著者
藤本 徹
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.351-361, 2015

近年,ゲームを取り入れた教育方法への関心は世界的に高まっており,教材としてゲームを利用するだけでなく,授業や学校カリキュラムなどの学習活動全般においてゲーム要素を取り入れた「教育のゲーミフィケーション」とも言える取り組みが見られるようになった.本研究では,大学の授業科目のデザインにゲーム要素を取り入れた「クエスト授業」の教育実践に3年間取り組んだ.実践結果から,課題への取り組みが活発になり,受講者が学習活動に参加する楽しさややる気の高まり,従来の授業とは異なる経験を認識していたことが確認された.
著者
坂井 裕紀 藤本 徹 池尻 良平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S43048, (Released:2019-10-31)
参考文献数
13

本研究では,世界の持続可能性を追求する地域人材育成をテーマとし,ゲーム要素を付与したプロジェクト学習が生徒の学習意欲とキャリアビジョンに及ぼす影響を検討した.高校1年男女256名を対象に授業実施前後において質問紙調査を行った結果,本授業を実施した群においては,授業実施前後で生徒の「学習意欲」および「キャリアビジョン」が有意に高いことが示された.これらのことから本授業のようなテーマにゲーム要素を付与したプロジェクト学習は生徒の学習意欲およびキャリアビジョンを高める可能性が示唆された.
著者
藤本 徹 荒 優 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.43027, (Released:2019-09-10)
参考文献数
35

近年の大規模公開オンライン講座(MOOC)の進展により,世界規模で受講者を集めるグローバルなオンライン教育プラットフォームが普及した.その一方で,学習意欲の向上や継続的な学習支援の仕組みの不足が指摘されている.本稿では,MOOCの学習支援の手法としてゲーミフィケーションに着目し,MOOCのコースデザインにゲーミフィケーションを取り入れた先行研究をレビュー調査した結果をもとに,ゲーミフィケーションの構成要素やそのコースへの導入のための基本的なモデルや理論的枠組みの研究動向を検討した.MOOCのコースデザイン上の課題に対し,ゲーミフィケーションを試行的に取り入れた研究が見られ,デザインフレームワークを体系化する取り組みも見られるが,ポイントやバッジなどの実装しやすい要素の導入が多いことが確認された.
著者
藤本 徹 荒 優 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.305-313, 2018-01-31 (Released:2018-02-05)
参考文献数
35

2012年以降,世界のトップ大学が一斉に大規模公開オンライン講座(MOOC)の提供に参入したことで,グローバルなオンライン教育プラットフォームとして急速に普及し,研究テーマとしての関心も急速に高まった.この動きの当初は,コース提供した大学による教育実践報告や,将来の可能性を展望する議論が中心だったが,近年では具体的な実証研究も進展しており,ラーニング・アナリティクスを取り入れた研究も見られるようになった.本稿では,MOOC に関するラーニング・アナリティクスの先行研究をレビューし,この分野の研究動向を概観したうえで,今後研究を進めていく上での論点や課題を検討する.
著者
藤本 徹
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.502-507, 2012-12-01

本稿では,「サービスとしてのゲーム」を一つの切り口として,ゲームの要素や枠組み,そしてその社会的利用における考え方を論した。ゲームの社会的利用に関連する概念を検討し,「サービスとしてのゲーム」の観点から,ゲーム産業におけるゲームのサービス化や情報サービス産業におけるサービスのゲーム化といった異なる角度から考察した。その上で,情報サービスにおいてゲームの要素を取り入れるアプローチを3つのレベルに整理して,それぞれの特徴について図書館におけるサービス開発の文脈で例示しながら,今後このような取り組みに向かう際に考慮すべき課題を検討した。
著者
藤本 徹 荒 優 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.267-273, 2019-12-31 (Released:2020-02-14)
参考文献数
33

近年の大規模公開オンライン講座(MOOC)の進展により,世界規模で受講者を集めるグローバルなオンライン教育プラットフォームが普及した.その一方で,学習意欲の向上や継続的な学習支援の仕組みの不足が指摘されている.本稿では,MOOC の学習支援の手法としてゲーミフィケーションに着目し,MOOC のコースデザインにゲーミフィケーションを取り入れた先行研究をレビュー調査した結果をもとに,ゲーミフィケーションの構成要素やそのコースへの導入のための基本的なモデルや理論的枠組みの研究動向を検討した.MOOC のコースデザイン上の課題に対し,ゲーミフィケーションを試行的に取り入れた研究が見られ,デザインフレームワークを体系化する取り組みも見られるが,ポイントやバッジなどの実装しやすい要素の導入が多いことが確認された.
著者
福山 佑樹 見舘 好隆 藤本 徹 浅見 智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.127-138, 2019-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
37

