- 著者
-
池田 将樹
- 出版者
- 一般社団法人 日本脳卒中学会
- 雑誌
- 脳卒中 (ISSN:09120726)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.1, pp.40-44, 2019 (Released:2019-01-25)
- 参考文献数
- 30
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease: AD)はアミロイドβ蛋白(Aβ)とリン酸化タウ(ptau)が脳内に蓄積し,認知機能低下を来す進行性の神経変性疾患である.AD患者や高齢者では,髄膜および大脳皮質の小型から中型の動脈壁に Aβが脳血管に蓄積する脳アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid angiopathy: CAA)が頻繁にみられる.CAAはADの認知症を増悪させる因子として知られていたが,脳画像技術の進歩に伴い,多様な病態が明らかになりつつある.一方,CAA関連炎症[CAA-related inflammation(RI)]は近年注目されている病態であり,診断や治療についても進歩がみられるものの,これらの原因については不明な点が多い.CAAの病態解明が進み,ADと CAA関連疾患の治療法の開発が今後さらに重要になると思われる.