著者
井東 廉介
出版者
石川県公立大学法人 石川県立大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.45-55, 1991

前報では,日本語と英語(欧州諸言語)の「格」表現形態が著しく異なることを挙げ,格概念は個別言語内の表現形態と直接結び付きながら抽象化されることを見た。日本語の「格」体系が欧州諸言語の文法を基盤として助詞体系に当て填めたものであることは,明治以来の「ハ・ガ論争」や三上章の日本語文法論の中などで再三言及されている。欧州諸言語の「格」概念は,格屈折語尾変化や語順のような,非語彙的な統語機能の体系から成り立っている。一方,日本語には欧州諸言語のような「格」表現の素材はない。日本語の格概念は,欧州諸言語の格に対応する日本語の言語素材から構成された。従って,膠着言語の日本語が主として特定の語彙範疇-格助詞-で表示している格体系と,屈折言語の欧州諸言語が主として屈折語尾や語順で表示している格体系とでは,極めて制約された統語機能面にしか共通点が現れないのは当然である。「格」の個別的認識もそれが包括する事象によって異なる。例えば「主格」は,英語では主語になる名詞句が取る格で,人称代名詞には特定の形態が与えられるが,日本語には,対応する形態は言うまでもなく,三・単・現の動詞形に影響を及ぼす機能を持つものも,述語部分と対応する必須要素としての役割を果たすものも存在しない。格助詞の機能意味に対応点を探って,「主題」を表示する「ハ」(「モ」)と「主語」を表示する「ガ」に共通点を見いだすのみである。ところが「ハ」(「モ」)は,名詞句以外の範疇にも付加されることから,格助詞の範疇に含めないことが多い。また,「ガ」も,情報構造上「ハ」と相補的分布を示すこと,母体文と埋め込み文で「ハ」と使い分けられることが多いこと,述語節点に対して姉妹関係というよりは被統率関係になることが多いことなどから,英語の「主語」には含まれない機能意味を多く持っている。N.Chomskyは,「格」を統語構造上の抽象的な関係概念として捉え,深層構造の支配関係から派生する方法を提案した。この方法では,個別言語の格表示は,それぞれの媒介変数を適用することによって,意味とは無関係に機械的に生成される。この方法は,日本語と西欧諸語のように格表示の言語素材に著しい相違がある場合でも,統語構造と形態を生成するには都合がいい。言語形態に伴う意味は,統語部門とは別の意味部門の意味解釈規則で扱われるので,別途考慮すればいいからである。しかし,それによって派生される文法格は,原理上,述語と述語項の意味論的関係を区別することができない。Fillmoreは,格表示形態と意味の捉え方の順序を逆転することによって,「意味」から文法格を生成する理論を提案した。述語と述語項との意味論的な役割関係を新たに「格」と定義し,その「格」の生起する環境から一定の統語構造上の法則性を体系化すことによって,「意味」と文法格を可視的に関連付ける理論を構築したのである。これは「格文法」理論と呼ばれているが,その「格」は,上述のように,伝統文法の「格」ともChomskyの「格」とも異質のものである。「格文法」理論の「格」は,述語と述語項との関係意味から抽出さた素性と名詞句から成る。この「格」のモテルは,日本語の格表示形態と酷似している上に,理論形式上格助詞が持つ統語機能を「格素性」として捉える可能性を示唆している。このことから,格文法理論は日本語の「格」関係の分析には格好の理論的基盤を提供してくれるものと期待された。本論では,格文法理論が日本語の「格」を説明するのにどれほど有効がという視点から,Fillmoreの"The Case for Case"を中心とした「格文法」理論を検討し,その問題点を探る。
著者
久田 孝
出版者
石川県公立大学法人 石川県立大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.7-60, 1998-12-15 (Released:2018-04-02)

