著者
高久 雅生 江草 由佳 寺井 仁 齋藤 ひとみ 三輪 眞木子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.224-235, 2009-05-16 (Released:2009-06-27)
被引用文献数
1 4

Web 情報探索行動中のサーチエンジン検索結果一覧ページ(以下,SERP と呼ぶ)に対する行動に着目し,ユーザ実験の方法論により,視線データ,ブラウザログ,事後インタビュー等の情報を包括的に用いて,ユーザ属性,タスク属性,クエリ属性の3 つの要因と,眼球運動による視線データとの関連を探った.分析の結果,SERP における行動の説明変数としては,他の要因に比べてInformation/Navigational クエリの違いによる効果が最も大きく,SERP への遷移の直接的な原因となるクエリ種別により,ユーザの行動を予測しうる可能性が示唆された.
著者
高久 雅生 江草 由佳 寺井 仁 齋藤 ひとみ 三輪 眞木子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.249-276, 2010-10-22 (Released:2010-12-08)
参考文献数
41
被引用文献数
3

Web利用者の情報探索行動の理解のために,眼球運動データ,ブラウザログ等の情報を包括的に用いて,ユーザ特性,タスク種別の違いがいかに探索行動に影響しうるかを検討した.ユーザ特性として図書館情報学専攻の大学院生と一般学部生の2グループを設定し,それぞれ大学院生5名,学部生11名が実験に参加した.タスク種別としてレポートタスクと旅行タスクの2つを設定して,それぞれ15分間ずつのWeb探索行動を観察した.実験の結果,タスク種別の影響として,サーチエンジンの検索結果一覧ページ上における視線注視箇所として,旅行タスクではスポンサーリンク,レポートタスクではスニペット領域がより多く見られるなど,タスク毎に着目する情報が異なることが示された.また,旅行タスクではサーチエンジン検索結果一覧ページから2回以上たどったページの閲覧回数がより多く,異なるタスクにおいて情報収集方略が異なる傾向が示唆された.一方でユーザ特性の影響として,大学院生は学部生に比べて,ページ閲覧をすばやく行い,タブ機能を用いた並列的な閲覧行動も観察されるなど,効率的な情報収集を目指した行動の差異が見られた.
著者
石田 栄美 宮田 洋輔 神門 典子 上田 修一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.33, pp.85-92, 2006-03-22

書名だけでなく目次や帯情報を用いて,図書を日本十進分類法の分類カテゴリに自動分類する実験を行った。分類手法には,相対出現率と相互情報量にもとづく重み付けとSupport Vector Machine(SVM)による手法を用いた。「BOOK」データベースとNII-CATデータを統合した24 000件を用いて学習させたところ,重み付けに相対出現率と相互情報量を用いた場合は,書名に加えて目次と帯情報を用いた場合の効果が認められた。また,機械学習手法よりも,統計的手法のほうが有効であった。分類カテゴリの分野ごとの再現率を調べたところ,分野によって再現率に大きな差があった。さらに,帯情報などが有効な分野もあり,書名,目次,帯を用いた効果が分野ごとに異なることが明らかになった。In this paper, we describe methods of classifying Japan MARC records to class number of Nippon Decimal Classification. We compare the performance of three categorization method, based on mutual information(MI), relative frequency and SVM. In each method, training data are title and table of contents and blurb on the flap in Japan MARC records. The experimental results show that the best performance is MI using title and table of contents and OBI, but other methods are not. In failure analysis, we found the performance depends on subject of class number.
著者
狩野 芳伸 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.179-184, 2013-05-25 (Released:2013-07-25)
参考文献数
7

