著者
笠松 隆洋 吉村 典子 森岡 聖次 橋本 勉
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.19-26, 1996-02-01 (Released:2010-11-26)
参考文献数
24
被引用文献数
4 4

和歌山県民栄養調査に参加した世帯の調理担当者769人について, 1日の摂取食品数を調査し, 摂取食品数と栄養素等摂取状況及び肥満との関連性について検討した結果, 以下のことが明らかになった。1) 1日の摂取食品数を12食品未満, 12~17食品, 18~23食品, 24~29食品, 30食品以上の5群に分けたところ, 18~23食品群が最も多く41%を占めていた。平均摂取食品数は, 20.2食品であった。2) 摂取食品数の増加に伴い, 栄養素等充足率は高くなる傾向を認めた。摂取食品数が18~23食品群ではカルシウムと鉄のみが不足し, 24~29食品群ではすべての栄養素が充足された。一方, 30食品以上群では, たんぱく質の充足率は142%, 脂質の充足率は125%にも達していた。脂肪エネルギー比は25%を超えていた。3) 摂取食品数の増加に伴い, いも類, 菓子類, 油脂類, 豆類, 果実類, 野菜類, 海草類, 魚介類, 肉類, 卵類, 乳・乳製品の摂取量は増加していた。4) 摂取食品数の増加に伴い, たんぱく質, 脂質, ビタミンB1, ビタミンB2は, 肉類, 卵類, 乳・乳製品といった動物性食品からの摂取割合が増加していた。5) 肥満者の割合は, 摂取食品数が24~29食品群で最も低かった。以上, 和歌山県民栄養調査の結果から, カルシウム所要量を充足させることに重点を置いた栄養指導を行うことを前提にすれば, 1日の摂取食品数は25食品程度を目標に摂取するとよいことが推察された。
著者
橋本 勉 竹内 徳猪
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.182-187, 1968-10-20

積雪地帯においては,越冬作物を秋に刈取ると雪害を助長するので,イタリアンライグラスについて,秋の刈取り後の貯蔵養分の消長と雪害ならびに春の生育収量について試験を行なった。鳥取在来を9月2日に播種し,10月25日に全区刈取った。そして1区は根雪までそのままとし,II区は11月10日,III区は11月26日,IV区は12月10日に,それぞれ第2回刈取りを行ない,根雪始めまでの日数を変えるようにした。根雪日数は84日であった。結果の概要は次のとおりである。1.雪害程度は試験区間に明らかな差がみられ,I区は被害がほとんどなかったが,II,IV区は40〜60%,III区は最も甚しく80%以上であった。2.雪害程度がそのまま収量に現われ,生草,風乾収量ともI>II≒IV>III区の順であった。3.株(地際より3cm)におけるTACは刈取り後減少するが,I,II,III区とも5〜10日で最低に達し,以後増加に向かい,I,II区は2〜3週間で刈取り時と同程度まで回復した。しかし,気温が低くなってから刈取ったIII区は,刈取り後約1カ月を経てもTACの回復は十分でなかった。根雪直前における株のTACはI>IV>II>III区の順で,収量の順位と同じであった。4.全窒素は株より葉に多い。株における全窒素は刈取り後全般的に減少の傾向を示すが,根雪直前にはI<IV<II<IIIの順で,TACとは対称的であった。5. TACと全窒素との関係は,特に株において高い負の相関関係を示し,雪害が少ないI区ではTACが多くて全窒素が少なく,雪害の甚だしいIII区ではTACが少なくて全窒素が多かった。II,IV区はその中間であった。6.以上により秋の刈取りは,根雪始めより約1カ月半早く刈取るか,根雪直前に刈取るのがよいが,後者は危険を伴い易いので,実用には難点があろう。7.株においては,乾物率とTACが高い正の相関関係を示すので,耐雪性の指標とすることができると思われる。
著者
吉田 健 橋本 勉 佃 和民
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報
巻号頁・発行日
vol.9, pp.26-28, 1975

品種, 播種期, 窒素施用量, 秋刈等の条件を組合わせて播種量と雪害の関係について3ケ年検討した。その結果果, これらの条件には右左されず, 播種量が多くなると徒長気味の生育をする場合でも雪害の少なくなる傾向が認められ, 収量も高くなった。
著者
伊藤 宣則 清水 弘之 吉村 健清 橋本 勉 早川 武彦 篠原 力雄 高塚 直能 徳井 教孝 笠松 隆洋 鈴木 康司
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.427-434, 1997-09-25
被引用文献数
5

Relationship between serum levels of lipid peroxides and carotenoids among the subjects randomly selected from the residents living in T-city, Gifu (GT), T-town, Wakayama (TW), H-city Hiroshima (HH), S-town, Fukuoka (SF), and Y-town, Hokkaido (HY) was investigated cross-sectionally. It was demonstrated that serum levels of β-carotene or cryptoxanthin were higher for GT and HY residents or for WT residents, while serum levels of lipid peroxides estimated by the thiobarbituric acid-reactive substances (TBARS) were lower for GT and HY residents, respectively. Moreover, there were some regional differences that serum levels of carotenoids such as β-carotene were inversely associated with serum TBARS levels for the residents, but not for HH residents with encumbrances of Japanese Americans. Serum TBARS levels were positively and significantly related with serum levels of n-3 unsaturated fatty acids such as icosapentaenoic acid and docosahexaenoic acid, which were high intake in Japanese, but not significantly with serum levels of n-6 unsaturated fatty acids such as arachidonic acid.
著者
石川 治 橋本 勉 中嶋 暉躬 田中 治 糸川 秀治
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.98, no.7, pp.976-979, 1978-07-25

For the analysis of Coptidis Rhizoma, high-speed liquid chromatography was examined, not only for its major alkaloid, berberine, but also for its minor alkaloids. It was found that under an appropriate condition [on starch gel (LS-170), eluted with the solvent system of H_2O : MeCN : AcOH : Et_3N=80 : 20 : 0.3 : 0.745,pH 8.5], sufficient separation of berberine, magnoflorine, jatrorrhizine, palmatine, coptisine, and some other unidentified alkaloids was obtained. By means of the present procedure, content of berberine and relative content of palmatine and coptisine to berberine in some of wild and commercial coptis rhizomes were determined. Since the solvent system does not contain any nonvolatile salt, the present technique also offers the possibility of application to rapidpreparative separation of alkaloids of this type by liquid chromatography. The application to analysis of alkaloids of phellodendron-cortex is also described.