著者
原 正之 樋口 貴広 藪田 哲郎
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.1162-1164, 2003-12-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
5
被引用文献数
1 3

Perceptual illusion that is apparent in real-world environment does not result from human-error but from brain's functions that support perception. The present study demonstrated the effectiveness of our haptic interface to produce haptic illusion in virtual environment.
著者
山田 実 樋口 貴広 森岡 周
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.C1O2012-C1O2012, 2009

【目的】<BR> 肩関節周囲炎のような運動器疾患患者の多くは、疼痛や関節可動行制限によって、自ら患側肢の能動的な運動を制限してしまう(学習された不使用).このことが、関節可動域改善の妨害因子となることは明らかであり、何らかの対応が求められる.一方、運動イメージを簡便に想起させる手段の一つに、身体部位のメンタルローテーションを用いる方法があり、CRPSのような難知性疼痛患者に対する介入としても臨床応用されている.学習された不使用は、皮質レベルでの機能変化であるため、CRPS患者と同様に、その他の運動器疾患患者においても、メンタルローテーションを用いた介入が有用である可能性がある.そこで本研究では、学習された不使用状態にある肩関節周囲炎患者に対するアプローチとして、簡易型メンタルローテーション課題(簡便に運動イメージ想起を行う手段)を考案し、その有用性を検討した.<BR>【方法】<BR> 対象は、片側罹患の肩関節周囲炎患者40名(年齢; 54.8±10.5歳、日整会肩基準; 64.1±6.3点)であった.なお、明らかな石灰沈着や腱板損傷を認めた場合は除外した.対象者には紙面および口頭にて、研究の説明を行い署名にて同意を得た.対象者は、無作為に介入群20名と対照群20名に分けられた.介入期間は1ヶ月であり、両群ともに、標準的リハビリテーションを週に2~3回の頻度で行った.加えて介入群には、簡易型メンタルローテーション課題が課された.この課題は、回転(0°、90°、-90°、180°)してある左右側それぞれの上肢および手の写真をみて、それが右手なのか左手なのかを回答するものである.120枚の写真(上肢、手)を入れた、はがき用のクリアファイルを用いて、毎日15分程度、1ヶ月間行うよう指導した.1ヶ月間の介入前後には、日整会肩基準、屈曲角度、外転角度、1st外旋角度を測定し、アウトカムとした.統計解析には、二元配置分散分析およびpost hoc testを用い、介入効果の検証を行った.<BR>【結果および考察】<BR> 介入前のベースラインの比較では、年齢、発症より介入開始までに要した期間、日整会肩基準、屈曲角度、外転角度、1st外旋角度の全てで有意な群間差を認めなかった(p>0.05).二元配置分散分析の結果、日整会肩基準、屈曲角度、外転角度、1st外旋角度の全てで交互作用を認め、介入群で有意な改善を認めた(p<0.05).なお両群ともに、すべての指標の介入前後で有意な改善を示していた(p<0.05).これらのことより、標準的リハビリテーションだけでも肩関節機能の改善は期待できるが、加えて、簡易型メンタルローテーション課題を用いたトレーニングを行うことで、より機能改善に有用であることが示唆された.<BR>【結語】<BR> 肩関節周囲炎患者において、簡易型メンタルローテーション介入を行うことは、機能改善に有用である.
著者
木島 章文 樋口 貴広 島 弘幸 奥村 基生 鈴木 聡
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

小学校2, 4, 6年生を対象とした実験を完了し,以下の結果を得た(現状も分析を続行している).1) 三者跳躍課題の遂行に伴うミスの回数を学年間で比較した結果,第2学年以上になるとミスの回数が多くなる傾向が見られた.2年生においては一方向のみあるいは定型的に跳躍方向を切り替える組(例えば,左右1回ずつ交互に,あるいは2回ずつ交互になど)が7割がたを占め,第4学年以上になると不規則に跳躍方向を切り返す組が7割がたを占めていた.また第6学年では成人と同じく,反時計回り方向へ跳躍するケースが顕著に多くなった(平均で成功回数の7割).2)先導跳躍者に対する他二者の遅れに関して学年間に有意差はなかったが,全ての学年における遅れ時間が,成人より有意に大きかった.また先導・追従性に差がない等質群においては,成人と同じく,正方形条件における遅れが正三角形条件における遅れより大きい傾向があった.また先導性に差がある異質群においては,成人とは逆に,正方形条件において先導児童が早期に跳躍することを示す二者先導(一者追従)型の協応パタンを示す傾向が強かった.3)等質群では,三者の配置が対称な正三角形条件において三者それぞれが他を先導する確率が等しく(約33%),正方形条件では跳躍方向に空き地を持つ一者が先導する確率が抜きん出て高く,他の二者が先導することはほとんどなかった.これら協応パタンは成人のパタンと同じ性質であり,それぞれの地形における跳躍者の配置の対称性から群論に基づいて予測したパタンと一致する.一方で異質群においては先導児童が場の制約に反して先導する傾向が高かった.そこで現れるパタンの時空間対称性は地形から予測される対称性より低い.現在,跳躍者の個性が地形の幾何学対称性から予測される協応パタンの対称性が,そこに配置される跳躍者の個性によって崩れることを説明する数理モデルを検討している.
著者
安田 和弘 樋口 貴広 今中 國泰
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.803-806, 2009-12-20
参考文献数
13

〔目的〕本研究の目的は,身体状況の顕在化を促す運動が,その後の姿勢制御課題に与える影響を検討することであった。〔対象〕実験参加者は,健常成人10名であった(平均年齢25.6±6.29歳)〔方法〕両脚立位課題(低難易度条件;実験1),片脚立位課題(中難易度条件;実験2),片脚立位不安定板課題(高難易度条件;実験3)の3種類の姿勢制御課題にて効果を検証した。椅子坐位の閉眼にて四肢,体幹の自動介助運動に意識を向けることで身体状況を顕在化し,介入の前後に身体動揺を測定した。〔結果〕片脚立位課題と片脚不安定板課題では姿勢動揺が減少したが,両脚立位課題では変化が見られなかった。〔結語〕一連の結果から,課題前の身体状況の顕在化を促す運動は,難易度の高い姿勢制御課題の姿勢動揺を減少させ得る可能性が示唆された。<br>
著者
樋口 貴広
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,視覚情報が利用できない条件でも,より正確に空間を移動できる歩行方略を検討するため,視覚情報を一時的に遮断した状況下での歩行中の空間認識,および歩行動作特性について検討した.歩行中に視覚情報が利用できず,記憶を頼りに障害物をまたぐ課題(回避課題),および障害物があると思う位置で立ち止まる課題(到達課題)の2つの課題において,障害物位置の認識の正確性を比較検討した.その結果,その結果,課題間で僅かな違いが見られたものの,いずれの課題においても実際よりも手前の位置に障害物があると認識していることがわかった.