「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトでは、最初の課題として大学入試センター試験の自動解答を目指している。本稿では、そのうち歴史系科目を対象とした解答器作成の試みを報告する。我が国の大学入試は、基本的に高校教科書の範囲内から出題されることになっている。しかし、人工知能が機械的に解くという観点でみると、範囲内というのは曖昧さがあるうえ、潜在的に人間の常識や知能を前提にしている。我々はあくまで教科書内の知識のみを用いるアプローチで、どこまで自動解答が可能かを試みた。歴史系科目とセンター試験の特性を鑑みて、解答にあたってはあえて論理的な構造や解析を排除し、教科書内の表現が肯定的であることを前提に単語を基本とする知識でどこまで解答可能かを探った。
著者
石田 哲也 関 洋平 欅 惇志 柏野 和佳子 神門 典子
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.586-631, 2023 (Released:2023-06-15)
参考文献数
34
被引用文献数
1

行政の政策や接客業のサービスの質を向上させるためには,市民によるフィードバックの収集/分析と同時に都市の特徴を明らかにするための他の都市との比較が重要となる.しかし,都市によって政策やサービスは異なり,市民の抱える意見も異なるため,機械学習により複数の都市に適応した市民意見の分析を実現することは難しい.本論文では,都市を横断して市民意見を抽出する手法を提案する.実験では,横浜市民,札幌市民,仙台市民のつぶやきを対象として,特定の都市のつぶやきでファインチューニングしたモデルを,評価対象の都市の比較的少量のつぶやきを用いて再度ファインチューニングする手法の有効性を確認した.この際,評価対象の都市の訓練データは,異なる都市のつぶやきで訓練したモデルによる予測の確信度が高いものを選定することが有効であることを明らかにした.
著者
石川 大介 栗山 和子 関 洋平 神門 典子
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.8, pp.1-7, 2010-01-21
参考文献数
12

Q&Aサイトにおけるベストアンサーを計算機が推定可能か検証するために,人間の被験者によるベストアンサー推定実験を行った.ベストアンサー推定実験にはYahoo!知恵袋データを利用し,「恋愛相談」と「パソコン」のカテゴリーから各50問を使用した.被験者二人による推定結果は,「恋愛相談」では正解率50%と52%(ランダム推定結果は34%),「パソコン」では正解率62%と58%(ランダム推定結果は38%) であり,いずれもランダム推定結果を上回った.また,被験者二人のκ係数は,「恋愛相談」では0.454(moderate),「パソコン」では0.613(substantial) であった.In order to verify whether a computer can estimate the best answer on a Q&A site, a best-answer estimation experiment was carried out with human examinees. The Yahoo! Chiebukuro data was used for the best-answer estimation experiment, and 50 questions each were used for the categories of"Consultation of love"and"Personal computer."The estimated result by two examinees for the correct answer rate was 50% and 52% (randomly estimated result: 34%) in "Consultation of love" and 62% and 58% (randomly estimated result: 38%) in "Personal computer"; therefore, each estimated result exceeded the randomly estimated result. Moreover, the kappa coefficient of the two examinees was 0.454 (moderate) in "Consultation of love" and 0.613 (substantial) in "Personal computer."
著者
戸嶋 真弓 石川 哲朗 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.286-291, 2013-05-25 (Released:2013-07-25)
参考文献数
6

ディジタルネイティブとは,生まれた時からインターネットやパソコンが身近に存在しており,それらを利用することに抵抗がなく,それ以前の世代とは行動特性の異なりが見られる世代のことを指す.本研究では,この世代に属する日本人の大学生が,授業において課題を行う場合,Web検索を用いる情報探索を促すことによって,知識の獲得にどのような特性を示すのかを,課題遂行前と課題遂行後の連想単語の変化に焦点を当てて調査し,検討した.調査参加者を「Web検索を用いて学習することを毎授業時に明示的かつ継続的に指示」したW(Web)クラスと「主に図書館を用いて学習することを,毎授業時に明示的かつ継続的に指示」したL(Library)クラスに分け,課題に関しての学習を行 った.この結果,両者の間には,課題遂行前後での連想単語の種類と数(平均 : W事前6.9個,事後13.2個; L事前5.8個,事後9.7個)に違いが見られた.
著者
高久 雅生 江草 由佳 寺井 仁 齋藤 ひとみ 三輪 眞木子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.224-235, 2009-05-16
被引用文献数
4 4