わが国をはじめ東アジア,東南アジア諸国では古くから多種類の海藻が食されており,近年においてはその健康に対する機能性が注目されている.しかし,腸内菌叢(フローラ)が宿主の健康へ影響を及ぼすことはよく知られているにも関わらず,海藻の摂取と腸内菌との関連についての研究はこれまでほとんど行われていなかった.そこで本研究では,日常からよく食される海藻と,海藻多糖類(食物繊維)の健康への影響をin vitroおよびラットを用いた実験を行い,腸内環境の面から検討した.第1章ではヒト糞便フローラおよび腸内の代表的な菌株による海藻多糖類(アルギン酸ナトリウム,ラミナラン,カラギーナン,寒天,セルロース)の発酵性を検討した.その結果,褐藻類中の多糖類であるラミナランおよびアルギン酵ナトリウムが腸内フローラにより発酵され,酢酸や乳酸など数種類の短鎖脂肪酸(SCFAs)が生成された.とくにラミナランは腸内菌によって,より強く発酵された.アルギン酵ナトリウムをBacteroides ovatusが,またラミナランをB. ovatusおよび数種のClostridiumが発酵した.さらに乾燥褐藻製品22種類についてラミナランおよびアルギン酸を粗抽出した.海藻種または製品によって大きく異なるが,粗アルギン酵は各製品から10%(w/w)以上,多くの場合約20〜30%回収された.一方,ラミナランはヒダカコンブ,ヒダカ根コンブおよびアラメの3種類から検出され,それぞれ含有量は0.6, 4.0および10.9 %とアラメから最も多く回収された.第2章では9種類の海藻(コンブ,ワカメ,メカブ,アラメ,モズク,ヒジキ,アオノリ,アオサ(ビトエグサ),ノリ(アマノリ))食7日間投与のラット盲腸内フローラおよび血清脂質レベルに及ぼす影響を検討した.腸内環境に対し,1%海藻食ではbifidobacteria菌数またはその占有率が増加傾向にあり有用な影響を示したが,5%海藻食では海藻種によって様々で,メカブおよびノリはbifidobacteria菌数または占有率を有意に増加させたが,その他の海藻類は様々な菌群に対して抑制的な作用を示した.5%海藻食を摂取させたラットでは一様に血清トリグリセリド(TG)が低下した.第3章では2%海藻多糖類(ラミナラン,カラギーナン,寒天,アルギン酸ナトリウム(HAG ; 通常の高粘度・高分子量およびAG5 ;分子量約50,000))のラット盲腸内フローラおよび血清脂質レベルに及ぼす影響を検討した.ラミナランおよびAG5は,bifidobacteria菌数および占有率の増加傾向,盲腸内pHの低下など,腸内環境に対して有用な影響を示した.またこれらの作用はそれぞれ0.4%食という低濃度でも認められたが,高濃度(8%または10%)食の摂取では下痢様の症状をきたした.血清総コレステロール(TC)の抑制はAG5食のみで有意に示された.第4章では過剰量の海藻を摂取した際の多糖類の摂取とは矛盾する様々な菌群に対する抑制的な作用について検討するため,5%アラメ粉末,それに相当する量の粗抽出多糖類(粗ラミナラン,粗アルギン酸,難溶性多糖類)およびメタノール抽出物(多糖類は合まれない)を7日間投与したラットの,盲腸内フローラおよび血漿脂質等を調べた.粗抽出多糖類,特に粗ラミナランの摂取によりbifidobacteriaおよびlactobacilliの菌数は増加したが,メタノール抽出物の摂取により減少の傾向であり,アラメ粉末食を摂取した場合はbifidobacteriaに変動はなく,lactobacilliは減少した.アラメ粉末により糞便重量の増加が顕著で,粗抽出多糖類による増加量と著しい差があった.粗アルギン酸食以外の試験食で血漿TGおよびTCは減少,および減少の傾向が示され,メタノール抽出物は血漿TGを抑制したがTCには影響しなかった.第5章ではラミナラン摂取による盲腸内bifidobacteria増加の要因を調べるため,腸内のラミナラン分解菌C. ramosumによって分解生成される低分子の糖類が,腸内のラミナランを利用できない菌株の発育に対する影響をin vitroで検討した.C. ramosumによりラミナランから単糖,二糖および三糖類が培養液中に生成され,これらの分解生成物はBifidobacteriumやEnterococcusなど乳酸菌の発育を促進させることを示した.以上の結果から,摂取された発酵性の海藻多糖類,ラミナランおよび低分子量のアルギン酸ナトリウム(AG5)などは,腸内の分解菌により単糖類,オリゴ糖類に分解された後,ビフィズス菌に利用され,健康に対して有用な影響をもたらすと考えられる.海藻そのものを摂取した場合には,その摂取量により異なった影響が現われることが示されたが,通常の摂取量(1%w/w)では有用であると考えられる.また,過剰量の海藻の摂取と各多糖類の摂取の影響が異なっており矛盾する点があるようにみえるが,海藻中の多糖類以外の成分も腸内フローラの変動に深く関わっていることが示唆された.
著者
井東 廉介
出版者
石川県公立大学法人 石川県立大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.13-26, 1997-12-15 (Released:2018-04-02)

日本語の格を標示するといわれている助詞,ハ・ガ・ノは,これまでの日本語分析の中でそれぞれの最も顕著な文中機能によって分類されてきた。しかし,日本語の統語構造と助詞付加が必ずしも英語のような述語項構造の配列規則や統語機能と整合性を係つものではないことから,これらの助詞分類と普遍文法的方向をめざす統語構造,意味構造の分析とが必ずしも一致していない。日本語では,上代ですでに,起源的に注意を喚起するための強調を意味する助詞「ハ」,「ヲ」がそれぞれ主題・主語,動詞の目的語を表示する用法として定着していたが,同時にこれらの用法を助詞無しで行う方法も平行して存在していた。「ガ」は,「君が代」に見るように,元来属格を表示する助詞だったが,用言に連用成分が連なって構成する日本語の統語構造の最小の基本単位(文または節)の中で,ハとは異なる情報価値を拒う主語を表示する用法として定着してきている。「ノ」は,節の埋め込み構造を含まない関係節の中で「ガ」と平行して主語を表示することができる。また,属格表示の「ノ」で連接され,節と同じ意味価値を持つ名詞句の中で,用言と等価の名詞句(意味論的に述語的機能を内包できるもの)の主語を表示することができる。また,ノよりもさらに原初的格表示として,主題・主語が助詞を付加されないで提示されることや,漢字のみの名詞句羅列表現の中に助詞を付加しないで主語を意味しているものがあることも事実である。これらのことから,日本語の主語機能の表示は特定の助詞が唯一的に行うのではなく,統語構造の階層によって異なる助詞が行うと考えた方が有効である。
著者
加藤 啓介
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.11-14, 1980
被引用文献数
1

