著者
山本 雅基 小林 隆志 宮地 充子 奥野 拓 粂野 文洋 櫻井 浩子 海上 智昭 春名 修介 井上 克郎
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_213-1_219, 2015-01-26 (Released:2015-02-11)

本論文では,協働教育の教育効果を測定するための新しい手法について提案して,実証評価する.分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワークenPiTでは,全国の大学院生に対して,情報技術の実践力を高める教育を実施している.実践力の育成を目的とする教育協働における教育効果の測定には,2つの課題が挙げられる.第一に,実践力は専門知識の定着を問うテストでは測定困難である.第二に,履修カリキュラムが異なる受講生を共通の指標で評価することも困難である.本論文では,学習経験を問う質問紙と行動特性を計測するテストを併用することにより,履修カリキュラムが異なる受講生の実践力を統一の基準で評価する手法を提案し,enPiTで実証評価した.
著者
赤羽 優燿 能城 裕希 櫻井 浩子 益山 光一
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.69-78, 2019 (Released:2019-05-31)
参考文献数
18

わが国において導入が検討されているリフィル制度が臨床現場で定着するためには, その前提となる一定の長期処方が実施されている必要がある. 本稿では比較的長期に処方がされていると考えられる高血圧患者において, 現在の通院頻度を調査することで, 長期処方の実態を明らかにすることを目的とした. また, リフィル制度に関する患者の期待を調査する目的で, 患者の通院負担についても調査を行い, 今後の課題について検討した. 保険薬局チェーン店において2017年5月の6日間に来局した患者のうち, 有している疾患が高血圧症のみで, コントロール良好な降圧薬を1~2剤服用する患者を対象 (n=172) に, 現在の通院頻度と患者の希望する通院頻度や血圧の自己管理についての基礎データを収集した. 調査の結果, 79.7% (n=137) が1カ月に1回通院していることがわかった. 全体の4人に1人が頻度を減らしたいと考えており, その理由として 「血圧が安定しているから」 と回答した人は半数を超えていた. また90.7% (n=156) の患者は血圧計を所持しているが, 毎日測定しているのは32.0% (n=55) であった. 服薬アドヒアランスについて年齢との比較分析を行った結果, 66歳以上では飲み忘れがない人が有意に少なかった. 本調査により安定な高血圧患者において, リフィル処方の対象となる長期処方は少ないことが明らかとなった. 患者の負担を軽減し, 適切な長期処方治療を実施するためには, 薬剤師には患者に服薬の重要性を指導し, 家庭血圧の管理とともに自己管理をサポートすることが期待される.
著者
櫻井 浩子 坪井 彩香 中澤 祐介
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.2021-018, 2021 (Released:2021-08-31)
参考文献数
12

薬学教育において新生児医療の概要,小児薬物療法を学ぶ機会は限られている.そこで本学では薬学部5年生を対象に「医療プロフェッショナリズム」のなかで「新生児医療と薬剤師」(3コマ)の授業を実施している.授業では,新生児集中治療室の紹介や新生児蘇生のビデオを視聴し,命の誕生の尊さや新生児医療の緊急性など具体的にイメージをもち理解できるよう工夫した.学生へのアンケート結果から,新生児集中治療室における薬剤師の役割理解についてほぼ全員の学生が理解できたとし,98%の学生が6年間の薬学教育のなかで新生児医療を学ぶことは意義があると回答した.約半数の学生が薬剤師として新生児分野へ貢献したいとし,子どもの命を「救う」「助ける」「守る」ことに対し自身の役割を見出していた.本授業は学生自身が新生児医療への具体的な目標設定をする機会となり,医療プロフェッショナリズム教育としての有効性が示唆された.
著者
櫻井 浩子 山本 雅基 海上 智昭 小林 隆志 宮地 充子 奥野 拓 粂野 文洋 春名 修介 井上 克郎
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1_52-1_57, 2017 (Released:2017-02-04)
参考文献数
13

The education project, Educational Network for Practical Information Technologies, called enPiT, consists of four different important field in information technologies of information security, cloud, embedding system, business application, covers 100 universities, and more than 1,300 students have joined in enPiT. The difficulties and challenging points in enPiT exist in rich diversities of students, who are originally educated in different universities with different curriculums. This is why it is important to develop a measure of effectiveness of our education systems. In enPiT, we evaluate effectiveness by two ways of each practical skills and PROG test. In this paper, we report how to evaluate the effectiveness of practical education developed in the education project enPiT.
著者
森本 千佳子 渡辺 知恵美 櫻井 浩子 木塚 あゆみ 永瀬 美穂
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.261-264, 2015

近年、企業では性別・年齢・価値観など人材の多様性を活かし、働き方を改革するダイバーシティの取り組みが進められている。女性の積極的な活用もその中の一つである。しかし、IT 業界ではこの5 年間のうち女性社員の割合はほぼ12%前後の横ばい、企業の半数以上で管理職全体における女性管理職の割合は10%以下という現状にある。このような要因として、仕事と家庭の両立が困難、「技術者」としての将来のキャリアが描けないなどが考えられる。本研究では、女性IT技術者へのインタビュー調査を通して得たキャリアパスの課題について整理し、環境に応じた臨機応変(アジャイル型)のキャリア開発について提案する。