Web情報探索行動中のサーチエンジン検索結果一覧ページ(以下,SERPと呼ぶ)に対する行動に着目し,ユーザ実験の方法論により,視線データ,ブラウザログ,事後インタビュー等の情報を包括的に用いて,ユーザ属性,タスク属性,クエリ属性の3つの要因と,眼球運動による視線データとの関連を探った.分析の結果,SERPにおける行動の説明変数としては,他の要因に比べてInformation/Navigationalクエリの違いによる効果が最も大きく,SERPへの遷移の直接的な原因となるクエリ種別により,ユーザの行動を予測しうる可能性が示唆された.
著者
高久 雅生 江草 由佳 寺井 仁 齋藤 ひとみ 三輪 眞木子 神門 典子
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.249-276, 2010-10-22
被引用文献数
1

Web利用者の情報探索行動の理解のために,眼球運動データ,ブラウザログ等の情報を包括的に用いて,ユーザ特性,タスク種別の違いがいかに探索行動に影響しうるかを検討した.ユーザ特性として図書館情報学専攻の大学院生と一般学部生の2グループを設定し,それぞれ大学院生5名,学部生11名が実験に参加した.タスク種別としてレポートタスクと旅行タスクの2つを設定して,それぞれ15分間ずつのWeb探索行動を観察した.実験の結果,タスク種別の影響として,サーチエンジンの検索結果一覧ページ上における視線注視箇所として,旅行タスクではスポンサーリンク,レポートタスクではスニペット領域がより多く見られるなど,タスク毎に着目する情報が異なることが示された.また,旅行タスクではサーチエンジン検索結果一覧ページから2回以上たどったページの閲覧回数がより多く,異なるタスクにおいて情報収集方略が異なる傾向が示唆された.一方でユーザ特性の影響として,大学院生は学部生に比べて,ページ閲覧をすばやく行い,タブ機能を用いた並列的な閲覧行動も観察されるなど,効率的な情報収集を目指した行動の差異が見られた.
著者
土井 俊弥 井上 祐輔 今田 貴和 宇津呂 武仁 河田 容英 神門 典子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

本論文では,ウェブ検索者の関心事項に着目し,検索エンジン・サジェストを情 報源としてウェブ検索者の情報要求観点を収集し,集約を行う手法を提案する. 特に,サジェストを用いた検索によって収集されるウェブページ集合に対してト ピックモデルを適用し,ウェブページのクラスタリングを行うことによって,ウェ ブページに対応付けられたサジェストの集約を行う.
著者
今田 貴和 井上 祐輔 李 雪山 宇津呂 武仁 河田 容英 神門 典子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

本論文では,検索エンジン・サジェストによって測定される関心事項の情報を最 大限に有効活用するタスクとして,特定商品ジャンルにおける製品・サービス等 の供給者である複数の企業の間で,検索における関心の度合いを比較するという タスクを設定する.そして,検索における関心の度合いが,実社会における市場 シェア統計との間でどの程度の相関を持つのかについて分析を行う.
著者
高久 雅生 江草 由佳 寺井 仁 齋藤 ひとみ 三輪 眞木子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.1005110019-1005110019, (Released:2010-05-24)
参考文献数
41
被引用文献数
3

