著者
飯本 武志 山西 弘城 藤本 登 吉川 肇子 三浦 竜一 林 瑠美子 掛布 智久 高木 利恵子 (森崎 利恵子) 尾崎 哲 三門 正吾 高畠 勇二 村石 幸正
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

安全文化醸成のための基盤として、人材育成の中核となる教育者集団を主たるステークホルダーとし、彼らが必要とする教育モジュールを開発することを本研究の目的とした。放射線計測分野の視点では、大気圧空気GM計数管の仕組みを応用した教育用簡易放射線検出器を開発した。教育・社会心理学分野の視点では、さまざまな施設における放射線に関する情報の普及活動、諸外国における中高生やその教員に関する科学技術教育及び原子力・放射線教育の現状、専門家人材育成等の現状に関する調査を実施した。この情報を基に、放射線教育のための簡易ツールを開発し、それを用いての実践モジュールを策定、国内外の中学校、高校で試験運用した。
著者
豊田 秀樹 村石 幸正
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.255-261, 1998-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
16

双生児と一般児のデータを同時に分析する遺伝因子分析モデルが, Y-G性格検査の研究に適用される。構造方程式モデルの1つであるこのモデルによって, 187組の一卵性双生児と43組の二卵性双生児と1309 人の一般児の標本を分析した。一般児のデータは, 因子の共分散構造を安定させるために利用することができる。遺伝的影響・共有環境・非共有環境は, 適応性因子の分散を, それぞれ2.5%, 32.5%, 65.0% 説明していた。またそれらは, 外向性因子の分散を, それぞれ49.8%, 10.3%, 39.9%説明していた。外向性よりもむしろ適応性の因子の分散に対して, 環境がより大きく影響することを遺伝因子分析の結果は示した。
著者
村石 幸正 福島 昌子
出版者
東京大学大学院教育学研究科附属学校教育高度化センター
雑誌
年報
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.34-41, 2012-03-31

学校教育高度化センター主催シンポジウム 社会に生きる学力形成をめざしたカリキュラム・イノベーション : 理念と方向性
著者
本多 満正 田邉 康夫 村石 幸正 小松 寛 前田 香織 山岡 寛人
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.37-42, 2005-12-01 (Released:2018-05-08)

中学校理科の学習項目である「電磁誘導」と技術・家庭科の電気領域の学習項目である「エネルギー伝送」と「交流」について視覚をともなって学習する教材を開発し,実験授業でその学習効果を調べた。開発した教材は,豆電球2個を抵抗値の大きいニクロム線で並列に接続した回路に交流を流す実験,そのニクロム線部分の前後に昇圧用・降圧用の変圧器を組み込んだ回路に交流と直流を流す実験,および電磁誘導の実験から構成される。変圧器によって高電圧・低電流で送電した場合には電圧降下が少なく,豆電球2個の明るさの違いが目立たない。変圧器の有無によって,明るさが違うことから変圧器の働きを理解する。変圧器に直流を流し豆電球が点灯しないことから変圧器の仕組みと交流の作用を学習する。本教材による実験授業の結果,送電における変圧器の働きと仕組みに関する認識の定着が向上することが明らかとなった。
著者
村石 幸正
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
大学の物理教育 (ISSN:1340993X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.67-70, 2022-07-15 (Released:2022-08-15)
参考文献数
9

1.はじめに中学校は2021年度から全面的に,高等学校は2022年度の入学生から年次進行で実施される新しい学習指導要領では,総則に「コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用する
著者
村石 幸正 豊田 秀樹
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.395-402, 1998-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
32
被引用文献数
1

古典的テストモデルを考慮に入れた遺伝因子分析により学力の因子構造を調べるため, 100組の一卵性双生児と25組の二卵性双生児と703人の一般児の標準学力テストのデータを分析した。この際, 豊田・村石 (1998) の方法を用い, 一般児のデータを因子の共分散構造を安定させるために利用した。遺伝的影響・共有環境・非共有環境は, それぞれ国語の学力の分散を0.0%, 64.5%, 2.9%, 社会の学力の分散を 52.3%, 17.0%, 4.7%, 数学の学力の分散を0.0%, 47.7%, 10.4%, 理科の学力の分散を56.1%, 0.0%, 13.3%説明しており, 教科によって学力の構造が大きく異なることが示された。また, 古典的テスト理論によるモデルの比較の結果, 同族モデルが最もよくデータの性質を説明しており, 信頼性係数を計算する際,τ等価測定を仮定するα係数の無批判的使用に疑問を呈した。
著者
豊田 秀樹 中村 健太郎 村石 幸正
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.392-401, 2004-12-30

双生児と一般児を統合的に扱う遺伝ACEモデルが新制田中B式知能検査に適用される。データは中学1年時と高校1年時にそれぞれ採られた縦断データである。本研究では構造方程式モデルの下位モデルである遺伝ACEモデルと縦断的解析を融合したモデルによって, 115組の一卵性双生児と32組の二卵性双生児, ならびに881人の一般児の被験者を分析した。知能点と7つの各下位検査についてそれぞれ母数の推定を行い, 加算的遺伝, 共有環境, 非共有環境の各説明割合が明らかとなった。個々の項目に関する特徴に加え, 全体として中学時, 高校時の双方とも非共有環境の説明割合が比較的大きいことが示された。
著者
村石 幸正
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.154-159, 1995
被引用文献数
4

「(原爆被爆者の子孫を含め)放射線被ばくによってヒトに統計的に有意な数の遺伝的影響が誘発されるという証拠は得られていない。」という文章との出会いをきっかけに,もっと放射線に対する正しい認識と知識を持つ必要がある考えるようになった。そこで,放射線の影響なども含めた「放射線を正しく知る」ことを目標とした「放射線の学習」という単元を設定し,実践を行った。