著者
村瀬 英一 森上 修 橋本 英樹 松崎 伊生
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.79, no.805, pp.1839-1847, 2013 (Released:2013-09-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Spark ignition of premixed gases was experimentally studied. Minimum ignition energy and initial burning velocity, which is a burning velocity at an initial stage of flame propagation, were measured and their dependences on equivalence ratio were discussed. Minimum ignition energy takes a minimum value when equivalence ratio is around 0.9 for methane/air mixtures, and around 1.5 for n-butane/air mixtures, which corresponds with the study of Lewis and von Elbe. A shadowgraph technique was used to observe the growth of the flame kernels. A burning velocity was measured from the images of the flame kernel, and initial burning velocity was defined as a burning velocity at the moment when the equivalent radius of the flame kernel is approximately 3.0mm. Initial burning velocity takes a maximum value when equivalence ratio is around 0.9 for methane/air mixtures, and around 1.5 for n-butane/air mixtures, while laminar burning velocity of well-grown flame takes a maximum value when equivalence ratio is around 1.1 for both mixtures as known well. This is caused by the curvature of flame surface at the initial stage. It is suggested that the equivalence-ratio dependence of minimum ignition energy is derived from that of initial burning velocity.
著者
橋本 英樹
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.5-17, 2012 (Released:2012-04-28)
参考文献数
45
被引用文献数
1 3

社会格差による健康格差の存在について,社会的・政治的・学術的関心が高まっている。本稿では社会的健康格差をテーマとする実証研究について,現状における方法論的・理論的課題を指摘するとともに,その解決に向けた方策を提示することを目的とする。格差が存在すること自体はすでに事実として受け止められる一方,なぜ社会経済的要因によって健康格差が生じるのかについて,メカニズムの解明は憶測の域を出ていない。その理由として社会的地位の測定と,その理論的裏づけが研究領域間で十分合意形成されていないことをまず指摘する。社会疫学などでは社会階層の代理変数として所得や最終学歴を用いるが,経済学では賃金率や情報・能力を表現するパラメーターとしてモデル化されている。次に通常の疾病疫学と異なり,未測定要因によるmisspecificationや,淘汰による選択バイアスの問題が深刻であり,それを克服する必要があることを指摘する。そのためにはパネルデータの活用に加え,幼少期からの包括的パネル調査が必要なことを主張する。最後に,社会格差による健康格差の実証研究を進めるうえで,データ構築や人材育成の問題に加え,わが国で欠落している「科学的実証に基づく政策立案・評価」の文化を構築することが先決問題となっていることを指摘する。
著者
中井 隆介 ナカイ リュウスケ Nakai Ryusuke 橋本 英樹 ハシモト ヒデキ Hashimoto Hideki 山口 誠二 ヤマグチ セイジ Yamaguchi Seiji 高玉 博朗 タカダマ ヒロアキ Takadama Hiroaki
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.77-80, 2017-03

近年、顎関節疾患の患者数は増加傾向にあり、歯科口腔領域における治療課題の1つとされているが、その原因の特定や治療法の確立に至っていないのが現状である。顎関節疾患は様々な要因や習慣が複合することにより悪化するため、治療法の確立が難しいとされている。本研究では、顎関節周辺の力学的状態に着目し、顎関節疾患の主要因である関節円板の転位(前方転位、後方転位)と変性が、顎運動初期の顎関節部周囲に与える影響について明らかにすることを目的とした。実験では顎関節部周囲の有限要素モデルを作成し、転位および変性の条件を設定し有限要素法解析を行った。解析に入力した下顎の運動軌跡は、MRIの動的撮像法により取得した下顎運動軌跡を用いた。有限要素法解析による結果から、転位により下顎骨部において相当応力が大きくなり、負荷が大きくなることがわかった。また関節円板の硬化により、顎関節部の応力が増大したことから、硬化が障害に繋がることが示唆された。本研究によって、転位と変性が顎関節疾患に繋がる可能性が明らかとなった。本研究を進める事により将来的には、汎用性の高い顎関節疾患の要因の検査・分析・診断法が確立できるのではないかと考える。
著者
川添 裕三 橋本 英樹 森上 修 村瀬 英一 古川 純一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.853, pp.17-00159-17-00159, 2017 (Released:2017-09-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1

To explore the behavior of near-extinction flamelets in turbulent premixed flames, emission intensities of OH, CH and C2 radicals of hydrocarbon-air premixed flames have been examined using the newly developed emission spectroscopy system. It has been shown in our previous study that the emission intensity ratio of 515.5 nm/470.5 nm bands of C2 radical uniquely depends on the temperature of unstrained methane/air and propane/air flames. In the present study, to establish the technique that estimates the temperature of the near-extinction flamelet of turbulent premixed flames, the relation between the temperature and the emission intensity ratio of 515.5 nm/470.5 nm bands of C2 radical of strained flames has been sought by using a counter-flow burner. The unique relation between the flame temperature and the emission intensity ratio of 515.5 nm/470.5 nm bands of C2 radical has been found to exist for the Propane-air and the Butane-air strained flames. Therefore, it can be concluded that the temperature of flamelets of the Propane-air and the Butane-air turbulent premixed flames can be estimated by using the relation between the temperature of the strained flame and the emission intensity ratio of 515.5 nm/470.5 nm bands of C2 radical obtained in the present study.
著者
橋本 英樹
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.108, no.2, pp.113-119, 2010-06-17

社会格差による健康影響について,近年内外の関心が高まっている。本稿では,社会経済的健康決定要因を探る社会疫学という領域について,その概念や歴史的背景について紹介する。また具体例として所得格差と健康の関係を取り扱った内外の研究を紹介しつつ,従来の疫学的研究手法が直面している課題について明らかにする。社会経済的健康決定要因は,学術的関心に留まらず,近年ヨーロッパを中心に政策的取り組みについても急速な運動が展開されている。世界保健機構に設けられた社会的健康決定要因に関する委員会の活動などを紹介する。健康の社会的不平等に取り組むには,縦割り行政の壁を越えた包括的政策と,科学的評価が両輪であることに言及する。