Web利用者の情報探索行動の理解のために,眼球運動データ,ブラウザログ等の情報を包括的に用いて,ユーザ特性,タスク種別の違いがいかに探索行動に影響しうるかを検討した.ユーザ特性として図書館情報学専攻の大学院生と一般学部生の2グループを設定し,それぞれ大学院生5名,学部生11名が実験に参加した.タスク種別としてレポートタスクと旅行タスクの2つを設定して,それぞれ15分間ずつのWeb探索行動を観察した.実験の結果,タスク種別の影響として,サーチエンジンの検索結果一覧ページ上における視線注視箇所として,旅行タスクではスポンサーリンク,レポートタスクではスニペット領域がより多く見られるなど,タスク毎に着目する情報が異なることが示された.また,旅行タスクではサーチエンジン検索結果一覧ページから2回以上たどったページの閲覧回数がより多く,異なるタスクにおいて情報収集方略が異なる傾向が示唆された.一方でユーザ特性の影響として,大学院生は学部生に比べて,ページ閲覧をすばやく行い,タブ機能を用いた並列的な閲覧行動も観察されるなど,効率的な情報収集を目指した行動の差異が見られた.
著者
栗山 和子 神門 典子
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2009-DBS-148, no.19, pp.1-8, 2009-07-21

本稿では,Q&A サイトにおける質問と回答を分析し,質問に対して適切な回答を得るために考慮しなければいけない要素として,質問のタイプを提案する.本研究では,Q&A サイトに投稿された質問を人手で分析することにより,質問をいくつかのタイプに分類した.また,各タイプの質問を識別するために共通する特徴を抽出し,それを用いて質問を自動的にタイプ分けすることが可能かどうかを検討した.さらに,質問のタイプと質問者によって選択されたベストアンサーになんらかの関連がみられるかどうか考察した.
著者
石川 大介 栗山 和子 酒井 哲也 関 洋平 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.73-85, 2010-05-15
参考文献数
19

本研究では,Q&A サイトにおけるベストアンサーを計算機が推定可能か検証した.まず最初に,人間の判定者によるベストアンサー推定実験を行った.ベストアンサー推定実験にはYahoo!知恵袋データを利用し,「恋愛相談」「パソコン」「一般教養」「政治」の4つのカテゴリからそれぞれ無作為抽出した50 問を使用した.判定者二人による推定結果の正解率(精度) は,「恋愛相談」では50%と52%(ランダム推定:34%),「パソコン」では62%と58%(ランダム推定:38%),「一般教養」では54%と56%(ランダム推定:37%),「政治」では56%と60%(ランダム推定:35.8%) であった.次に,この実験結果を分析し,ベストアンサーを選ぶ要因として「詳しい」「根拠」「丁寧」を素性とする機械学習システムを構築した.判定者らと同じ50 問を用いた推定実験の結果,機械学習システムの精度は,「パソコン」では判定者らの結果を上回り(67%),「恋愛相談」では判定者らの結果を下回った(41%).「一般教養」と「政治」では機械学習システムと判定者らの結果はほぼ同等であった.
著者
石川 大介 酒井 哲也 関 洋平 栗山 和子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.362-382, 2011-09-27
参考文献数
24
被引用文献数
1

コミュニティ型質問応答サイト(CQA)は,ユーザが自身の状況に応じた情報を得ることができる新たな手段である.しかし投稿された回答の質は様々であるため,その中から良質な回答を選択する方法が求められている.そこで本研究は,まず Yahoo!知恵袋データにおける良質回答を人手で分析し,その結果に基づいて良質回答自動予測システムを構築した.具体的には,「恋愛相談」「パソコン」「一般教養」「政治」の4つのカテゴリからそれぞれ無作為に50問の質問を抽出し,判定者2名によって手作業で良質回答を決定した.次に,その結果を分析し,良質回答の特徴として「詳しさ」「根拠」「丁寧さ」に基づく機械学習システムを構築した.機械学習システムの評価結果は,「パソコン」と「一般教養」カテゴリでは判定者らを上回った.「恋愛相談」と「政治」カテゴリでは,機械学習システムの評価結果は判定者らとほぼ同じであった.以上の結果から,CQAアーカイブから自動的に良質回答を発見するシステムの可能性が示唆される.
著者
石川哲朗 戸嶋真弓 ビクトルス・ガルカビス 茂木健一郎 神門典子
雑誌
情報アクセスシンポジウム2013
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1-8, 2013-11-29

