著者
岩垣 真人 楠山 研 牧野 邦昭 松山 直樹
出版者
沖縄大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では,京都帝国大学や,県立兵庫高等商業学校,琉球大学などに着目し,まず,そのような高等教育機関が,どういった経緯で,既存の高等教育機関に対抗して設立されたのか,検討を行う。さらにそれらの高等教育機関において,対抗関係と特殊な事情の下で掲げられた,教育・研究に関する理念が,現実との関係のなかでどのように変容していったのか,分析を行う。この研究では,帝国大学などを軸とした「国策」に基づく高等教育機関の設置やその発展とは異なる,全国各地で地域のニーズに応じて設置・運営された後発の高等教育機関像を並列することで,日本における高等教育機関の複線的記述を一層拡張することを試みていく。
著者
森下 稔 鈴木 康郎 平田 利文 S Kampeeraparb 楠山 研 石村 雅雄 羽谷 沙織 乾 美紀 ベー シュウキー 荻巣 崇世 NO Fata HEUANGKEO Souphany UNKONG Thidawan TRINH Quoc Lap
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、ASEAN統合が大メコン圏諸国における基礎教育に与えたインパクトを解明することである。カンボジアではASEAN学習が広がり始めているが表面的である。ラオスではASEAN学習を取り入れる動きは少ない。タイではASEAN学習の導入に最も積極的に取り組まれている。ベトナムでは基礎教育への影響は少ない。中国雲南省ではASEANの発展には関心が高いが、基礎教育レベルでの協力・交流は進んでいない。ミャンマーでは、民主化後のカリキュラム改革が進行中であるが統合のインパクトは確認出来ない。また、全体的に見て児童生徒の交流は増えていないのが実態である。
著者
楠山 研
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.No.7, 2015-10

本研究は、NCLB法(No Child Left Behind Act of 2001)の導入により、アメリカの公立学校において英語以外の言語による教育が事実上難しくなり、バイリンガル教育への視線も厳しくなる状況の中にあって、移民を多く抱えるカリフォルニア州において中国語を含むバイリンガル教育を実施している教育機関・施設(=ロサンゼルスの公立小学校とサンフランシスコの就学前教育施設)に注目して、その生き残り策を探ることを目的として検討を加えてたものである。
著者
遠西 昭壽 川上 昭吾 大高 泉 吉田 淳 平野 俊英 楠山 研 森本 弘一 磯崎 哲夫 橋本 健夫 劉 卿美 遠西 昭壽
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

アジアの中で発展が急な韓国、中国、台湾、シンガポール4ヶ国、中国については教育特区の北京、上海、香港の理科教育の実態を調査した。アジア各国は例外なく理科教育の充実に努めている。特に、韓国では英才教育院、科学英才教育院において英才教育が進められていること、シンガポールでは2007年に「シンガポール大学附属理数高校」(National University of Singapore High School of Math and Science)、理数教育に特化した高校が開校していることが特記すべきことである。コンピュータ教育の充実も盛んに行われている。特に、シンガポールでは国が力を入れ、コンピュータはインターネット、電子黒板等多面的に利用されている。いじめがあるのは日本で、韓国では問題になりつつある。その他の国ではこの問題はない。3年間の本研究で、韓国、中国(北京、上海、香港)、台湾、シンガポールの研究者との交流を深めることができ、国際シンポジウムを開催することもできて、今後の研究交流の基盤が整備されたことは、大きな成果であった。
著者
楠山 研
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.24-38, 2008-03-31

Owing to the political confusion after the formation of the People's Republic of China, the number of local universities, managed by local governments, had increased and decreased intensively. Since the 1980's, local universities managed by local governments had increased rapidly. Moreover, the central government managed universities were transferred to the local districts as well. Presently, more than 90 percent of the universities in China are local universities, which are managed by local governments. Several changes and reformations such as, reconsidering the managing system, recruiting system and educational activities (obtaining two degrees in four years by taking both major and minor courses) were established by the local universities in order to possess its specific characteristics. Also many local universities had no specific goals or characteristics. This article aims to display the lack of specific characteristics and purposes that local universities in China posses. Shenzhen University, located in the special economic district area - Shenzhen city, had established its own win- win system. The system which focused not only on its education but also its academic research is an excellent example of a local university which has successfully coped with the local demands.