われわれ日本人が食肉として用いる家畜は,牛・豚・鶏が主要なもので,その他の家畜はとるに足りない。このことの第一の原因は,わが国畜産の歴史が浅いことであり,他の各種家畜の肉を食用に用いる道を開くことが,食べものを質的に豊かにするために必要である。と同時に,飼料用穀物の入手難や都市近郊からの締出しなど畜産をめぐる情勢が今後いよいよ厳しくなったときにも食肉の生産が続けられるよう適応力を備えるためにも,家畜の種類をより多くしなければならない。山羊は粗食に耐え耐病性も強いので,飼いやすい家畜であり,また牛より体格が小さいので手軽に飼うことができる。そのためアジア・アフリカの開発途上国を中心にほとんど全世界で飼育されている。しかしわが国では,乳用家畜としては手間が掛るうえに肉も利用価値が低いため,飼育頭数は減少の一途をたどっている。一方アメリカやニュージーランドでバーベキュー用の肉として山羊がかなり高く評価されていること,わが国でも沖縄では山羊肉の需要が旺盛で,生体の体重当り価格にすると牛肉以上であることを考えると,山羊を肉畜として見直す余地は十分ある。このような見地から,山羊肉について本学学生を対象に意識調査と官能テストを実施した。
著者
上田 哲行
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.98-110, 1988

Sympetrum frequens is a very popular dragonfly in Japan. However the details of the life history are not well known. The nature and diversity of the life history in the species are discussed. In most regions of Japan, imagines of the species emerge fairly synchronously in early summer mainly from paddy fields of lowlands and soon migrate to highlands, where they spend the summer. At the beginning of autumn, they return to lowlands for breeding. Thus they have extremely long prereproductive periods caused by reproductive diapause, lasting 2 to 3 months. This prolongation in the prereproductive period is likely to be seasonal regulation in order to postpone the start of their oviposition until the cool season when it becomes possible to overwinter in the egg stage. The migration to highlands by the diapause adults during this period seems to be so as to escape from hot summer of lowlands in Japan. The evidences suggest that the upper limit of their favourable temperature is around 22-23℃ and that the migration takes place at the localities where the mean temperature exceeds the limit in summer. In Hokkaido Island in the northern Japan, the life history pattern is scarcely known but some evidences suggest that no prolongation of the prereproductive period owing to reproductive diapause occurs. It is also unlikely that the migration to highlands occurs there because the mean temperature is usually below 23℃. Such non-diapause and non-migrating life history pattern is applicable to a number of small sized, dark-coloured S. frequens (highland type) which were found on some high mountains of Honshu (mainland of Japan). In lowlands, although most individuals emerge synchronously in early summer, a small number of individuals emerge later in mid summer up to autumn. The mid-summer emerging individuals probably need to migrate to highlands, but the autumn emerging individuals may not do because the mean temperature of lowlands will be soon or is already lower than 23℃. From mid-to late summer a small number of early matured individuals, wich are not highland type, are sometimes collected and their reproductive behaviour is also observed as unusual cases. These facts suggest that a part of the lowland populations does not enter reproductive diapause. I speculated that such non-diapause individuals are late emerging ones from lowland habitats because the highland type individuals and Hokkaido populations, which are non-diapause, are also late emerging ones. Whether or not entering reproductive diapause may be mainly controlled by photoperiodic conditions at emergence. It assumed that S. frequens has the following three different types of life history pattern. Type (1) is assumed for Hokkaido populations, the highland type individuals, and the autumn emerging individuals of lowland populations. Neither reproductive diapause nor the migration to highlands occurs among them. Type (2) is assumed for a part of the midsummer emerging individuals of lowland populations. They usually migrate to highlands but do not enter reproductive diapause. In unusual cool summer, they remain lowlands and breed there in mid-summer. Type (3) is assumed for the early summer emerging individuals of lowland populations. Both reproductive diapause and the migration to highlands occur. The life history pattern in which reproductive diapause takes place but no migration to highlands as known by Lestes sponsa in southern Japan has not been found in S. frequens.
著者
井東 廉介
出版者
石川県公立大学法人 石川県立大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.56-66, 1991 (Released:2018-04-02)

日本語の統語構造の分析は格助詞の機能意味の解明を中心に行われてきた。規範文法的視点でも記述文法的方法でも変形生成文法的方法でも,この分析方法については変わっていない。日本語の統語理論で変化してきたのは,統語要素の設定に関わる部分である。明治期以来,日本語文法は英文法を始めとする英欧語文法の枠組みを手本とし,統語要素の同定は英文法の統語要素に日本語格助詞の機能意味を対応させることによって行われてきたと言われている。しかし,「-ハ-ガ-」構文のように英欧諸語の文構造の中には見られないものが日本語構造の中に含まれていることが頻繁に論議されるようになるにつれて,日本語文法には英欧諸語の文法の枠組みでは解決できない独自の言語現象が含まれていることが指摘されるようになった。その結果,日本語の格助詞「ハ」,「ガ」,「ニ」,「ヲ」を英語の主語,目的語などの統語機能と単純に対応させ,文構造のモデルを「主語+目的語+述語」のような枠の中だけで片付けようとする分析は日本語の分析に十分対処できない事が明らかになってきた。主語,目的語などの統語要素は,本来,動詞に対して定まった関係意味を持つものではない。主語になる名詞句は,動詞の意味との関連で,その行為者,経験者,対象,道具などを表す。目的語になる名詞句は,対象として作用,影響を受けるもの,結果として生じるもの,利益(害)を受けるものなど多様な意味関係のものを含んでいる。C.Fillmoreの格文法理論は,動詞と述語項とのこのような意味関係を「格」として統語構造派生の説明の中に取り込んだ。彼は,格概念の中心を従来の屈折語尾と統語構造内の位置関係から動詞と述語項との意味論的関係へと移したのである。英欧諸語の格概念を日本語に移植する時には,西欧諸語の語順や格屈折語尾などの格表現形式を類似の日本語表現と対比させた上で,それらの更に奥にある名詞句と述語との関係から割り出された文法的意味をそれに相当する日本語の語彙形態に当てはめることになるであろう。ここにFi11more的な格把握と共通するものがある。日本語の助詞の意味を主語,目的語などの英語の統語要素に対応させた「機能意味」だけではなく,動詞の意味に対する述語項の意味論的役割関係の中で捉えた「機能意味」の観点から再類型化すると,日本語の統語構造を英語の統語構造に依存する事なく分析する手がかりを与えてくれる。本論では,変形生成文法の言語分析成果を基盤とし,意味論的に日本語の統語構造生成を扱った井上和子の「変形文法と日本語」に於ける「格」の取扱方を検討する。
著者
中村 誠 加藤 啓介
出版者
石川県公立大学法人 石川県立大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.45-49, 1981 (Released:2018-04-02)