視覚情報探索において,何かを発見したという気付きが重要な役割を果たすと考えられる.情報発見に伴う強烈な気付きは,洞察問題解決という文脈で捉えることができる.ここで,洞察とは,突然,はっきりとそれが容易に正しい答えであると強く確信され,嬉しさなどのポジティブな感情を伴う現象で,このような主観的体験をアハ体験と呼ぶ.視覚認知の分野では,ダルメシアンやダレンバッハの牛のような何が隠されているのか分からない不鮮明な隠し絵が,知覚された瞬間にアハ体験を生じる刺激として有名である.近年,このような刺激をモーフィングにより作成する技術が著者らによって開発され,隠し絵に伴うアハ体験を実験室で再現することを可能にした.この手法を応用し,隠し絵の認識に関する実験を実施した.多観点から評価された主観評定の探索的因子分析により,アハ体験は情動的因子と知覚に関する判断を表すと見なせる二つの因子から構成されることが示唆された.画像が時間とともに鮮明になり元の情報が徐々に開示されて行くと,ある瞬間に突然,はっきり鮮明にオブジェクトが知覚されたことに驚きつつも,それまで未知であった情報を見つけたと気付いて確信し,分かって嬉しかったり面白かったりして,誰か他の人にも薦めたくなるというように,気付きに伴い豊かな主観的経験を体験するということが分かった.このような正答試行のときの推薦度がアハ体験の指標となり得るという発見は,本研究で得られた新たな知見である.
著者
大山 敬三 神門 典子 佐藤 真一 加藤 弘之 日高 宗一郎
出版者
国立情報学研究所
雑誌
学術情報センター紀要 (ISSN:09135022)
巻号頁・発行日
no.12, pp.111-120, 2000-03
被引用文献数
1

学術情報センターで開発中のオンラインジャーナル編集・出版システムは,学協会や大学が刊行する学術雑誌の執筆・編集・出版のすべての工程を電子化・オンライン化し,学術研究成果の流通を効率化するものである.学協会が運用して編集に利用するインハウスシステムは多様な編集部体制や文書形式に対応できる設計となっている.学術情報センターが運用してオンライン出版に用いるシステムは強力な検索能力を持ち,多数の購読者支援機能を提供する.本稿では,このシステムについて,著者,編集担当者,購読者などの視点からの機能や利用方法を説明し,学協会における活用方法を紹介している.
著者
大山敬三 神門 典子 佐藤真一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.57, pp.33-40, 1999-07-16
被引用文献数
1

学協会や大学などの学術機関から刊行されている学術雑誌のオンラインジャーナル化を支援するためには,多様な編集の体制や工程,投稿方式,文書ファイル形式,計算機環境などに対応できる柔軟な編集システムを構築する必要がある。著者らは,管理業務に関わる編集管理システムと,原稿自体を扱う文書処理システムをサブシステムとして構成する方式を提案して実現した。この文書処理システムでは,個別の文書ファイル形式,工程ごとの文書処理ツール,文書のバージョン,ファイル実体などの管理,および文書処理ツールの起動・監視などの機能をカプセル化し,異なる文書ファイル形式の混在や新しい文書処理ツールの導入などが容易にできるようになっている。In order to support academic institutions (e. g. academic societies and universities) to publish their scholarly journals on-line, it is necessary to develop a flexible editing system that can adapt to variety of editing organizations and flows, submission methods, document formats, and computer environments. The authors proposed and implemented a system configuration consisting of two independent subsystems, an editing management subsystem and a document processing subsystem. The document processing subsystem encapsulates the management of document file formats, processing tools, document version control, and physical location of document files. It enables editing of heterogencous documents and easy introduction of new tools.