえた報告例はなかった.