著者
西宮 佳志 近藤 英昌 坂下 真実 三浦 愛 津田 栄
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.381-388, 2010-06-01 (Released:2011-09-05)
参考文献数
31
被引用文献数
2 2

不凍タンパク質は,過冷却状態の水溶液中に生成する氷結晶の表面に特異的に結合し,その成長を抑制する機能を有する生体物質であり,様々な低温適応生物から様々な性状のものが発見されている.どのようにしてこれらのタンパク質が氷結晶に結合するのか?,不凍タンパク質間にはどのような共通性があるのか?,不凍タンパク質の機能発現機構を理解するための基礎研究に加え,医学や畜産分野をはじめとしてその成果を新しい技術開発に利用しようと実用化研究も進められている.ここでは,不凍タンパク質の氷結晶成長抑制機構に関する最近の研究状況について紹介する.
著者
津田 栄治 稲村 肇
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.265-272, 1999-09-20 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究は, 行政機関の移転が周辺地域の都市機能立地に与える影響を実証的に分析することにより, それに随伴して移転する都市機能を抽出することを目的としている.行政機関の移転実例として, 山形県庁に着目し, 周辺地域の都市機能立地変化を固有名詞ベースで調査し, さらに県庁来庁者の特性を把握するためのアンケート調査を行うことにより, その影響を検討した.その結果, 県庁移転直後に, 政党県本部, 外郭団体が, 次に大手建設会社, 保険会社, 建設コンサルタント, 新聞 (建設業界新聞), そしてある程度の都市規模に達した時点で事業サービスが立地すること, その中で新聞 (建設業界新聞), 外郭団体, 事業サービス, 金融・保険・不動産, 大手建設会社の順に県庁随伴移転可能性が高いことが分かった.
著者
宇佐川 智也 中村 誠 津田 栄三 加藤 啓介
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.75-78, 1988

近年の豊かな食生活は「飽食の時代」と言われるまでになって,食肉に対しても高級化・多様化が求められている。ラム肉(子羊肉)は欧米では高級肉と位置づけられているが,わが国では新鮮でおいしいラム肉を食べる機会が少ないため,くさい肉,ジンギスカン用,というマトンのイメージがまだ強いようである。ラム肉のおいしさが知られるようになると,高級品としての新鮮なラム肉が今以上に求められる事は十分に予想される。めん羊は体躯の大きさが手ごろで性質が温順であるので飼いやすく,一村一品運動の好適な対象になり得る。わが国のめん羊飼養頭数は,昭和32年の約100万頭をピークに,昭和51年には約1万頭と激減した。その後,昭和61年の26,200頭とわずかに回復したにすぎない。国民一人あたりの飼養頭数でみると,イギリスの0.6頭,オーストラリアの9.0頭,ニュージーランドの21.8頭に比べて,わが国ではわずかに0.0002頭である。したがって,北海道や長野県などのめん羊飼育の盛んな地域を除けば,冷凍の輸入品が市販されてはいるものの,ラム肉を食べる機会は非常に少ないのが現状である。本研究では,本県でのめん羊飼育の可能性を探る手初めとして,サフォーク種めん羊を用いて,生後約6ヵ月間飼育したときの増体成績および産肉成績について,わが国内外の資料と比較検討した。
著者
津田 栄 勝又 保雄 山下 元 清水 誠一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.570-584, 1994-06-15
被引用文献数
30

ソシオメトリーは, モレノ[1]の提唱した集団成員の関連構造の測定法で, 成員相互の好き嫌いの程度から解析されるが, その構造を明確に表すことは, 仲々困難である.筆者等は, ファジィグラフを応用することにより, 新しいソシオメトリー分析法を考案した.本方法は, 幾つかの質問から得られる応答データから成員の関連状態を測定し, ファジィグラフを構成し, 解析するものである.ファジィグラフのクラスター分析, 近似構造分析などを適用することにより, 近似的なソシオグラムが構成でき, 集団構造の特徴をかなり明確に抽出することができる.本稿では, ファジィグラフを応用したソシオグラムの構成法, 分析法を論ずると共に, 学校教育に関する適用事例を通じて, その効用を述べる.
著者
田中 正太郎 小橋川 敬博 三浦 和紀 西宮 佳志 三浦 愛 津田 栄
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.130-135, 2003 (Released:2003-05-23)
被引用文献数
3 1

In 1969, the first antifreeze protein (AFP) was discovered from the blood plasma of Antarctic Nototheniids. In the past thirty years, different types of AFP have been found in many life forms that exhibit freezing tolerance, such as bacteria, fungi, plants, insects, and vertebrates. These discoveries have evoked us many questions regarding to the antifreeze mechanism and its biological significance for preventing their tissues from freezing damage. At present, ice physicist, biologist, chemist, biochemist, molecular biologist, physiologist, and NMR and X-ray structural biologists are subjecting AFP, which greatly improves our understandings about AFP and accelerates its applicability to various cryo-industries. In the present review we will describe an updated biophysical aspects of AFP to highlight the interests of this research field.