著者
温 暁青 玉本 英夫 Saluja Kewal K. 樹下 行三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム
巻号頁・発行日
vol.97, no.224, pp.23-29, 1997-08-19

CMOS回路に発生する欠陥をよく表せる故障モデルとして, トランジスタ短絡故障モデルが多用されている. トランジスタ短絡故障モデルでは, 1つのMOSトランジスタにつき6つの故障が仮定されるため, 膨大な数のトランジスタ短絡故障を対象にしなけれげならない. 本稿では, 回路を構成するセル内に存在する等価故障の他, セル間に存在する等価故障をも発見することのできる新しい等価故障解析手法を提案した. ベンチマーク回路において実験した結果, 対象故障数を3分の1程度に減らすことができた. 本手法はI_<DDQ>テストによる故障検出と故障診断の効率化に役立つと思われる.
著者
高松 雄三 白石 勝 樹下行三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.542-548, 1983-07-15

検出可能な故障に対して検査入力を生成する手法として Dアルゴリズムがよく知られており 実用化されている.しかしながら Dアルゴリズムは 誤り訂正回路のような排他的論理和ゲートの多い回路への適用は実用的でないとされている.そこで これを改良した9-Vアルゴリズム PODEMアルゴリズム FANアルゴリズムなどが考案されている.本論文では 信号線の値として 0 1 D D^^- Xの5値にさらに D/0 D/1 D^^-/0 D^^-/1 D/D^^-の5値を加えた10値を用いた検査系列生成法を提案する.本手法は 0 1 D D^^- Xの5値を用いた含意操作と 先の10値を用いた含意操作 および後方追跡の三つの基本操作から構成されている.検査入力は この基本操作を繰り返して外部入力へ信号値を割り当て 故障信号を外部出力へ伝搬させる経路活性化法により生成している.一般に経路活l性化法では 故障信号を伝搬させる経路に関連する信号値を決めるときや 分岐点における伝搬経路とその数の選択に自由度がある.この自由度の選び方が検査入力生成に関係するが 本手法では 10値を用いることにより自由度を減らし 検査系列生成時間の高速化を試みている.
著者
梶原 誠司 樹下 行三 ポメランツ イリス レディ スダーカ M.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-1, 情報・システム 1-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.82, no.7, pp.888-895, 1999-07

製造した回路のタイミングに関するテストの重要性が高まっている. その一方で, ロバスト依存パスや機能的活性化不能パスのように, 遅延故障のテスト不要なパスが多く存在することがわかってきた. パス遅延故障のテスト生成において, テスト不要なパスを前もって指摘することは, テスト生成の効率化に重要な役割を果たす. 本論文は, 高速にロバスト依存パスと機能的活性化不能パス等のテスト不要なパスを識別する手法を提案する. パス数の多い回路に対するテスト不要パスの識別には従来多大な処理時間を要していたが, 提案手法は回路の局所的な解析に基づくため高速に処理可能である. 実験では, 本手法は従来手法と比較して短時間で計算でき, テスト不要なパスの判定能力はほぼ同等であることを示す. また, 従来手法ではパス数が10^<20>以上あるc6288を現実的には扱うことができなかったが, 本手法により99%以上のパスはテスト不要であることを示す.
著者
梶原 誠司 樹下 行三 ポメランツ イリス レディ スダーカ M.
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 設計自動化研究会報告
巻号頁・発行日
vol.97, no.17, pp.1-8, 1997-02-14

製造した回路のタイミング検証の重要性が高まっている一方で,ロバスト依存パスや機能的活性化不能パスのようなパス遅延故障のテストにおいてテスト不要であるパスを多く含む回路が存在することがわかってきた.テスト不要なパスをテスト生成の前に指摘し,テスト生成の対象としないことは,パス遅延故障のテスト生成の効率化に役立つ.本論文は,高速にロバスト依存バスと機能的活性化不能パスを識別する手法を提案する.提案手法は回路の局所的な解析に基づくため,従来多大な処理時間を要していたパス数の多い回路も高速に処理可能である.実験では,本手法は従来手法と比較して短時間で計算でき,テスト不要なパスの判定能力はほぼ同等であることを示す.また,従来手法ではパス数が10^<20>以上あるc6288を現実的には扱うことができなかったが,本手法により99%以上のパスはテスト不要であることを示す.