食肉凍結の技術は近年進歩が著しく,また家庭用冷凍庫の普及に伴なって今後は凍結肉の家庭での利用がますます多くなるものと期待される。ところが,凍結肉の解凍方法に関しては研究が比較的少ない。凍結肉はそのまま調理される場合もあるが,ふつうは解凍して利用される。解凍方法として一般的なものは,低温または高温空気解凍と流水解凍であるが,低温空気中で緩慢に解凍するのが良いと一般に言われている。家庭でこれを行なうには冷蔵庫を利用することになるが,温度変化が著しいことや汚染の機会か多くなることに加えて長時間を要することを考えると,もっと高い温度で短時間のうちに解凍する方法も捨てされない。そこで,冷蔵庫を利用した長時間解凍と室温,流水を利用した短時間解凍を比較し,それらが食肉の諸性質に及ぼす影響を調べた。
著者
宇佐川 智也 中村 誠 津田 栄三 加藤 啓介
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.75-78, 1988

近年の豊かな食生活は「飽食の時代」と言われるまでになって,食肉に対しても高級化・多様化が求められている。ラム肉(子羊肉)は欧米では高級肉と位置づけられているが,わが国では新鮮でおいしいラム肉を食べる機会が少ないため,くさい肉,ジンギスカン用,というマトンのイメージがまだ強いようである。ラム肉のおいしさが知られるようになると,高級品としての新鮮なラム肉が今以上に求められる事は十分に予想される。めん羊は体躯の大きさが手ごろで性質が温順であるので飼いやすく,一村一品運動の好適な対象になり得る。わが国のめん羊飼養頭数は,昭和32年の約100万頭をピークに,昭和51年には約1万頭と激減した。その後,昭和61年の26,200頭とわずかに回復したにすぎない。国民一人あたりの飼養頭数でみると,イギリスの0.6頭,オーストラリアの9.0頭,ニュージーランドの21.8頭に比べて,わが国ではわずかに0.0002頭である。したがって,北海道や長野県などのめん羊飼育の盛んな地域を除けば,冷凍の輸入品が市販されてはいるものの,ラム肉を食べる機会は非常に少ないのが現状である。本研究では,本県でのめん羊飼育の可能性を探る手初めとして,サフォーク種めん羊を用いて,生後約6ヵ月間飼育したときの増体成績および産肉成績について,わが国内外の資料と比較検討した。
著者
加納 恭卓
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.17-24, 1993-12-15

空洞の発達したスイカ果実は市場での評価が著しく低くなる。本報告では低節位と高節位に着果し生長した果実について,果実生長,果肉細胞ならびに細胞間隙の数と大きさ,および空洞の発達状況を調査し空洞の発生機構を明らかにしようとした。1.第7,8節目の低節位に着果し生長した果実では,第16節目の高節位のものに比べ,受粉後10日目の果実の大きさは小さいが,果実の生長速度が大きく,空洞発生率も空洞面積も大きかった。低節位,高節位のいずれの果実でも10日目の果実に比べ,30日目の果実では,果皮部や外壁部の細胞の大きさは変わらなかったが,果皮部や外壁部を除く果肉部の細胞の大きさは大きくなった。 30日目では,低節位の果実では高節位の果実に比べ,果皮部や外壁部の細胞の大きさはほぼ同じであったが,果肉部ではより大きな細胞と細胞間隙が認められた。2.受粉後40日目の果実について,果実の横断面の端から中心を通り端までの細胞および細胞間隙の大きさと数を調査したところ,低節位の果実では果実中の細胞数は少なく,より大きな細胞が多くあった。また,細胞間隙の数も多く,しかも大きな間隙が多かった。以上より,スイカの果実中の空洞の発達について次のように考えることができる。果実中の細胞数の少ない低節位の果実では,果実の生長にともない,細胞肥大のみによる果実内部の生長と細胞分裂もともなう果実外側節の生長との間に不均衡が生じ,果実内部で内部組織を引っ張るような力学的な歪みが発生し空洞が発達する。しかし,細胞数の多い高節位の果実ではたとえ果実の生長が促進されても内部の生長は外側部の生長と均衡が保てるため力学的な歪みも生じず空洞は発達しない。
著者
井東 廉介
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.111-127, 1988

