著者
飯島 慈裕 会田 健太郎 浅沼 順 石川 守 岩崎 博之 太田 岳史 小谷 亜由美 佐藤 友徳 篠田 雅人 杉浦 幸之助 朴 昊澤 檜山 哲哉 平沢 尚彦 金子 有紀 堀 雅裕 GOMBOLUUDEV Purevjav OYUNBAATAR Dambaravjaa IIJIMA Yoshihiro AIDA Kentaro ASANUMA Jun ISHIKAWA Mamoru IWASAKI Hiroyuki OHTA Takeshi KOTANI Ayumi SATO Tomonori SHINODA Masato SUGIURA Konosuke PARK Hotaek HIYAMA Tetsuya HIRASAWA Naohiko KANEKO Yuki HORI Masahiro
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
雑誌
三重大学大学院生物資源学研究科紀要
巻号頁・発行日
no.43, pp.15-25, 2017-09

宇宙航空研究開発機構によって2014年2月に打ち上げられた全球降水観測計画(GPM: Global Precipitation Measurement)の主衛星は高緯度地域の降水量が新規に得られる。このデータの検証は,今後の寒冷圏陸域の水循環・水資源研究等への利用促進に向けた観測精度の向上を図るうえで必要不可欠である。本研究プロジェクトでは,観測研究を実施してきた国内外の機関が協働して,北東ユーラシア(主としてモンゴル・東シベリア)で既設の観測システムを改良し,他の衛星データ解析と合わせて,夏季降水(降雨),冬季降水(降積雪)およびそれらの空間分布に関する地上検証を行う。また,今後の応用研究に向けて,陸面モデル・分布型河川流出モデル,メソ気象モデルを利用した,地域規模のGPM観測データの利用可能性を検討する。
著者
檜山 哲哉 阿部 理 栗田 直幸 藤田 耕史 池田 健一 橋本 重将 辻村 真貴 山中 勤
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.158-176, 2008 (Released:2008-05-12)
参考文献数
162
被引用文献数
10 8

水の酸素・水素安定同位体(以下,水の安定同位体)を用いた水循環過程に関する重要な研究および最近の研究のレビューを行った.海水の同位体組成(同位体比)に関する知見,同位体大循環モデルを用いた全球スケールの水循環研究,降水形態による同位体比の差異や局域スケールの降水過程に関する研究,流域スケールでの流出過程,植生に関わる蒸発散過程(蒸発と蒸散の分離)の研究をレビューした.加えて,幅広い時間スケールでの気候変動や水循環変動に関する研究として,氷床コアや雪氷コアを利用した古気候・古環境復元とそれらに水の安定同位体を利用した研究についてもレビューした.最後に,水の安定同位体を利用した水循環研究の今後の展望をまとめた.
著者
田中 広樹 太田 岳史 檜山 哲哉 Maximov Trofim C.
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.259-267, 2000-08-16
被引用文献数
1

北方落葉樹林における光合成・蒸散特性を明らかにするために, シベリアタイガのカラマツ林樹冠上でのCO_2・H_2Oフラックス観測を行った。開葉前にはフラックスは検出されず, 夏期には正午または正午直前にピークを持つ日周変化が見られた。高温乾燥による光合成抑制は見られたが, 蒸散抑制は明らかではなかった。また, 光合成・蒸散活動は開葉の時期に急激に活性化し, 夏期の終りに向かって緩やかに減衰した。更に, 観測されたフラックスから気象環境の季節変化の効果を取り除き, その時点での光合成・蒸散特性を評価するために, 樹冠単層モデルを用いて光合成・蒸散特性を表現する最小群落抵抗, クロロフィル密度, 光量子捕捉率などのパラメータを抽出した。パラメータの変化から, 開葉期の特性の変化が明瞭に表現された。蒸散活性と光合成活性には開葉後も2週間程度の成熟期があることが示唆され, クロロフィル密度のような量的特性は比較的早く定常に達することが示唆された。