著者
古荘 純次 小柳 健一 井上 昭夫 武居 直行
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

機能性流体を用いた高性能かつ安全な力覚提示システムに関する研究を行い以下の成果を得た.(1)ER流体ブレーキを冗長個数使用した冗長自由度を持つパッシブ型力覚提示システムを開発し,その制御方式について検討を行なった.パッシブ型力覚提示システムは本質的に安全であり,広範な使用が期待される.(2)ER流体ブレーキを用いた力覚提示システムの新しい制御方式を提案し,力覚提示実験によりその評価を行なった.(3)機能性流体アクチュエータを用いた2次元および3次元の力覚提示システムを開発した.また,その応用例として,上肢のリハビリテーションなどへの適用を行なった.(4)ERアクチュエータにおけるクラッチ入力部の回転速度をできるだけ下げることが,安全性に大きく寄与する.そこで,クラッチ入力部の回転速度をどこまで下げても力覚に違和感が生じないかについて,検討を行なった.(5)開発したERアクチュエータやブレーキを用いて高性能な力覚提示システムを開発するため,ベルト等を用いた伝達機構技術の確立を行なった.(6)ベルト等を用いたシステムでは,2慣性特性を考慮した制御系設計が必要である.本研究では,2慣性系制御について検討を行い,力覚提示システムの制御性能の向上を図った.(7)ワイヤ駆動型の安全性の高い力覚提示システムを開発した.(8)上記で開発したシステムの安全性について検討を行なった.
著者
一柳 健 木村 智明 長島 重和 赤坂 吉道 益田 豊次
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會誌 (ISSN:00214728)
巻号頁・発行日
vol.89, no.810, pp.476-477, 1986-05-05

薄板圧延設備では,圧延材の長手方向の板厚精度を向上させることが最も重要な課題とされている.すなわち,板厚精度は歩留り向上の面からはもちろん,その後の深絞り加工製品精度へも大きな影響を与えるためである.この板厚精度向上のためには,圧延ロールの位置決めを行い,かつ圧延荷重を付与する圧下装置の精度,応答性の向上が不可欠であると共に,過酷な使用条件,環境に耐えうるように高信頼性,長寿命化等の改善が必要であった.この圧下装置では油圧サーボ弁が最も重要な役割を果たすが従来はノズルフラッパ式またはジェットパイプ式が使用されていた.これに対し,スプールを直接駆動する直動形油圧サーブ弁(商品名:フォースモータバルブ略称FM・V)を独自に開発し,またこのFM・Vの性能を十分発揮させるための高性能制御装置,位置検出機構等から構成される油圧圧下装置(商品名:HYROP-F)を完成させ,コールドストリップミルはもちろん,ホットストリップミル及びプレートミル等,板用圧延機の全機種に適用することに成功した.