著者
飯田 拓也 梶山 朋子 大内 紀知 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.45, pp.199-204, 2012-05-15
被引用文献数
3

書籍の表紙は直観的に本のイメージを与えるだけでなく,書籍購入前の検索や購入後の本棚散策では大きな指標となっている.本研究では,読者の印象を反映させた書籍表紙画像を自動生成するための第一段階として,内面的な性質や状態を表す形容詞と色の関係性に着目したデータベースを構築し,書籍本文と感想文から表紙色の抽出を試みた.被験者20人に感想文と表紙画像を描画するタスクを与え実験を行った結果,本手法は文章量に依存せず,小説において読者の描いた表紙画像色との一致率が高く,実際に出版されている書籍の表紙よりも読者の印象を反映できることを確認した.
著者
橋本 泰樹 梶山 朋子 大内 紀知
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.73-76, 2014

2006年に発売されたソニー・コンピュータエンタテイメントのPlayStation 3(PS3)は、同時期に発売された任天堂のWiiに市場シェアの獲得で遅れをとった。これまで、PS3の失敗要因については、「イノベーションのジレンマ」に代表されるように、本体(ハード)の問題を中心に議論されており、ゲーム機の特徴である補完財(ソフト)の側面からは十分な議論がされてこなかった。そこで、本研究では、ソフトがハードに与える間接的ネットワーク効果に着目し、PS3の失敗要因の解明を目的とした。分析の結果、PS3ソフトは多くが既存ソフトを活用して作られていること、それによりPS3ではネットワーク効果が働かなくなったことを明らかにした。
著者
梶山 朋子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.137, pp.181-185, 2013-07-11

本稿では,提案済みのリング状検索インタフェースを改良し,アプリ検索アプリケーション「Wonder Search」を実装した.本インタフェースは,星座早見盤のような形状で,多次元属性情報に対し柔軟な検索を提供する.検索対象は,iTunesストアが用意している23カテゴリに対する上位50件ずつである.検索の切り口として利用する属性には,カテゴリやユーザ評価などのストア登録情報に加え,アイコンの色彩に関する属性を用意した.本アプリケーションは,予想外のアプリケーションとの出会いを提供するだけでなく,紫のアイコンは少ないなど分析ツールとしても利用できることが分かった.
著者
飯田 拓也 梶山 朋子 大内 紀知 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.75-84, 2014-01-01

書籍の表紙は直観的に本のイメージを与えるだけでなく,書籍購入前の検索や購入後の書棚散策では大きな指標となっている.一般的に,出版書籍の表紙は,作者や出版社の意思を反映しデザインされるため,読者の印象が反映されにくい.また,近年普及が進んでいる電子書籍コンテンツの中には,表紙が提供されなかったり,同一デザインの表紙が用いられるものが存在し,表紙画像をベースとした書籍検索や書棚散策が考慮されていないという問題があった.そこで,本論文では,書籍表紙画像の自動生成を目的として,読者の印象を反映させた表紙画像色の抽出手法を提案する.具体的には,人間の内面的な性質や状態を表す形容詞と色の関係性に着目したデータベースを構築し,書籍本文と感想文から表紙色を抽出する手法を提案する.被験者20人による表紙画像の描画による実験と,被験者15名による書籍表紙色の選択による実験を行った結果,本手法は文章量に依存せず色抽出を行えること,読書後に読者の感情が揺れ動く小説において特に有効であること,実際に出版されている書籍の表紙よりも読者の印象を反映できることを確認した.
著者
町田 史門 梶山 朋子 嶋田 茂 越前 功
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.2092-2103, 2014-09-15

