著者
山口 博明 椎貝 典子 三ッ林 恭子 大鹿 栄樹 岡田 文寿 三ッ林 隆志 佐々木 望 伊勢谷 修 宮前 達也 鈴木 五男 赤坂 徹
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.1052-1057, 1997
被引用文献数
5

吸入療法は気管支喘息の治療において重要な治療法の一つとなっている。吸入療法の有効性を明らかにするため, 粒子の生成状況の異なる吸入器4種 (日商式, Pari-Boy, Pari-Master, Atom Soniclizer 905) を用いて, 肺吸入シンチグラフィーによって肺内沈着率を比較検討した。99mTc-DTPAエアロゾルによる吸入分布は, 4機種とも口腔内に多く, 肺内分布が日商式に少なかった。肺内沈着率は, 日商式が10.4±5.8%, Pari-Boyが27.5±14.5%, Pari-Masterが28.5±6.5%, Atom Soniclizer 905が31.1±6.8%で, Pari-Master, Atom Soniclizer 905が, 日商式より有意に多く沈着していた。以上, 肺内沈着率により評価すると, 粒子径が5μm以下を生成する吸入器のPari-Boy, Pari-Master, Atom Soniclizer 905が優れており, 吸入器の粒子径の大きさが治療において重要である事が示唆された。
著者
丸尾 はるみ 橋本 景子 下田 恵子 島貫 金男 中山 徹 山口 博明 椎貝 典子 内村 公昭 三ツ林 隆志 赤坂 徹 前田 和一 岡田 文寿 鈴木 五男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.621-630, 1990
被引用文献数
7

1988年, 小児気管支喘息の長期予後と予後に影響する因子を明らかにするため, 1,592名(男1,038, 女554)を対象としてアンケート調査を行った.調査時の年齢は平均20歳(観察期間は平均12年)であり, 長期予後は緩解が75.6%, 軽快が18.2%, 不変が4.0%, 悪化が0.9%, 死亡が1.3%であった.発症年齢は平均2.7歳であり, 20年前の報告と比べて約1歳低年齢化していた.治癒年齢は男子が平均13.0歳, 女子が12.3歳であった.発症年齢が2歳以下, 発症から初診までの期間が10年以上, 初診時の重症例, 入院歴のある者, 食物アレルギーの有る者の緩解率は不良であった.食物アレルギーが有る者は喘息発症年齢が約1歳低く, 初診時の重症例, 乳児期湿疹のある例, 喘息以外のアレルギー疾患を2つ以上合併している例が多かった.このような乳児喘息例を難治性喘息のハイリスク児としてとらえ、綿密な指導と経過観察が必要であると考えられた.
著者
小林 隆志 濱野 真二郎 谷内 麻美 Haque Rashidul Mondal Dinesh
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

致命的な内臓型リーシュマニア症(VL)の制圧には、治療による全身症状寛解後に発症する皮膚病変(PKDL)の発症機序を理解し、PKDLを的確に診断・治療することが不可欠である。PKDLのリスクファクターを解明するため、バングラデシュのPKDL患者の調査を行い、VL治療薬別PKDL発症率を解析したが治療薬と発症率に因果関係は認められなかった。しかし、リーシュマニア原虫の Real-Time PCRによる定量的検出に成功し、ミルテフォシンがPKDL皮膚病変内リーシュマニア原虫排除に機能することを経時的、定量的に示した。更に、原虫を高感度で検出する乾燥LAMPの試作に成功し現地での実用性も検証された。
著者
沢田 篤史 小林 隆志 金子 伸幸 中道 上 大久保弘崇 山本 晋一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.2677-2689, 2009-11-15
被引用文献数
7

本論文では,我々が先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムの一環として実施中のプロジェクト型ソフトウェア開発実習の教育プログラムと教材開発について説明する.本実習では,軟式飛行船制御の組み込みソフトウェア開発を題材に,大学院修士課程1年生がチーム開発を行う.本実習の主目標は,管理されたプロジェクト開発を経験することとソフトウェア品質向上における検証技術の重要性を理解することである.本論文では,この狙いを持って設計した実習プログラムと,開発した教材について紹介し,半年間の実習を実施した結果得られた学習成果と課題について説明する.This article presents how we have designed a project based learning (PBL) class for graduated students in the Leading IT Specialist Education Program of MEXT. Master course students form several development teams to struggle with the development of embedded software for airship control in our class. The students of this class are expected to touch with the real experience of team development in a disciplined project and to have deep understanding on the importance of verification and validation technology throughout the development of quality software. This article overviews the design of and teaching materials for our PBL class. Discussions on the results and lessons learned from the half-year operation of this class are also presented.
著者
山元 理絵 小林 大 吉原 朋宏 小林 隆志 横田 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.38-48, 2007-06-15
被引用文献数
6

近年,Webサイトによる情報発信の重要性から,ユーザのニーズに適したサイト構築や情報提供の要求が高まってきている.WebアクセスログをWebページ推薦に用いる方法は,クライアント側に手を加える必要がなく有用であるが,これまで提案されている手法では,頻出アクセスパターンとわずかでも外れると適切な推薦ができない,あるいは順序を考慮できないといった問題点があった.我々は,それらの問題を解決するために,WebアクセスログからLCS(Longest Common Subsequences)を抽出してページ推薦に利用する手法であるWRAPLを提案している.本稿では,実際のWebアクセスログを用いた実験を通してWRAPLの効果を詳細に解析し,その実験結果から得られた知見を基に優先順位付け手法に対して改良を行い,その有効性を示す.Sophisticated websites satisfying users' requirement becomes much more important to propagate information via websites, nowadays. Web page recommendation methods using web access logs are useful for them because they need no modification in client-side applications to meet the requirement. However, traditional methods have problems of insufficient recommendation precision caused by strict matching of access patterns or neglect of access sequences. To solve the problems, we are proposing WRAPL as a method of extracting LCSs (Longest Common Subsequences) from web access logs and using them to recommend web pages for an active session. In this paper, we analyze the effects of WRAPL using actual web access logs and propose an enhanced weighting method for it to improve the precision based on the analyses.