英語の知覚動詞は種々の形態の述語補文を取る。英語の動詞はそれに後続する補文形態の下位区分によって下位範時化されるが,その基準として各動詞の意味が決定的な役割を果たしている。従って,各知覚動詞の意味がその述語補文形態と平行関係にあるという事実を究明することにより補文形態を意味論的に類型化できるばかりではなく,上位節の知覚動詞そのものの意味の広がり(比喩的用法も含めて)をも意味論的に類型化できることになる。一方,各補文形態は統語論的に深層構造から派生された表出形態であるという考え方は一般的ではあるが,その根底に釈然としないものを残している。即ち論理学的に命題構造をもつということが前提とされる補文構造の派生を考えるとき,全ての補文形態の根底にその内部構造に区別を付けない定形節を想定することが問題なのである。本論は,知覚動詞の補文形態を定形節,不定詞節,分詞/動名詞節に類型化し更に不定詞節をto付きと原形に分けて異なった類型とし,分詞節の中に過去分詞節を加える。知覚動詞が定形節,to付き不定詞節及び'-ing'型の節の一類型を取る場合は,本来(第一義)的な感覚器官を通じた知覚ではなく,(比喩的用法も含め)程度の差はあるにしても,いずれも内部感覚化された心的知覚である。この場合統語論的には定形節はその特性上ASPECTからMODALに至る統語論上の各階層に亘るAUX構成素を内包することが可能である。これに対して,to付き不定詞節及び'-ing'型の節はMODAL成分を排除したAUX構成素しか内包できない。心的知覚という共通の領域をもつこの類型の補文は推論,叙述等に見られるように心的知覚の発現形態が同一であれば相互に意味を損なうことなく書き換える事が可能である。知覚動詞が裸不定詞または分詞形態の節を補文として取る場合は,知覚の第一義的な意味である肉体的な感覚器官を通じた知覚を意味することになる。各感覚器官の知覚特性により,補文形態の下位区分の中の或るものは特定の感覚動詞には後続しないことがある。これは五つの感覚器官が外部情報を感知する際の相互補完性と外部情報を言語化する際の表現内容の意味論的類型(即ち,命題の三類型(=状態,過程,行為))との結合可能性(相性)から理解されるものである。本論は,現行の変形生成文法で頻繁に行なわれている述語補文派生の仮説とは根本的に異質な基盤に基いている。これまで補文生成の統語素性としては,WH,(if),that,for,to,(for-to),POSS,-ing,(POSS-ing)か上げられてきているが,WH,(if),thatは,埋め込み節の動詞の定形性と直接関連し,for及びPOSSは上位動詞の述語項構造とto-inf及び-ingの主語の照応関係との間で規定され(Bresnan(1982),Itoh(1986)など参照),bare-inf及びそれと同類型の分詞の補文形態は上位の(知覚)動詞の統語素性によって選択されるものである。そうすれば,従来定形,非定形,および不定詞,動名詞の補文形態を引き出す統語素性として一般化が試みられていた心的現象の表記,未来性,仮定性,推論性の表記および既遂的,叙述的表記という意味論的素性は知覚動詞補文の統語論的類型化の基準とするには根拠の弱いものと言わさるを得なくなる。本論は,知覚動詞の補文形態を過不足なく網羅する補文選択の基盤として文構造の意味論的階層性(中右実(1984)参照)およびその各階層と上位動詞の意味論的整合性に置くべきであるとする仮説に基づくものである。これによって従来語彙項目を補文化詞として扱うことによって生じた矛盾(thatとWH,for-toとWHの共起に見られる二重補文化子の違反,裸不定詞節の派生に関する意味論的非整合性)が無理なく説明されるものである。
著者
大谷 基泰
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.15-43, 1996-12-28

近年,細胞融合や遺伝子導入などバイオテクノロジーが,トマトやイネなどの作物の育種に応用され始めて,いくつかの成果が出てきている.オレンジとカラタチの体細胞雑種の「オレンジカラタチ中間母本農1号」やアメリカで遺伝子組換え植物として始めて売り出された「Flavr Savr^<TM>」はその主要な成果である.しかしながら,園芸植物種を多く含むIpomoea属植物では,バイオテクノロジーに関する研究がイネ,トウモロコシ,ジャガイモなどの主要作物に比べて大きく立ち遅れている状熊である.本論文では,Ipomoea属植物の中で,サツマイモとI trichocarpaについてバイオテクノロジーを利用した育種の可能性について論じた.本論文は,第1章の序論から第5章の総合考察まで,全5章から構成される.第1章の総合序論では,本論文の背景と目的,さらにバイオテクノロジーの植物育種への応用の可能性について例をあげて述べ, Ipomoea属植物種の育種におけるバイオテクノロジーの重要性を論じた.第2章では,バイオテクノロシー技術を確立する際の最も基本的な技術である培養組織からの植物体再生について検討した.その結果,サツマイモとその近縁野生種I trichocarpaの葉片由来カルスからの効率的な不定芽の再分化条件が明らかになった.サツマイモ品種中国25号の葉片出来カルスからの不定芽形成は,培養組織からの再分化の際に広く用いられているBAの添加によっては促進されず,再分化培地としては植物生長調節物質を添加しないLS培地が適当であった.その際,エチレン阻害剤であるAgNO_3をカルス誘導培地に2 mg/lの濃度で添加することによって極めて高い不定芽形成率を得ることができた.このことから,サツマイモではカルス誘導時のエチレンの発生を抑制することによって再分化能を持ったカルスを誘導することができることが示唆された.不定芽形成はABAによっても影響され,2 mg/I ABAをカルス誘導培地に添加して得られたカルスから高い頻度で不定芽が再分化した.I trichocarpaの葉片由来カルスからの不定芽形成は,再分化培地にBAを添加することによって促進することができ,サツマイモの場合と異なった傾向を示した. このことから,I trichocarpaは内生サイトカイニンの量がサツマイモと比べて低いと考えられた.また,I trichocarpaの場合,カルスから不定芽を得るのには,カルスから直接不定芽を誘導する方法と,カルスから再生した不定根,を,LSホルモンフリー培地に移植して不定根から不定芽を誘導する二通りの方法によって可能であった. Ipomoea属植物では,カルスからの不定根分化は,不定芽の分化に比べて比較的高頻度で生じるので,この不定根を経由した不定芽の再生方法によって,他のIpomoea属植物のカルスからの再生系を確立することの可能性が示唆された.第3章では,細胞融合やプロトプラストヘの遺伝子導入といったバイオテクノロジー技術の基礎となるプロトプラストの単離と培養についてサツマイモの葉肉組織と培養細胞を材料にしておこなった.その結果,葉肉組織からのプロトプラストの単離には,in vitro植物の展開葉の切片を,滅菌水に約16時間浸す前処理を行うことが有効であり,前処理を行わなかったものに比べて20倍以上の収量が得られた.葉肉プロトプラストと培養細胞由来プロトプラストは同様の比較的簡単な培養方法によって,効率良くカルス化することが可能であり,プロトプラスト由来カルスからの不定芽の形成は見られなかったが,不定根の再生が観察された.第4章では,野生型Agrobacterium rhizogenesによるサツマイモとI trichocarpaの形質転換を行った.その結果,ミキモピン型のバクテリアをサツマイモ数品種に接種した実験では,毛状根形成について品種間差異が認められ,さらに,サツマイモ品種中国25号に異なった系統のバクテリアを接種したところ,バクテリア間でも毛状根形成に差異が生じるのを確認できた.このことは,供試する植物材料に適したバクテリア系統を選択する.必要性があることを示唆しているサツマイモでは,ミキモピン型のバクテリアによって比較的高頻度に毛状根を誘導することができた.これに対して,I trichocarpaでは,バクテリア系統間での毛状根形成に著しい差異は認められず,全てのバクテリアにおいて80%以上の切片から毛状根が形成された.毛状根を植物ホルモンを含まないLS培地に移植することによって,サツマイモとI trichocarpaの両種の毛状根から不定芽を再生させることが可能であった.再生した形質転換体は,葉が波打つ,地上部が矮化するといったR_1プラスミドで形質転換した植物体に特徴的に見られる特性を示した.サツマイモでは,地上部の矮l化は,単位面積当たりに栽植できる株数の増加につながり,このことは単位面積当たりの収量の向上につながるために有用な形質と考えられた.
著者
井東 廉介
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.61-73, 1986