SNS(Social Networking Service)が幅広い年齢層に急速に普及し,SNSに投稿されるライフログにより,多くの人々がコミュニケーションを活発化している一方,SNS投稿に起因したプライバシ侵害のトラブルが多く発生している.その原因の1つとして,SNSユーザによる,個人に関する情報の漏洩がある.本論文では,SNSユーザの不用意な投稿による個人に関する情報の漏洩が,実際に発生していることを確認するために,Twitterアーカイブにおけるこのような情報漏洩の存在率の試算評価を行った.次に,本試算評価を受け,SNS投稿時に発生する情報漏洩を自動検知する第一歩として,非公開とすべき情報の内容分類と開示レベルを対応付けた,SNSにおけるプライバシ侵害情報分類表の提案とその評価を行った.さらに本分類表の特性を活かし,センシティブデータの漏洩有無の通知と,SNS投稿者を中心としたネットワーク内における公開対象者の自動設定を提供するシステムを提案した.Social Networking Service is rapidly becoming popular for all ages nowadays. Users communicate by posting messages in SNS. On the other hand, posting messages through SNS increases invasion of privacy. One of the reasons is SNS users themselves often leak their sensitive data unintentionally. In this paper, to confirm leakage of sensitive information by unintentional posts, we evaluate the abundance ratio of sensitive data in Twitter archive. As a result, we define and evaluate a classification table of invasion of privacy for SNS that is based on classification according to contents of information which should be kept private, and disclosure level as the first step to detect privacy leaks automatically. We also propose a system that provides automatic configuration of disclosure target based on SNS egocentric network.
著者
町田 史門 梶山 朋子 嶋田 茂 越前 功
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.2092-2103, 2014-09-15

SNS(Social Networking Service)が幅広い年齢層に急速に普及し,SNSに投稿されるライフログにより,多くの人々がコミュニケーションを活発化している一方,SNS投稿に起因したプライバシ侵害のトラブルが多く発生している.その原因の1つとして,SNSユーザによる,個人に関する情報の漏洩がある.本論文では,SNSユーザの不用意な投稿による個人に関する情報の漏洩が,実際に発生していることを確認するために,Twitterアーカイブにおけるこのような情報漏洩の存在率の試算評価を行った.次に,本試算評価を受け,SNS投稿時に発生する情報漏洩を自動検知する第一歩として,非公開とすべき情報の内容分類と開示レベルを対応付けた,SNSにおけるプライバシ侵害情報分類表の提案とその評価を行った.さらに本分類表の特性を活かし,センシティブデータの漏洩有無の通知と,SNS投稿者を中心としたネットワーク内における公開対象者の自動設定を提供するシステムを提案した.
著者
梶山 朋子 中丸 幸治 大野 義夫 神門 典子 佐藤真一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.918-928, 2007-02-15
被引用文献数
3

本稿では,マルチメディアデータのような多次元属性情報を対象とし,初心者ユーザでも利用可能なリング状検索インタフェースConcentric Ring View F+を提案する.一般的な検索システムでは,ユーザの操作によりシステムが検索結果を出力するというクエリ中心であるため,ユーザが属性や属性の意味を直感的に把握し,最適値へ調整することは難しい.そこで我々は,ユーザが検索結果を評価することは可能であるということに着目し,検索結果中心という考えで設計した.ユーザは,検索結果から現在の状況を把握して属性や属性値を操作したり,自分の情報要求に適合している候補を選択したりすることにより検索を進める.本手法はリング状構造で,ユーザのリング操作により,リング内部の検索結果が瞬時に表示される仕組みである.有効性の検証では,本手法を用いて画像検索システムを構築し,ユーザビリティテストを行った.This paper proposes a new search interface, named Concentric Ring View F+, applying to multi-faceted information for novice users. Because general retrieval systems are queryoriented they just display retrieved results by users' operation, it is difficult for users to grasp the meaning of attributes or their values intuitively and adjust optimum values. We designed a new search interface based on a result-oriented concept because we recognized that users could evaluate retrieved results. Users can continue to search by seeing retrieved results and grasp the present conditions, operating the attributes and their value, and selecting the relevant information. This proposed interface is ring-structured and retrieved results are displayed by ring operations in real time. We constructed an image retrieval system and performed usability tests to verify its effectiveness.