著者
藤野 義之 佐藤 正樹 永井 清仁 平良 真一 尾崎 裕 渡邉 栄司 澤 学 田中 行男 楠田 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.91, no.12, pp.1611-1619, 2008-12-01
被引用文献数
3

ヘリコプターによる撮影は,災害時の情報収集に有効な手段の一つである.しかし,現在は,撮影した被災地映像を地上の車載局や基地局で中継するため通信範囲が限られ,新潟中越地震では,付近に基地局がなく緊急消防援助隊の指導などに生かされなかったといわれている.本論文では,筆者らが開発した,ヘリコプターから災害映像を実時間で直接衛星を経由し対策本部等に伝送するシステムについて論じる.本システムは,(1)MPEG4規格での384kbit/s準動画及び1.5Mbit/s 動画伝送機能,(2)ヘリコプターと対策本部との間の音声及びデータの双方向通信機能,(3)撮影している被災地位置を三次元地図を用いて高精度で特定する機能等を有している.また,これらの通信を可能とするために,(1)高速回転するヘリコプタープロペラのわずかなすき間をねらって電波を送信する技術,(2)ヘリコプターの姿勢が動揺してもアンテナビームを人工衛星方向に高精度で捕そく指向させる技術,(3)通信機器等に異常が発生しても利用衛星に隣接する衛星や地上の無線設備に干渉を与えないための技術等を開発し,実証試験を行ってその有効性を確認したので報告する.
著者
郷 譲治 永井 清仁 瀬川 進 本城 凡夫
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.737-742, 2016 (Released:2016-10-06)
参考文献数
30
被引用文献数
4 6

近年,三重県英虞湾でKarenia mikimotoi赤潮が発生し,アコヤガイ真珠養殖への被害が懸念されている。K. mikimotoiがアコヤガイに及ぼす影響を調べるため赤潮海水による曝露試験を行った。アコヤガイ稚貝は本種の細胞密度1×104 cells/mLで36時間までに7.5%,6×104 cells/mLでは24時間までに100%がへい死した。成貝は0.5×103 cells/mLから殻体開閉の頻度が高くなり,3×103 cells/mLで頻繁な開閉運動を示した。
著者
樋口 恵太 永井 清仁 服部 文弘 前山 薫 瀬川 進 本城 凡夫
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.608-618, 2016 (Released:2016-08-25)
参考文献数
56
被引用文献数
2 2

真珠収穫後のアコヤガイ貝肉を主原料とし,海事作業から発生する貝掃除屑を加えてコンポスト化試験を行った。その結果,アコヤガイ貝肉は約 45 日の処理でコンポスト化が可能である事が分かった。また,貝掃除屑はコンポスト材料の通気性向上や,コンポストの肥料成分を増加させる効果が認められた。完熟したコンポストは,塩分を含むが,コマツナに対して肥料効果を示した。以上より,真珠養殖過程で廃棄される貝肉および貝掃除屑は,農業資材として有効活用できる事が示され,真珠養殖による環境負荷の低減につながると期待された。
著者
中村 仁彦 永井 清 吉川 恒夫
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.4, no.5, pp.489-498, 1986-10-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
20
被引用文献数
4 10

本論文では, 複数のロボットマニピュレータまたは多指ロボットハンドによる協調的あやつりの力学が議論される.協調的あやつりの問題は2つの局面に分けられる.1つは複数のロボット機構による合力を決定することであり, もう1つはそれらの間の内力を決定することである.合力は外力や環境拘束を受ける物体のあやつりに用いられる.内力は最大静止摩擦係数の不確さや変動に適応するために用いられる.合力の決定に対して動的協調制御方式が提案される.また, 最大静止摩擦の拘束の下で対象物に任意な加速度を発生する能力である協調的あやつり可能性を確認するための1方法が提案される.最後に, 最適内力を最大静止摩擦の拘束を満たすために必要な最小ノルムの内力と定義し, 最適解を求めるために非線形計画法が適用される.最適解は, それが存在する限り, 最大〓組の代数方程式を解くことによって必ず求められる.
著者
黒川 忠英 鈴木 徹 岡内 正典 三輪 理 永井 清仁 中村 弘二 本城 凡夫 中島 員洋 芦田 勝朗 船越 将二
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.241-251, 1999-03-15
被引用文献数
32 22

アコヤガイの閉殻筋の赤変化を伴う大量へい死現象の人為的再現手法と, その病理組織学的診断手法の開発を行った。赤変異常貝の外套膜片の健常貝への移植および健常貝と赤変異常貝との同居飼育により, 赤変異常が再現された。よって, 赤変異常は感染症による可能性が極めて強い。また, 外套膜と閉殻筋の病変が, その病理組織学的診断指標として有効と判断された。
著者
中村 仁彦 永井 清 吉川 恒夫
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.4, no.5, pp.489-498, 1986
被引用文献数
31 10

本論文では, 複数のロボットマニピュレータまたは多指ロボットハンドによる協調的あやつりの力学が議論される.協調的あやつりの問題は2つの局面に分けられる.1つは複数のロボット機構による合力を決定することであり, もう1つはそれらの間の内力を決定することである.合力は外力や環境拘束を受ける物体のあやつりに用いられる.内力は最大静止摩擦係数の不確さや変動に適応するために用いられる.合力の決定に対して動的協調制御方式が提案される.また, 最大静止摩擦の拘束の下で対象物に任意な加速度を発生する能力である協調的あやつり可能性を確認するための1方法が提案される.最後に, 最適内力を最大静止摩擦の拘束を満たすために必要な最小ノルムの内力と定義し, 最適解を求めるために非線形計画法が適用される.最適解は, それが存在する限り, 最大〓組の代数方程式を解くことによって必ず求められる.