本研究では,変化の激しい現代社会におけるキャリア形成に資するために公立大学のキャリア関連科目において,未来の仕事を創造する学習カードゲーム「ジョブスタ」を大人数講義用に改変した教材を用いた実践を行った.実践の結果,大学生が身につけるべきキャリア資質として定義した5項目のうち,「キャリアに対するプロアクティブ行動」には有意差がみられなかったが,「キャリア計画性」など4項目について実践の事前・事後において有意差が確認された.また実践では,大学生の多くみられる「やりたいこと志向」を超えて,仕事を選ぶ際に「社会的な視点」が必要であるという意識を含んだキャリア観を一部の学生に与えた可能性が示された.
著者
藤本 徹
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.10-15, 2011-12-01 (Released:2014-09-01)
被引用文献数
4

近年,欧米を中心に海外でデジタルゲームを利用した教育が活発さを増してきており,多くの研究・実践から知見が示されている。国内でのこの分野の研究は,体系的な理解が十分に進んでいないのが現状である。本論では,これまでの先行研究で示されている知見を整理して議論し,より効果的な実践を行っていくために必要な考え方を提示する。まず,これまでのデジタルゲーム利用教育の変遷を俯瞰し,近年の研究動向を論じる。次にこれまでの先行研究から,デジタルゲームの教育利用を進めるうえで考慮すべき長所と短所として明らかになっている点を整理したうえで,教育現場での導入を効果的に進めていくために考慮すべき諸論点の検討を行う。
著者
藤本 徹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.502-507, 2012-12-01 (Released:2017-04-18)
参考文献数
14

本稿では,「サービスとしてのゲーム」を一つの切り口として,ゲームの要素や枠組み,そしてその社会的利用における考え方を論した。ゲームの社会的利用に関連する概念を検討し,「サービスとしてのゲーム」の観点から,ゲーム産業におけるゲームのサービス化や情報サービス産業におけるサービスのゲーム化といった異なる角度から考察した。その上で,情報サービスにおいてゲームの要素を取り入れるアプローチを3つのレベルに整理して,それぞれの特徴について図書館におけるサービス開発の文脈で例示しながら,今後このような取り組みに向かう際に考慮すべき課題を検討した。
著者
今村 悠哉 藤本 徹 瀬井 章 谷脇 琢也 岡田 龍哉 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.89-93, 2012-03-25 (Released:2012-06-26)
参考文献数
11

【目的】画像上著明な脊髄圧迫所見を認める頚椎椎間板ヘルニア症例において,保存的加療が可能であった1例を経験したので報告する.【症例】48歳女性.特に誘因なく後頚部から両肩にかけての激しい痛みと両手指のしびれ感が出現し,発症10日目に当科を受診した.筋力は保たれていたが,MR像にてC3/4正中型のヘルニアによる高度の脊髄の圧迫を認め,疼痛が強く手術を希望したが,2週間のカラーキーパー装着で疼痛半減したために,保存的に経過をみた.発症後2ヶ月のMR像でヘルニアは縮小し,7ヶ月後には完全に消退,頚部痛と両手指のしびれ感も消失した.【考察】腰椎椎間板ヘルニアの自然消退に対するメカニズムは明らかとなっているが,頚椎椎間板ヘルニアでの報告は少なく,本症例のように高度の脊髄圧迫を示した報告は限られる.短期間で症状の軽快を示すような症例の中にはヘルニアの自然消退が得られる可能性がある.
著者
藤本 徹
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.351-361, 2015-03-20 (Released:2016-08-11)
被引用文献数
6

近年,ゲームを取り入れた教育方法への関心は世界的に高まっており,教材としてゲームを利用するだけでなく,授業や学校カリキュラムなどの学習活動全般においてゲーム要素を取り入れた「教育のゲーミフィケーション」とも言える取り組みが見られるようになった.本研究では,大学の授業科目のデザインにゲーム要素を取り入れた「クエスト授業」の教育実践に3年間取り組んだ.実践結果から,課題への取り組みが活発になり,受講者が学習活動に参加する楽しさややる気の高まり,従来の授業とは異なる経験を認識していたことが確認された.
著者
藤本 徹 山田 政寛
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.343-351, 2013

