著者
東 和之 大田 直友 河井 崇 山本 龍兵 丸岡 篤史 橋本 温 上月 康則
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_1091-I_1096, 2012 (Released:2012-09-18)
参考文献数
16
被引用文献数
1

代償措置として創出された人工干潟と模倣した自然干潟においてマクロベントスの定量調査を行い,干潟中下部生態系を再現できているかを検討した.マクロベントスの個体数は,自然干潟の方が人工干潟を大きく上回っており,種数についても自然干潟の方が多い傾向であった.干潟へ流入してくる栄養塩や底生珪藻量も自然干潟の方が高く,自然干潟の豊富な生物量はこれらの栄養塩や一次生産に支えられているようであった.両干潟の決定的な違いは,ホソウミニナの有無であったが,直達発生により分散能力が乏しいため,人工干潟にはほとんど加入していないこと,安定した自然干潟では爆発的な増加力を発揮していることが示唆された.以上のように,造成から約5年が経過した人工干潟であるが,潮間帯中下部の干潟生態系は模倣した干潟とは全く異なっていた.
著者
森 聖治 橋本 温 上野 純子 内海 俊明 谷岡 博昭
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.2337-2340, 1990-10-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
35

The authors recently experienced a plastic surgery (Bernard's method) for extensive defect of lower lip due to self-mutilation. The patient is a 7-year-old girl suspected Lesch-Nyhan syndrome.The prognosis is now good with no recurrence and no problems. The authors will discuss the treatment after operation and countermeasure of self-mutilation in this paper.
著者
橋本 温 河井 健作 西崎 綾 松本 かおり 平田 強
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 = Journal of Japan Society on Water Environment (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.282-287, 1999-04
被引用文献数
5

In order to investigate the occurrence and indicator of protozoa in water, water samples were collected from 11 points along the Sagami River and its tributaries for 9 months. The concentrations of Cryptosporidiurn oocysts, Giardia cysts and potential indicators (presumptive Clostridium perfringens spores, Escherichia coli, coliforms, aerobic spores and turbidity) were analyzed. Cryptosporidium oocysts were detected at 10 of the 11 sampling points (GM 34 presumptive oocysts·100l-1, 24 confirmed oocysts·100l-1) and Giardia cysts were detected at all sampling points (GM 30 presumptive cysts·100l-1, 12 confirmed cysts·100l-1). Based on a regression analysis, the concentrations of presumptive C.perfringens spores and E.coli were significantly correlated with the concentrations of protozoa. In a multiple regression analysis, the concentration of presumptive C.perfringens spores, E.coli and aerobic spores were selected as explanatory variables for the protozoan concentrations. The results indicated that presumptive C.perfringens spores, aerobic spores and E.coli were useful indicators for protozoan contamination.
著者
橋本 温
出版者
阿南工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

都市部の下水および河川水から検出されたクリプトスポリジウムオーシストを顕微鏡下でマニピュレートして単離し,オーシスト1細胞からDNAを抽出して,18S rRNA遺伝子領域の一部を標的としたPCR法でDNAを増幅した。増幅したDNAはシーケンスして塩基配列を明らかにし,検出されたクリプトスポリジウムの種・遺伝子型を調べた。下水からは239個のクリプトスポリジウムオーシストを単離し,そのうち121個(62%)の遺伝子型が明らかになった。最も検出頻度が高かったものはCryptosporidium parvum genotype1で,78個(33%)で,ついでC.parvum genotype2 16個(7%),C.meleagridis 13個(5%)であった。下水では人への感染が報告されているこの3つのタイプがほとんどであった。河川水については,遺伝子型の解析が困難であったものの割合が下水よりも多く,71個のクリプトスポリジウムオーシストを単離したうちの23個(32%)についてのみ,遺伝子型が明らかになった。このことは,河川水中で検出されるオーシストが下水中のものよりも感染者より排出されてからの時間が長いなどによって,DNAの保存性が低くなっていることが一つの要因として推測された。河川から単離されたクリプトスポリジウムも下水同様にC.parvum genotype1の割合が最も高く18個(23%)であった。さらに豚を由来とするC.sp PG1-26が3個(4%)であった。オーシストのDNAの保存性についてFISH法を用いて調査する手法について検討したところ,精製水中では保存性は高いものの,下水に暴露させたオーシストでは2日程度でFISH法の染色性が著しく低下した。このように,FISH法を生育活性の評価に用いるための基礎的な情報を得ることができた。