著者
槙 究 増田 倫子
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.232-243, 2000-12-01
参考文献数
8
被引用文献数
4

実物の色と記憶色では色が異なるとの研究報告がある。本研究では、その違いが記憶保持期間における色の変容によるものかどうかを明らかにするために、物体の色を記憶後、3回に渡って再生させる実験を行った。その結果、以下のようなことがわかった。(1)物体の色の記憶は、ある程度の正確さを持っている。しかし、色相は記憶色の影響を受けてずれることがあるし、彩度の中彩度側にずれて記憶される傾向がある。(2)低彩度の色は、色相の記憶における個人差が大きい。(3)一旦記憶された色は、一週間後まで、安定して再生される。(4)色記憶時の背景の違いは、記憶される色の違いとなって現れる。記憶保持過程には影響を及ぼさない。(5)実物の色と記憶色が異なるのは、色の記憶が時間と共に変化するためではなく、記憶のプロセスに起因する。
著者
槙 究 辻村 壮平 マキ キワム ツジムラ ソウヘイ Kiwamu Maki Sohei Tsujimura
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要
巻号頁・発行日
vol.49, pp.153-160, 2012-03-10

A survey to investigate environmental behavior difference between the period of programmedblackout (March of 2011)and one month after the finish of the blackout (May of 2011)hasbeen performed. Three respondent groups and three behavior groups are obtained by clusteranalysis of the questionnaire data of environmental behaviors. The positive people forenvironmental behaviors do almost of all listed behaviors, the moderate people do two thirds ofthe behaviors, and the negative people do one third of the behaviors. It has a tendency that thenegative people think public offices have responsibility for environmental conservation, andhave less knowledge of ecorogical information.
著者
槙 究 山本 早里
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.127-139, 1998-11-01
被引用文献数
3 1

似合う色についての理論であるパーソナルカラーシステムについて, その妥当性を検討するために, 胸のところにさまざまな色の布地をあてて, 女子大生6名に印象評価してもらう実験を行った。その結果, 次のようなことがわかった。(1)似合う色の個人差が小さいこと(2)高明度・中彩度色や中明度・高彩度色は, 地味な印象を与える方が似合うと評定されること(3)暗い色は, それ自体では好まれないが, 似合いの評定では, それが改善されること(4)似合う色の個人差は, 髪の色との関連が大きいこと(5)人々をイエローベースの色が似合うグループ, ブルーベースの色が似合うグループに分離できないこと
著者
山本 早里 槙 究 熊澤 貴之
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

景観法の趣旨である地域再生を目論み、景観色彩を改良する手法を開発することを目的とし、地域の特性、合意形成、審美性の3軸から考察した。国内の景観計画において色彩を地域別に誘導していないところが多いことが明らかになり、仏国では協議システムが運用されていることがわかった。また、向こう三軒両隣の配色の重心を考慮した景観色彩設計法の有効性を検討した。被験者誘導の実験を行い、色彩規制の効果について考察した。以上から、日本の色彩誘導のあり方は景観法の趣旨が活かされているとは言い難く、そのため、様々な専門家が関わる協議システムが参考になり、街路景観はその特徴によって個別の対応が望ましいことを明らかにした。
著者
小林 茂雄 槙 究 乾 正雄
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.68, no.568, pp.25-31, 2003
被引用文献数
11 3

This study has examined the attributes of safe-feeling street lighting through an experiment that used a scale model of residential streets. The results found in the experiment are summarized below. ・The intensity of lighting required for streets that does not give the feeling of insecurity was higher in scale with women compared to men. ・The intensity of lighting can be reduced in streets with good natural surveillance such as low fences and lights coming through windows. The effect of low illuminance by lights coming through windows was more prominent with low fences than high fences. ・ Footlights can keep the illuminance and luminance of the street down compared to pole lights on the whole. In addition, footlights are more energy efficient in streets with good monitoring properties, and pole lights are more energy efficient in streets with less monitoring properties.