英語における不定詞は,起源的には動詞の語幹から派生した抽象名詞であった。従って統語的には,単純形ては動詞の意義素の表出(後に助動詞に続く原形)という役割を果し,斜格形では内心構造を形成する従属的要素であった。その後他の準動詞に先かけて,その動詞的機能を発揮し外心構造的統語単位を形成するように発展した。その斜格形の意味的形骸化は早く,OE期には既にto付き不定詞の頻度が(屈折だけの)単純形の頻度を遥かに上廻っていたと言われる。toは,言わば外心構造的不定詞構文の指標の働きをしていたのである。当初の不定詞構造にはその主語の表出という明確な統語的要求は無く,定形節の動詞の屈折形態か主語と呼応するのとは異った意味論的統語論的役割を担っていたものと考えられる。不定詞の意味上の主語を構成素間の関係として精密に分析することはイエスペンセン等に負う点か多いと思われるが変形生成文法的深層構造の設定には歴史的事実との矛盾が感じられる。変形生成文法的分析においては,不定詞構文の深層構造は〔for+NP+to-Inf〕であるとする。ここでは,forが不定詞構文の主語の指定辞としての機能を全面的に定式化していることと,すべての述語的単位には主語がなければらないというC.Kirkpatricの言う『火の無いところに煙は出ない』式の統語意識が前提になっている。その前提を保証する形式として,現時点て特に米語において優勢な統語意識を当てた事は想像に難くない。しかし,不定詞構文の発展にはOE期以来,上記公式とは無関係に新しい統語意識を既存の形式に吸収させるという言語一般の傾向が底流をなくしていた。最も古い形のラテン語の影響を受けた主語-述語の関係を持った埋め込み構造は〔対格+単純形不定詞〕という二重対格構文の形を借りて反映された。「関与」を表わす与格が不定詞の主語と考えられたのもラテン語の影響を受けた統語関係が英語に反映された14Cの臨時的現象であった。関与を表わす与格がfor+NPで表わされるようになると,〔(述語)形容詞(+名詞)+to-Inf.〕の表現において,その述語部分に関与するものは多くfor+NPで表わされるようになり,15Cにはこの語法が確立されたと考えられている。この構造においてはforは不定詞の主語の指定という機能面と同時にその本来的意味をも維持していた。主格属格を表わすofかその統語特性上〔形容詞(+名詞)〕の方へより強<引きつけられて不定詞主語の一般的指定辞としての機能を発展させす,受動形の行為者を指定するに至って,現在では古用法となっているのと対照的である。米語におけるfor+NP(+to-Inf.)の意味上の漂白現象と統語機能の一般化は,近年において特に著しく英語と対照されるものであり,13Cを中心にfor toか不定詞の主語の指定とは無関係に単なる不定詞の指標辞として約200年間用いられていたが廃れてしまった現象と類似した一般的言語現象であろうと思われる。不定詞の主語の表出形態をその起源的統語意識との関連において考察することにより,不定詞構文の深層構造として設定された公式は一面的言語現象を一般化しようとするものであり,その発展の過程における種々の表現形式を時には現在まで残している自然言語としての英語の不定詞構文の分析の基盤とするには必然的に無理があると思われるのである。
著者
井東 廉介
出版者
石川県公立大学法人 石川県立大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.89-100, 1990

