著者
品川 喜代美 金 娟廷 河村 彩乃 岩崎 裕子 高戸 良之 大越 ひろ
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.126-133, 2014 (Released:2014-07-04)
参考文献数
22
被引用文献数
1

高齢者向けにテクスチャーを改善した餅様食品が開発されている。その食べやすさについて検討するため,テクスチャー特性と筋活動量の測定ならびに官能評価を行った。テクスチャー特性の測定は,飲み込む直前の食塊についても行った。試料は,高齢者向けに開発された餅様食品S,K,および市販の切餅を用いた。餅様食品SおよびKのテクスチャー特性の付着性は,切餅に比べて小さいことが示された。若年者を被験者にした官能評価において,餅様食品SおよびKの喉につまる危険性は,切餅に比べて低いと評価された。また,SおよびKの筋活動量は切餅に比べて少ないことが示された。餅は高齢者が喉につめやすい食品であり,高齢化にともない咀嚼機能が低下するといわれている。付着性と喉につまる危険性および筋活動量に関係がえられたことから,付着性を抑えた餅様食品は,切餅に比べて食べやすいことが明らかとなった。
著者
永井 富裕子 青井 裕美 國見 聡子 河村 彩 山田 敦子 小泉 朱里 山口 貴史 須賀 新 糸賀 知子 西岡 暢子
出版者
日本産科婦人科内視鏡学会
雑誌
日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 (ISSN:18849938)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.525-528, 2013 (Released:2014-06-16)
参考文献数
11

Atypical polypoid adenomyoma (APAM) is an endometrial tumor that arises from the uterine corpus or cervix in premenopausal woman. Although APAM is pathologically benign, it should be distinguished from atypical endometrial hyperplasia and complex invasive endometrial adenocarcinoma (G1) because these conditions are similar and often coexist. We report a patient with APAM treated with hysteroscopic transcervical resection (TCR). The 28-year-old nullipara patient had hypermenorrhea for 1 year and genital bleeding for 3 months. Ultrasound and MRI revealed a 27 mm×12 mm tumor in the uterine cavity, which was considered to be an endometrial polyp or submucosal myoma. TCR was performed after GnRHa administration for 3 months. Pathological diagnosis showed APAM. Dilatation and curettage was performed 1 month after surgery, showing several residual atypical glands of APAM. The patient was followed every 3 months, and no recurrence of APAM has been detected for 1.5 years. Although clinical management of APAM has not been established, TCR is a reliable procedure for conservative treatment under careful follow-up.
著者
高橋 智子 河村 彩乃 大越 ひろ
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.342-350, 2015 (Released:2015-11-05)
参考文献数
18
被引用文献数
3

本研究では,食パン,およびミルク溶液の一部をサラダ油に置換した液状食品を材料としたゲル状パン粥を基本パン粥とし,加えて,基本パン粥試料の表面にとろみ(粘稠液状食品)を付加した試料を用い,ゲル状パン粥にとろみを付加することがヒトの嚥下状態にどのように影響するかを検討した。テクスチャー特性の硬さは品温20℃パン粥試料が45℃試料に比べ,有意に硬いことが認められた。官能評価より,品温20℃でとろみを付加したパン粥試料は,とろみを付加しないものに比べ,口中でべたつかず食べやすいと評価された。試料品温20℃の嚥下直前の食塊の硬さは,口中で食塊形成中に顕著に軟らかくなることが示され,嚥下直前の食塊のテクスチャー特性の試料間の差は小さいものとなった。表面にとろみを付加した45℃試料は20℃基本パン粥試料に比べ,嚥下時筋活動時間が短くなることが示された。