著者
飯本 武志 山西 弘城 藤本 登 吉川 肇子 三浦 竜一 林 瑠美子 掛布 智久 高木 利恵子 (森崎 利恵子) 尾崎 哲 三門 正吾 高畠 勇二 村石 幸正
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

安全文化醸成のための基盤として、人材育成の中核となる教育者集団を主たるステークホルダーとし、彼らが必要とする教育モジュールを開発することを本研究の目的とした。放射線計測分野の視点では、大気圧空気GM計数管の仕組みを応用した教育用簡易放射線検出器を開発した。教育・社会心理学分野の視点では、さまざまな施設における放射線に関する情報の普及活動、諸外国における中高生やその教員に関する科学技術教育及び原子力・放射線教育の現状、専門家人材育成等の現状に関する調査を実施した。この情報を基に、放射線教育のための簡易ツールを開発し、それを用いての実践モジュールを策定、国内外の中学校、高校で試験運用した。
著者
富田 賢吾 林 瑠美子 錦見 端 三品 太志 村田 静昭
出版者
大学等環境安全協議会
雑誌
環境と安全 (ISSN:18844375)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.91-100, 2017 (Released:2017-11-23)
参考文献数
10

実験研究を行う大学において、火災事故が多数発生しており、防火教育の必要性が高まっている。本研究では、より効果的な防火教育のための教材、手法を開発することを目的として、学内の解体予定の建物を活用し、実験室で起こる火災事故を模擬した火災実験を実施した。火災発生からわずか3分程度で、煙は通常の人間の呼吸域に達し、視界も煙によって遮られることや、室内で発生した煙は廊下、階段室、上階にまで拡散すること、煙の流動に伴って温度の上昇が起きること、入口扉や防火扉によって煙の拡散が遮断されること、防火扉が火災感知器のセンサーと連動して閉鎖すること等を建物内各所に配置したビデオカメラや温度センサーによって確認した。これらの得られた教訓を元に、撮影した映像を編集し、防火・防災教育のためのビデオ教材を作成した。学内で行われている化学物質や火災対応向けの講習、講義等に活用しており、高い教育効果が期待できる。
著者
小林 瑠美子 小谷 スミ子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成17年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.171, 2005 (Released:2005-09-13)

【目的】旧暦の2月15日、涅槃会(お釈迦様が亡くなった日)に、佐渡地方では「やせごま(やせうま、しんこだんご)」を供えお参りする。これは団子の一種で、直径5cm、長さ15cm位の円筒形をしていて、輪切りにすると金太郎あめのように同じ模様がでる。本研究ではやせごまが作られるようになった由来、風土との関係を調べると同時に、佐渡以外の地域に見られる類似した伝統食を調べることを目的とした。【方法】佐渡在住者10名を対象に2004年11月_から_12月に聞き取り調査を行った。文献調査は、日本の食生活全集および各種資料を用いた。【結果】1.聞き取り調査の結果、「やせごま」は国仲平野の新穂(にいぼ)、畑野地区を中心に、両津、金井、佐和田地区で作られていた。羽茂(はもち)地区では「くじらもち」の名で作られており下北半島で端午の節句に作られる「べこもち(くじらもち)」との関連が伺えた。小木地区では法事にも作られていた。相川地区では寺で作るが家庭で作る習慣はなく、真野、赤泊地区ではあまり作られていなかった。2.涅槃会の供え菓子は主に北陸地方に見られた。3.長野県全般で作られている「やしょうま」、長野県に隣接する新潟県津南町の「やしょうま(みみだんご)」と岐阜県恵那市の「花くさもち」、長野から離れた福井県遠敷郡の「花くず」は「やせごま」に似た作り方であった。4.北陸地域では「涅槃会のだんごまき」をする風習が残っており、新潟県中越では「だんごまきの涅槃だんご」、富山県氷見市や魚津市では「お釈迦のだんご」、福井県では「ねはんだんご」と呼ばれる赤、白、緑、黄に彩られた大小さまざまな団子がお寺でまかれていた。能登半島の寺では「犬の子(いんのこ)」と呼ばれる団子をまく風習が残っていた。