著者
吉村 典子
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.145-156, 2020 (Released:2022-02-16)

Richard Hamilton is a significant figure in Pop Art. After his iconic project in ‘This is Tomorrow’ Exhibition in 1956, he launched a number of Pop Art works and comments. In the early 1970s, LUX Corporation, a Japanese manufacturer of Hi-Fi amplifiers, approached Hamilton with its proposal to design a ‘Pop’ sculptural form of amplifiers for the 50th anniversary of its founding in 1925. On his own way to Japan in 1974 to consult with LUX Corporation on that proposal, he realised his interests lay less in three-dimensional objects than in the representation of form on a two-dimensional surface. In the end Hamilton created a two-dimensional art work and named it Lux 50—functioning prototype. Throughout this process, we can see Hamilton’s evolving attitude towards design and his approach toward his art work. This paper will analyse the records and documents of both LUX Corporation and Hamilton, and discuss areas where Hamilton’s art and design overlap. By examining the creative process of Hamilton’s work, we will see how Hamilton made a prototype ‘function’ in his two- dimensional art.
著者
吉村 典子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.48-49, 1998

Tiles were one of the most signifrcant art forms in the Victorian period for middle-class houses. The contemporary tile-makers can be categorized into 5 types (putting A-E on each production). The tiles produced by large manufacturers (A) or William De Morgan Pottery (C) tend to have ornate patterns, and are mainly used in upper-middle-class houses, particularly those of large employers' and big merchants'. They wanted to create their houses like an aristocrat's. Therefore, these tiles could be adopted to enrich their interior decorations. Meanwhile, Dutch tiles companies (E) or Morris & Co. (D) supplied Dutch or Dutch style tiles. They are mainly used in mid-middle-class houses, particularly those of artists'. The feature of these tiles is simple and delicate decorations. Therefore, these tiles could be adopted to visualize their favorite rustic atmosphere in their houses.
著者
笠松 隆洋 吉村 典子 森岡 聖次 橋本 勉
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.19-26, 1996-02-01 (Released:2010-11-26)
参考文献数
24
被引用文献数
4 4

和歌山県民栄養調査に参加した世帯の調理担当者769人について, 1日の摂取食品数を調査し, 摂取食品数と栄養素等摂取状況及び肥満との関連性について検討した結果, 以下のことが明らかになった。1) 1日の摂取食品数を12食品未満, 12~17食品, 18~23食品, 24~29食品, 30食品以上の5群に分けたところ, 18~23食品群が最も多く41%を占めていた。平均摂取食品数は, 20.2食品であった。2) 摂取食品数の増加に伴い, 栄養素等充足率は高くなる傾向を認めた。摂取食品数が18~23食品群ではカルシウムと鉄のみが不足し, 24~29食品群ではすべての栄養素が充足された。一方, 30食品以上群では, たんぱく質の充足率は142%, 脂質の充足率は125%にも達していた。脂肪エネルギー比は25%を超えていた。3) 摂取食品数の増加に伴い, いも類, 菓子類, 油脂類, 豆類, 果実類, 野菜類, 海草類, 魚介類, 肉類, 卵類, 乳・乳製品の摂取量は増加していた。4) 摂取食品数の増加に伴い, たんぱく質, 脂質, ビタミンB1, ビタミンB2は, 肉類, 卵類, 乳・乳製品といった動物性食品からの摂取割合が増加していた。5) 肥満者の割合は, 摂取食品数が24~29食品群で最も低かった。以上, 和歌山県民栄養調査の結果から, カルシウム所要量を充足させることに重点を置いた栄養指導を行うことを前提にすれば, 1日の摂取食品数は25食品程度を目標に摂取するとよいことが推察された。
著者
吉村 典子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.6_11-6_20, 2014-03-31 (Released:2014-06-10)
参考文献数
31

家は私的なもの、というのは今や自明のことといえるが、イギリスのかつての王侯貴族の住まいは公的要素がむしろ強い。それをモデルとした19世紀後半の中産階級の住まいには、その公的機能から設計された間取りを踏襲している点がみられる。こうした住まいのあり方に、異を唱えた建築家の一人がベイリー・スコットである。家族中心の暮らしの風景を想定する中で、「シンプル」で「ホームリー・コンフォート」のある空間を彼は追求していく。家の中でありながら、伝統的に客のもてなしのために使われた「ホール」、「ダイニング・ルーム」、「ドローイング・ルーム」を、ホールの広い空間的特質を活かして、それを基点にダイニングやドローイング・ルームを融合していく手法等を見せる。そしてそこに「リヴィング・ルーム」という名称が表れるようになる。その過程をスコットの著作や図面を通して明確にし、それにより成立してきた近代の「私的」住まいの形象を考察する。
著者
阿久根 徹 吉村 典子 村木 重之 岡 敬之
出版者
国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

日本の三地域に設立した一般住民コホートにおいて疫学調査を実施し、ビタミンK不足と運動器障害との関連を検討した。問診票により食事ビタミンK摂取量を調査した2453名において、ビタミンK摂取量が150 microgram/d未満であった者の割合は15%であった。また山村部コホートの対象者827名において、単純膝レントゲン画像における変形性膝関節症の指標と食事ビタミンK摂取量との間に有意な負の関連があり、ビタミンK摂取量の不足が変形性膝関節症と関連していることが明らかとなった。
著者
坂田 清美 吉村 典子 森岡 聖次
出版者
和歌山県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

近年わが国における児童の肥満傾向の者や高脂血症が増加を続けているため、児童を対象とした高脂血症、肥満予防を主な目的とした教材を開発した。教材の開発にあたっては単に知識を与えるだけでなく、自ら考え判断できるスキルを身に付けるよう工夫した。教師の使いやすさや、保護者に対しても教育効果が上がるように配慮した。和歌山県中部の一地域において、小学4年生を対象に教材を用いて教育を実施した結果、「コレステロール」の言葉の認知度は、1年間で61%から79%まで上昇した。「食物繊維」という言葉の認知度は59%から78%まで上昇した。油、塩、砂糖に関する正解率では、15問中13問以上正解した者の割合は、38%から49%まで上昇した。お菓子の材料が記載されていることを知っている者は73%から85%まで上昇した。肉・魚を同じくらい食べると答えた者は51%から54%まで上昇した。野菜を毎日食べる者は、37%から42%と増加した。朝ご飯を毎日食べる者は、78%から81%と増加した。運動をほとんど毎日する者は、41%から43%へと微増した。健康教育教材を使用することにより、健康に関する知識の向上がもたらされた。運動については、今後さらにプログラムを充実させる必要がある。今後は、血清脂質等に与える影響を評価し、さらに健康教育プログラムを他の学年にも実施し、こころと体、健康と病気についての段階的で、包括的な学習プログラムへ発展させる予定である。