著者
池田 幸弘
出版者
The Japanese Society for the History of Economic Thought
雑誌
経済学史学会年報 (ISSN:04534786)
巻号頁・発行日
vol.34, no.34, pp.40-52, 1996 (Released:2010-08-05)
参考文献数
39

Hayek has been one of the major figures in the history of economic thought who has been interested in the evolution of institutions. Considered in this paper is the relationship between Hayek and Carl Menger, the founder of the Austrian School of Economics. Although they shared the basic concept of spontaneous order, as previous literature shows, they have a totally different idea about one important institution, the state. In Hayek's opinion the state is not a spontaneous order, but an organization made from above. Menger saw the matter differently. He tried to capture the state as a system which can be reduced to the self-interest of economic agents. Thus, in Menger's view, the state is a good example of spontaneous order.
著者
池田 幸弘
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.1-21, 2005-12

故玉置紀夫教授追悼号本稿は,若き日の小泉信三(1888-1966)のイギリス滞在,ドイツ滞在時の経験についてできるだけ実証的な論述を与えようとしたものである。初回の小泉の留学は,1912年秋から1916年春にまで及んでおり,文字どおり,悩み多き疾風怒濤の青春時代でもあった。執筆にさいしては,小泉全集のほか,2001年に慶應義塾大学出版会から公刊された『青年小泉信三の日記』を利用した。これは戦時中に焼失した日記のなかで奇跡的に残った資料で,今般小泉家の方々のご好意によってその出版が可能になったものである。いままでも小泉の外遊については彼自身の回想を中心にかなりの情報が入手可能であるが,この日記の公刊がなおも意味を持つのは,原則として日単位で小泉の行動がフォロウできること,そして小泉の集書のプロセスや聴講した講義についてさらに詳細に知ることができることによる。拙稿は,イギリスに足をふみいれてから第一次大戦勃発時までの小泉の行動をこの日記によって追跡したものである。とくに,LSE やベルリン大学で聴講した講義,集書の過程,ジェボンズの子息との面会,そして開戦直前,直後のドイツでの体験に焦点があてられている。なお,本稿の原型たる英文論文はマッコリー大学において,2005年7月5日から8日にかけて開催された第十八回オーストラリア経済思想史学会で報告された。
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.256-257, 2017

名鉄名古屋駅から犬山線,犬山駅からは広見線に乗り継いで新可児まで行き,そこからさらに御嵩行ワンマン列車に乗り込み,のどかな田園風景に見とれていると間もなく明智駅に到着した.無人駅のため運転手さんに切符を手渡して下車し,ちょうど駅前に停車しているバスに乗り込んだ.バスはこの先の名鉄八百津線が2001年に廃線となったため,代替として運行されている.ここまで来るとすっかり小旅行の気分になってしまっているが,弾む気持ちをおさえながら元役場前にて下車した.
著者
小嶌 隆史 池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.387-391, 2016 (Released:2016-05-01)
参考文献数
12

近年の医薬品開発においては,様々な機能を持った製剤が展開されている.経口製剤だけを取り上げても,腸溶性製剤,可溶化製剤,持続吸収型徐放製剤,舌下錠,口腔内崩壊錠等,多種存在する.一方,治験初期では,原薬を出品後,治験サイトで溶解,懸濁あるいはカプセル充填して投薬されるなど,簡易な製剤で開発される場合もある.いずれの製剤においても,多くの場合,使用される原薬形態は結晶性の粉末である.結晶は非晶質と比較して物理的・化学的に安定であり,原薬および製剤の品質保持において優位であるだけでなく,製造における堅牢性確保の点からもメリットは多い.これに対し,溶解性の改善などを目的とした非晶質製剤として開発する場合には,品質や製造性の担保のための工夫がなされている.すなわち,高品質な医薬品を安定的に患者さんに届けることを使命とする製薬企業において,医薬品開発を俯瞰的に捉えた開発形態の選定は重要な項目である.過去には,不十分な開発形態の選定が原因による特許訴訟や製造中止の事例が報告されている.企業経営の問題にとどまらず,患者さんや広く社会に及ぼす影響も大きいことから,製薬企業には適切な開発形態の選定が求められている.本稿では,医薬品開発における開発形態選定の現状に加え,物性・原薬製造工程・製剤化工程研究を交えた新たな展開について紹介する.
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.250-251, 2016

JR武蔵野線新秋津駅を下車し,学生さんたちと並んで住宅地を15分程度歩くと視界がひらけキャンパスが見えてきた.周りは武蔵野の自然豊かで,学び舎としてとても良い環境に立地している.正門の守衛所で資料館訪問の旨を伝えてキャンパスに入り,右手の創立者像を見ながら校内を歩くとすぐに資料館があった.丁寧な受付担当の方の説明をうかがいつつ,記帳のみで入館させていただくことができた.
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.700-701, 2015

鶴橋の焼肉で腹ごしらえを済ませ,近鉄大阪線青山町行きの急行に乗車した.50分ほど乗っただろうか,ずいぶん山深いところまで来た.榛原で下車すると,ちょうど大宇陀行きのバスが待ち構えているかのように停車しており,乗車して20分ほどで終着の大宇陀に到着した.
著者
関 麻由美 池田 幸弘
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
no.6, pp.80-86, 2014-03-20

近年,マインドマップを利用した教育が日本語教育においてもなされてきている。本稿では,執筆者それぞれが実践したマインドマップを用いた漢字学習の事例を紹介する。そして,マインドマップを使用した学習法についての学習者のコメントをSteps for Coding and Theorization (SCAT)という質的データ分析手法を用いて分析し,マインドマップを漢字学習に用いることにどのような特徴があるかを考察する。
著者
西沢 保 後藤 玲子 渡辺 良夫 小峯 敦 伊藤 邦武 藤井 賢治 池田 幸弘 本郷 亮 山崎 聡
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

19世紀末以降のケンブリッジ、オクスフォード、LSEの経済思想の展開を、現代福祉国家の変容・危機を視野に入れて、共同研究を進め成果を得た。具体的には、1. 「創設期の厚生経済学と福祉国家」から厚生経済学史の再検討へ、2. リベラリズムの変容と福祉国家-ニュー・リベラリズムからネオ・リベラリズムへ、3. マーシャル、ケインズと同時代の経済思想、4. ケインズと現在の世界経済危機-戦間期との比較考証、の4点を中心に国際共同研究を進め成果を得た。