著者
釘原 直樹 植村 善太郎
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大事故や感染症などの災害が発生した場合、マスメディアは非難攻撃の対象を発見し、追及する。ある対象(スケープゴート)を攻撃する記事数は時間とともに変化し、対象自体が次々と変遷する。本研究ではそのような現象を説明するために、非難対象と量の時系列的変遷を説明する波紋モデルを構成した。JR福知山線脱線事故、0157やSARSなどの感染症、口蹄疫などに関する新聞や週刊誌の記事分析をした結果、非難対象が個人→集団→システム→国家→社会へと変遷する傾向があることが確認された。またこの現象には頻度知覚や記憶のバイアスもかかわっていることが実験によって見いだされた。
著者
植村 善太郎
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-12, 2007 (Released:2007-09-05)
参考文献数
21

新入成員が集団に参加する状況において,紹介者の存在が既存成員の新入成員を受け入れることに関する不安と新入成員に対する信頼に及ぼす効果を実験によって検討した(被験者:男性52名,女性56名,計108名)。1)集団内のサクラが新入成員を知っている事実だけを述べる条件(単純存在条件),2)サクラが新入成員を知っており,肯定的に紹介する条件(肯定的紹介条件),3)サクラが存在せず,誰も新入成員を知らない条件(紹介者なし条件)が設定された。集団による共同作業場面3セッション中の第2セッション終了後に,第3セッションからの中途参加者受け入れに対する態度が測定された。第3セッションは実際には行われなかった。全般的な結果は,1)単純存在条件および肯定的紹介条件では紹介者なし条件に比して,集団構造が動揺することに対する不安が低く,意図および能力に対する信頼が高かった。また,2)単純存在条件と肯定的紹介条件との間には大きな差異はなかった。これらの結果から,紹介者はただ存在するだけで,集団構造が動揺することに対する不安の低減,新入成員に対する信頼の向上に効果をもつことが示された。
著者
植村 善太郎 松岡 恵子
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第四分冊, 教職科編 = Bulletin of University of Teacher Education Fukuoka. Part IV, Education and psychology (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.9-15, 2020-03-10

In recent years, there has been an increase in social interest in maltreatment for children, but there are not many studies on maltreatment in facilities such as kindergartens and nurseries. The purpose of this study was to explore organizational factors related to maltreatment in early childhood education and care facilities. We conducted an online survey of 200 kindergartens or nurseries workers (56 men, 144 women, average age 41.84 years) regarding “maltreatment”, “teamwork” that meant harmony in the organization, and “openness of the organization”. As a result of analysis of variance with “teamwork” and “openness” as independent variables, and “maltreatment” as a dependent variable, a significant main effect of “teamwork” was detected. It suggested that higher teamwork produced lower maltreatment. Based on the results, discussions were made on the mechanism by which maltreatment occurs in the facility and future research issues.
著者
植村 善太郎
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 心理学 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.187-195, 1999-12-27

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