近年,ゲームの教育利用への関心は世界的に高まっており,研究枠組の精緻化や学習成果の評価に関する知見が蓄積されてきている.インフォーマル・ラーニングの領域においても,ゲームを利用した学習環境デザインの研究が進展している一方で,研究上の課題も示されている.本論文では,ゲームの教育利用に関する研究・実践や評価方法に関する研究について,最近20年ほどの間に取り組まれてきた海外における研究の動向を調査し,主要な論点の整理と今後の課題を検討する.そして,研究枠組や評価方法を整理して考察し,この分野の研究の今後の方向性を議論する.
著者
藤本 徹
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.94-99, 2023-04-15 (Released:2023-04-15)
参考文献数
25

ゲームやゲーム的な手法を取り入れた教育・研修の取り組みは長年行われてきたが,近年ゲーミフィケーションという概念が提唱されて以降,新たな特徴や可能性が期待されている.本稿では,まずゲーミングシミュレーションやシリアスゲームなどの以前からのゲームの教育利用からの変遷の中にゲーミフィケーションを位置づけて概観する.ゲーミフィケーションのデザイン手法としての特徴を解説した上で,安全教育におけるゲーミフィケーション導入の方向性として,安全訓練・実地演習の活性化,安全意識啓発活動のアウトリーチ向上,安全教育の課題解決に向けた参加促進の3 つの観点から,関連事例を交えてその可能性を論じる.
著者
菊池 太朗 中村 孝文 池田 天史 藤本 徹 坂本 吉弘 成尾 政一郎 高木 克公
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.515-519, 2000-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Many authors have reported that disc herniation can be resorbed by monocytic phagocytosis. However, how the recruitment of monocytes is triggered is still unknown.We investigated monocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1) by using the experimental rat model in vivo and rabbit model in vitro to ascertain the precise mechanism of macrophage recruitment in the early phase of disc resorption.The autologous intervertebral discs from tails of Wister rat were subcutaneously implanted into the abdomen. These discs were used for immunohistochemical study. Additionally, we employed tissue culture models of rabbit's discs, and the quantification of MCP-1 in these media was performed.MCP-1 positive disc chondrocytes were observed in the nucleus pulposus and the inner annulus fibrosis on the third day. Monocyte derived macrophages were considerably observed around the intervertebral disc by the seventh day. The MCP-1 induced by rrlL-1β or rrTNFα indicated its peak volume at 12 hours and at 18 hours after incubation.Our study suggests that intervertebral disc chondrocytes have chemotactic properties and play an active role in the recruitment of monocytes involved in disc resorption. Moreover, inflammatory cytokines induce and regulate the production of MCP-1 in the intervertebral disc cells.
著者
藤本 徹 岸本 好弘 西村 圭一 高橋 薫 高橋 淳 谷内 正裕 山内 祐平
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.13-21, 2015 (Released:2019-10-01)

本研究では、数学的思考力を高める学習ゲーム開発のための履歴データ記録APIと、ゲームを公 開して一般ユーザーからのプレイデータを収集、閲覧できる機能を持ったオンラインプラットフォー ムの仕組みを開発した。そして、実際に開発したゲームをプレイしたユーザーへの調査結果をもとに 評価を行った。その結果、このようなプラットフォームを通して、従来は評価を得ることが難しかっ た外部のユーザーや開発者からのフィードバックを得る機会を提供でき、開発者教育に寄与する仕組 みとして機能する可能性が示唆された。
著者
藤本 徹
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.10-15, 2011
被引用文献数
1

近年,欧米を中心に海外でデジタルゲームを利用した教育が活発さを増してきており,多くの研究・実践から知見が示されている。国内でのこの分野の研究は,体系的な理解が十分に進んでいないのが現状である。本論では,これまでの先行研究で示されている知見を整理して議論し,より効果的な実践を行っていくために必要な考え方を提示する。まず,これまでのデジタルゲーム利用教育の変遷を俯瞰し,近年の研究動向を論じる。次にこれまでの先行研究から,デジタルゲームの教育利用を進めるうえで考慮すべき長所と短所として明らかになっている点を整理したうえで,教育現場での導入を効果的に進めていくために考慮すべき諸論点の検討を行う。