現代日本語の統語構造の分析は,格助詞を中心的な手がかりとしている。[名詞句+格助詞]を一つの文構成要素として分析の基盤とするのである。その名称や理論的基盤や展開は日本語学者によって微妙に異なるところもあるが,それぞれの理論構築上の最も基本的な形態上の単位となっていた。特に変形生成文法的日本語分析では,[名詞句+格助詞]を英語のように形態的に同じで語順のみで格標示している共通格と同じように,名詞句と同じ範疇として扱い,格標示形態素は基底構造から派生的に生じるものとしている。即ち,日本語の格助詞を格表示に不可欠の専用的機能語としているわけである。このような考え方が日本語の統語構造のモデル化の主流になっていることは否定できないが,本論では敢えて主要格範疇-「主格」,「目的格(対象格)」-について,いわゆる格助詞の格表示機能の多様性や格助詞無しの格標示を観察し,日本語の統語構造の一般化の基盤から洩れた事実を再確認する。このことによって,日本語統語構造の特徴を独自の形で把握する一資料にしようとするものである。
著者
田野 信博
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.47-54, 1999-12-27

営農計画の様々な局面での意思決定に気象情報は不可欠となり,これを処理するパソコンも営農支援ツールとして普及の途にある。本稿では,1996年からCD-ROMの形で入手可能になったアメダス・データをWindowsパソコンのコンパイラ言語であるWATFOR77(FORTRAN77準拠)を用いて読み取り,テキスト形式で出力する方法について述べる。特に,読み取り時に必要な時別値と日別値のデータ格納様式や,気象データの特徴である欠測データの取扱法,及び読み取りプログラム作成上の留意点を詳しく述べる。また,農業気象への応用例として冷夏と言われた1993年と,猛暑になった1994年の石川県内主要観測点における読み取りデータを気象庁の準平年値データと比較して若干の考察を加える。
著者
加納 恭卓
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.16-20, 1987

石川県内の夏まきニンジンで,根部の表皮組織の下層が白く帯状に光る,"ミミズバレ症"とよばれる生理障害か発生し問題となっている。ここでは,ミミズバレ症の発生とは種時期との関係について報告する。供試したニンジンの2品種,'夏まき鮮紅五寸ニンジン'も'埼玉五寸ニンジン'も8月9日には種した場合,収量は最も高く,ミミズバレ症の発生は最も少なかった。逆に,この時期よりは種時期が早くなっても晩くなっても収量は低く,ミミズバレ症の発生は高くなった。糖含量は'夏まき鮮紅五寸ニンジン'では8月9日まきで最も高くなったが,'埼玉五寸ニンジン'では8月29日まきのものを除き,いずれのは種時期のものも低かった。以上より,根部の生育に適さない条件下でミミスバレ症が発生しやすくなるものと考えられる。
著者
長谷川 和久
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.39-44, 1973

Diffusion experinrents of N, P_O_5 and K_2O elements under two conditions were worked for eight granulated compound fertilizers, (18-18-18, 17-17-17, 16-16-16, 15-15 -15, 15-15-12, 14-14-14, 13-13-13, 8-8-8), using 1×1×30cm-diffusion cell units made of glass. One was 4℃ for a month using silicagel for colum chromato. cell (gel. : water=30g : 27.5ml), the other 35℃ for 2months using 100 mesh pass Tanashi soil (water containing fild condition). Diffusion of water soluble nutrients (NH_3-N, P_2O_5 and K_2O) was determined by extraction with water and centrifugion. The result was as follows:- Similar horizonal diffusion movements were obserbed for nitrogen and potassium on both silicagel and soil when the distance from the spot applied the granulated fertilizer particle was abouf 15 and 10cm. Phosphate was also almost fixed around the fertilizer applied spot on both (diameter, about 2〜3cm).
著者
長谷川 和久
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.29-41, 1974

Investigating relations between physical and chemical properties on granulated compound fertilizer and its dissolution, author continuously preceeding papers used nine-sold fertilizers and studied on which the relative difference of large size from small have an collapse and elements (N, P_2O_5, K_2O)dissolution of a granule effects, undertaking dissolution with water in a vertical line, and described the result. The distilled water dropping on a granule at 50ml / fraction / 20minutes through fine tube (1 mm indiameter), pH, N, P_2O_5, K_2O were determined for dissolved fractions at 17℃ ± 2℃ nearly. The result may be summarized as follows : (1) Dissolution of materials affected pH was ended within 300ml almost and pH variation was a good correspondance with dissolution of N, P_2O_5, K_2O elements from a granule. And further this variation of larger granule than small was relatively slight and slow. (2) The order of difficulty and ease in solubility among these elements was apparently P_2O_5 < K_2O ≪ N. But this tendency was week in urea ・ ammonium phosphorated and ammonium chloride compound fertilizer. It was also obserbed that N, P_2O_5, K_2O dissolution was accerated by temperature rise up to about 5℃ for general and high compound fertilizer (8-8-8, 15-15-12). (3) High analysis compound fertilizers made of ammonium phosphate for P_2O_5 like urea, ammonium phosphorated, ammonnium chloride were considerably rich in solubility. Therefore application of these fertilizers to paddy soil, especially in case of puddling indicates the possibility of perfect dissolution of elements, expecting no existence of granule in apparence. (4) Care must be taken that this sort of dissolution-examination is much affected by granule physical properties, especially gravity and size, dropping speeds of water and volume / fraction.
著者
守田 顕三
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.26-34, 1982-12-25

In order to study the development of the public school physical education program in Ishikawa prefecture during the Meiji period, I considered the elementary school athletic meets held during the 40th to 45th years of Meiji period. One type of athletic meets was organized at the end of the second decade of Meiji period by the counties or the cities and these were held regularly. Another type of meet, beginning at the latter half of the 20's of Meiji period, was held in conjunction with special events or ceremonies and developed according to the trends of the time. During the latter half of the 30's, the form of the meet was changed to be no longer relevant to the ceremony and in the 42nd year of Meiji, it was established as an independent school athletic meet. Thus the athletic meets had existed in two forms. During the Taisho period, however, the school unit athletic meet became the mainstream of the elementary school athletic meets. In the 40's of Meiji period, the guide line that the athletic meet should be considered an educational activity separate from other school subjects was stated clearly. The athletic meets of the 40's became an event which contributed to the establishement and expansion of the nationalistic education system.
著者
加納 恭卓
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.31-39, 1990

