著者
松野 義晴 川端 由香 小野 祐新 佐藤 浩二 足達 哲也 小宮山 政敏 門田 朋子 森 千里
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.203-207, 2002-10-01
参考文献数
2
被引用文献数
2

肉眼解剖実習は,医歯科大学生にとって人体の構造および機能を学ぶ上で,重要な基礎科目の一つである。本学において,解剖実習に供される遺体は千葉白菊会会員から提供いただいている。ところで,本学の解剖実習施設は,本学医学生およびコメディカル学生以外には公開していなかった。以前より,実習施設に関しては,会員から「死後自らのご遺体を預ける施設について見学したい」といった要請があったが,その機会を実現するには至らなかった。しかし,平成13年3月に解剖実習施設内の面会室および実習室の改装が終了したことを機に,要請に応えることおよび施設の現状を会員に知っていただくことを目的として,同年10月に開催された千葉白菊会総会時に希望者に対して見学会を実施するに至り,その成果を含めここに報告する。見学会には112名が参加し,見学箇所への移動に支障のない会員を10名程度のグループに分け,面会室,霊安室,遺体保管室および解剖実習室の順に見学を行った。なお,移動の困難な会員については待機場所において映像による見学を行った。後日,見学会に関するアンケート調査を行ったところ,参加いただいた8割の会員から返答をいただき,見学会全体を通して肯定的な回答をいただいた。特に,実際に施設見学を行った会員の回答によって(1)スタッフの対応,(2)見学時間,(3)見学内容,さらには映像による見学を行った会員の回答にみられるとおり,(1)映像の出来映え,(2)映像に関する説明,(3)放映時間については,その肯定的な回答を約6割の会員から得た点からすれば,及第点をクリアーしているといっても過言ではなかろう。
著者
瀬沼 美華 古谷 真美 高島 宏昌 太田 亮 森 千里 小川 哲郎 桑形 麻樹子
出版者
日本毒性学会
巻号頁・発行日
pp.P-70, 2012 (Released:2012-11-24)

ヒ素は飲水への混入が問題となっている環境汚染物質であり,疫学調査では高濃度汚染地域における児童のIQ低下が報告されている.動物実験においても,発達期(胎児期-授乳期)のヒ素暴露により離乳後に自発運動減少,記憶力低下,それに伴ったモノアミン濃度の変化といった発達神経毒性(DNT)が認められ,DNT試験法のバリデーションにおける陽性対照物質の1つに挙げられている. 我々はヒ素の神経発生初期への影響を検討する目的で,ラットの器官形成期(妊娠9-15日)にヒ素を投与し,投与直後の妊娠16日に胎児脳を観察し,ヒ素の直接的な神経発生への影響を検討してきた(第51回日本先天異常学会学術集会).その結果,母動物には体重増加抑制などの重篤な毒性が観察されたが,胎児死亡率,胎児体重に影響はなかった.また,組織中の含量分析の結果,ヒ素の胎児脳への移行は確認されたが,胎児脳の神経上皮細胞において細胞死の誘発は認められず,また,神経幹細胞の分裂能にも影響は認められなかった.今回,さらにヒ素暴露による胎児脳のモノアミン神経発生への影響について免疫組織学的方法を用いて詳細に検討した. Tyrosine hydroxylase陽性細胞の分布は,その神経核である腹側被蓋野および黒質緻密部で変化はなく,その投射先である線条体,大脳皮質における線維にもヒ素暴露の影響は認められなかった.一方,背側縫線核および正中縫線核のSerotonin (5-HT)陽性細胞数の減少が観察された.連続切片による詳細な観察から,5-HT陽性細胞の分布様式に異常はなく,全体的にその数が減少していることが明らかとなった.この結果から,胎生期のヒ素暴露は発生初期の5-HT神経細胞の発生に影響を及ぼすことが示唆された.
著者
斎藤 育江 大貫 文 戸高 恵美子 中岡 宏子 森 千里 保坂 三継 小縣 昭夫
出版者
一般社団法人日本リスク研究学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.91-100, 2011 (Released:2012-01-22)
参考文献数
36

In the 1990s, the so-called ‘sick house syndrome’ became an area of public concern. Consequently, the Ministry of Health, Labour and Welfare of Japan established Indoor Air Guidelines for 13 compounds as a preventive measure against sick house syndrome. In recent years, lower concentrations of the 13 chemicals in newly built houses diminished the health risk from those chemicals. As a result, instead of the regulated chemicals, unregulated chemicals such as methylcyclohexane, dichloromethane and acetone became common in building materials. These chemicals have also been found to cause sick house syndrome. Thus, in addition to the regulation of individual chemicals, it is now believed that it is necessary to minimize the total amount of volatile organic compounds (VOCs) in order to diminish the health risk from indoor air chemicals.