著者
植月 学 丸山 真史 菊地 大樹 武井 紀子 庄田 慎矢 覚張 隆史 諫早 直人 平野 修
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

牛馬に関わる文化複合の歴史的変遷と地域性を明らかにした。歴史的変遷については大陸の影響が残る古墳時代から古代において若齢での屠畜や肉食が行われていたのに対し、中世以降には都市外縁への処理場所の移転や、中世城館で牛馬肉食が常習的ではなかったことを明らかにした。牛馬肉食の忌避や穢れ意識は列島の家畜利用の特徴とされるが、その成立過程を考古学的に跡付ける見通しが得られた。地域的様相については特に北東北における馬利用の変遷が明らかになった。古代には同時期の東国よりも東国古墳時代との共通性が認められ、律令国家との歴史的関係性の差異が馬利用のあり方にも反映されていることが窺われた。
著者
西澤 奈津子 大隅 清陽 藤森 健太郎 稲田 奈津子 金子 修一 石見 清裕 桑野 栄治 野田 有紀子 安田 次郎 和田 英信 松岡 智之 末松 剛 吉永 匡史 武井 紀子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

古代日本においては、律令制の導入に続いて、8世紀になってから礼の本格的な導入が始まり、9世紀には儀式書の成立という形に結実する。その後9世紀から12世紀にかけての古代から中世の変革期において、中国の礼を受容して形成された儀式が支配構造との関係でどのように変容したかを、中国の賓礼や軍礼、凶礼などに該当する儀式を検討することによって明らかにした。また、同時期の中国や朝鮮半島諸国の礼や儀式の変化と比較することによって、日本の儀式の変化の特徴に迫った。その結果、中国において当該期に礼や儀礼が庶民化すること、皇帝権力の伸長により変化があることなどが確認された。