イチゴ果実の成熟とエチレンとの関係について調べた。1.ポットに植え,30℃下で栽培したイチゴの果実は,20℃の果実より早く成熟した。果実からのエチレン発生量は果実が赤く着色し始める時期に最も多くなった。また,果実からのエチレン発生量が最も多くなる時期は,30℃で生育した果実の方が20℃のものより7日早くなった。2.開花1日前の果実をin vitroで培養した場合,BA(ベンジルアデニン)を添加した培地で培養したものは,BAを添加しないものに比べ成熟が抑制された。果実からのエチレン発生量は,培養開始後次第に減少したが,赤く着色し始めた時に増大した。BAを添加した培地のものは,添加しないものに比べ,エチレン発生量の増大する時期が5日ほどおそくなった。3.本圃で栽培していたイチゴから白緑色の果実を採取し,ABA(アプシジン酸)水溶液をしみこませたろ紙と純水をしみこませたろ紙の上に静置したところ,処理後5日目にはABAのものは果色がピンク色になっていたが,純水のものはまだ白色であった。またこの時点で,ABAを処理した果実からのエチレン発生量は,純水のものに比べ1.78倍もあった。4.白緑色の果実にエチレンを処理すると,成熟はむしろ抑制されたが,白色の果実の場合には影響されなかった。イチゴ果実にエチレンを処理しても成熟か促進されなかった理由として,(1)エチレンはイチゴ果実か成熟した結果発生したものである,(2)イチゴの果実組織が外生エチレンに反応する生理的状態に達した時には,すでにその組織中には成熟を促進するのに十分な内生エチレンが存在している,との2つの推論がなされた。
著者
井東 廉介
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.52-68, 1987

動詞'help'に続く補文の形態は15〜16世紀に用いられたthat一節を含めれば,可能な英語の補文の全てに及ぶ。現代英語ではその上不定詞補文の形態が'to'の有無による両形態となって共存する。形態が何らかの意味価値を担っているという観点からは,後続の補文形態を誘発する意味の多様な区別を'help'そのものか内包しているのではないかと考えてみるのは自然であるか,英語史的にそれを解明していく事は至難である。本論は不定詞補文の'to'の有無について,英語史的・意味論的に再検討を試みたものである。英語史的には'help'の不定詞補文か'to'を脱落させるのは,OEDの記述に代表されるように16世紀初め頃と考えられていたようである。しかし,不定詞の形態的変遷の趨勢に逆行するような上記の観察は誤解を招く恐れがある。Jespersenその他か実例をあげて述べているように,'help'の不定詞補文の形態は一般的な変遷の経過を一応たどっており,ME期には「原形」'to'及び'for to'付きのいずれも後続されていた。そのうち'for to'は一般的傾向に従って17世紀までしか用いられなかったのに対し,他の二形態か残った背景にはいずれの形態も意味論的に有意義なものを担っていたという実際的な存在価値があったからだと考えるのか妥当であろう。尤も原形の方は一旦英国ては衰え今世紀の初めには『方言または俗語』とされたか,間もなく米語用法からの逆輸入のような形で復活し,1960年頃口語体としての市民権が定着したものである。'help'の不定詞補文は元来'help'か行為動詞か状態動詞かによって,その統語的役割が違っていた筈である。現時点で'to'の有無を直接援助・間接援動という観点から分析するのは,行為動詞としての'help'の把え方から拡大されたものと思われ,その根底には'help'か援助を受ける行為者とその行為という二重の目的語を取り得る意味を一方で内包している事を前提としている事が考えられる。この場合,知覚動詞に見られるような,英語に古くから存在した統語構造に引かれて,原形を取る事は当然の成り行きであろうし,またこの構造の意味からも,被援助者(受益者)の行為に'help'が直接かかわる事は理にかなっている。他方,状態動詞としての'help'の補文構造は比論表現の無生主語と表層上は同じであり,'help'が受益者に働きかけて,その到達点として受益者の行為を誘発するという意味か,使役動詞型の構文(原形を誘発)や'enable'型の構文('to'を誘発)に引きつけられる一面を反映していると考えるのも一理ある。更に17世紀のみに用いられたthat節補文は,「論理主語(目的格)+述語(to不定詞)」(nexus関係)に引きつがれているとする可能性も残している。このような背景の中で'help'の不定詞補文を考察すれば,原形は意味論的には直接行為に関する型,知覚動詞型及び使役動詞型に,'to'付きは'enable'型,'nexus'関係型及び副詞的機能型に還元できる。米語に於ける原形の多用について注目すべ点は,'help'が行為者主語を取る場合や道具格主語を取る場合の構文的特性の他に,'help'よりも補文の方に意味の重心か移行し,主動詞'help'が主語に対する話者の心理的態度を述べるのみの,他動詞'know'かmodal anx,'can'へと変質して行った過程に類似した特徴を現わし始めている。Quirk et alの'A Comprehensive Grammar of English Languge'には主動詞と助動詞の中間的機能を持つ動詞が段階的に例示されているが,その中にはこの'help'は含まれていない。しかし,その中に含まれる最も助動詞傾向の少ない'hope','begin'よりも,米語に於ける「'help'+原形」の多用はその助動詞化傾向を強く示していると考えられる。