著者
持永 春奈 河村 フジ子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.390-395, 2001-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
12

We examined the effect of sauteing method on the quality of sauted bean sprouts.The quantity of water which separated from the sauted bean sprouts was more in an iron pan than in a teflon pan, and decreased significantly with increasing sauteing time.The quantity of oil which separated from the sauted bean sprouts was amounted to 50% of the quantity of sauteing oil with a 30-second saute heatment.While the influence of sauteing time on the POV and TBA values was small, there was an effect from the kind of pan material, particularly when an iron pan used.Sauted bean sprouts had a higher rupture stress and smaller rupture strain than raw bean sprouts.The final temperature of sauted bean sprouts was higher when sauted after boiling the bean sprouts for 30 seconds than without boiling.The sensory evaluation showed no difference in the taste of bean sprouts sauted in iron and teflon pans, although there was a significant difference in the sauteing time. There was a preference for bean sprouts sauted for 30 sec after boiling than those sauted for 30 sec without boiling.
著者
金 和子 小林 彰夫 河村 フジ子 松本 睦子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.603-608, 1989-07-05 (Released:2010-03-10)
参考文献数
8

辛味大根と青首大根の辛味臭成分をエーテル振とう抽出により分離し, GCおよびGC-MSにより分析し, 比較した.辛味大根の香気成分は99.5%以上が含硫化合物であり, 5種のメチルチオイソチオシアネートが主要成分として同定された.なかでも, (E) -4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネートは香気中96.5% (62.7mg%) を占め, かつこの化合物は1.3ppm以上あると単独でも生大根辛味臭を呈し, 濃度の増加につれ香辛性が強化される.実際の辛味大根中における存在量は627ppmであることから, 辛味大根の辛味臭は主としてこの物質であることが明らかとなった.
著者
永塚 規衣 大野 隆司 大川 祐輔 河村 フジ子 長尾 慶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.364-370, 2003-11-20
参考文献数
17
被引用文献数
2

ゼラチン溶液に糖及びアルコールを添加した場合のゲル化機構を動粘度モニタリングシステム,旋光度,動的粘弾性,レオメータの測定により検討した結果を以下にまとめた。1)糖及びアルコールの添加はアルカリ処理低温抽出ゼラチンのゾル-ゲル変換に影響を及ぼした。糖添加によりゲル化開始時間は短く,ゲル化が完了した時間は長く,ゲル化温度は高くなった。一方,エタノール20%添加ではゲル化開始時間,ゲル化時間は長く,ゲル化温度を低下させた。2)本試料ゼラチンのゲル化では,粘性率の増加から始まり,続いて弾性率の増加が起こり,最後に旋光度という順で変化が起きていた。3)ソルビトール添加はゼラチン分子のへリックス形成に有効であり,弾性率も上昇し,硬いゲルを形成したが,高濃度のエタノール添加はゼラチンのヘリックス形成に抑制的に働き,弾性率も低下し、破断波形において延性を増した。
著者
河村 フジ子 高柳 茂代
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.147-151, 1989-06-20
被引用文献数
5

ゼラチンとカラギーナンの混合比を4:0、3:1、2:2、1:3、0:4として混合全量が4%になるように調製したゾルとゲルの特性について研究した結果を要約すると次の通りである。1)ゾルの温度を下げてゆくと、ゼラチンゾルは、ある一定の温度付近で急速に粘度が上昇してゲルかゲル化する。しかし、カラギーナン混合ゾルはゼラチンゾルより、粘度上昇開始温度が高くて、その後の粘度変化が緩慢となる。2)ゾルの温度を凝固温度に近づけると、ゼラチンゾルは、時間とともにチキソトロピー性から逆チキソトロピー性に移行するのに対して、カラギーナン混合ゾルはチキンソトロピー性のみ顕著に表われる。3)ゼラチンゲルに比べて、カラギーナン混合ゲルはカラギーナンの混合比が高い程軟らかくなり、凝集性と付着性が低下する。4)ゲルを30℃以上に保持した場合、ゼラチンゲルに比べてカラギーナン混合ゲルは崩壊しにくい。5)ゼラチンゲルは、冷却保持時間の経過に伴い、漸次硬さを増すが、カラギーナン混合ゲルは、冷却2時間で硬さがほぼ平衡状態になる。