著者
西村 裕之 濱川 真治 清水 誠一郎 加藤 香
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.11, pp.741-745, 2005-11-01
参考文献数
1

As a new agent that permits dewaxing without using xylene or xylene substitutes, we prepared a detergent including cleaning substance that we deem effective and tried it for dewaxing after heated. Paraffin dissolution-removal effect was not exactly adequate, compared with xylene, but we were able to obtain staining results almost comparable to those dewaxed with xylene for Hematoxylin-Eosin stain (H & E) and various special stains as well. Like ordinary commercial detergents, this agent is legally allowed to be drained into sewer system. We expect that this agent can contribute to improving work environment by minimizing use of xylene and alcohol in laboratories.
著者
和田 祥枝 北詰 浩一 鈴木 隆之 藤田 彰 清水 誠一郎
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.284-289, 2013-03-30
参考文献数
15

65歳男性。健康診断で白血球増多を指摘されて受診,白血球,LDH, sIL-2Rの軽度上昇を認めた。画像検索では明らかな所見なく,骨髄検査では核小体不明瞭な小型の異型リンパ球を多数認め,T細胞系の表面マーカー陽性,染色体検査は正常核型であった。以上よりT細胞前リンパ球性白血病(T-PLL) small cell variantと診断,経過観察となった。白血球増多を指摘されてから約34か月後,頸部リンパ節の急激な増大と,白血球,LDH, sIL-2Rの急速な上昇を認め,入院となった。骨髄穿刺および頸部リンパ節生検では,これまで検出できなかったinv(14)(q11;q32)を含む複雑な染色体異常を示し,画像上全身のリンパ節腫大と肝脾腫を認めた。入院4日目に脾臓破裂を合併し,経カテーテル動脈塞栓療法を行うも救命できなかった。本症例は,緩慢な経過ののち急激な悪化時にT-PLLに特徴的とされる染色体異常を認めた。またT-PLLの剖検症例は貴重と考えられ報告する。
著者
清水 誠一 福田 三郎 有田 道典 先本 秀人 江藤 高陽 高橋 信 西田 俊博
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.2090-2095, 2010 (Released:2011-02-25)
参考文献数
12

腎癌術後に肝転移再発と鑑別困難であった,肝副葉の1例を経験した.症例は59歳,男性.平成16年,右腎癌に対して手術施行されたが,術前のComputed tomography(CT)では肝腫瘤は認めていなかった.腎癌術後6カ月のCTで肝左葉に1cm大の腫瘤を認め,その後増大傾向を認めた.Dynamic CTでも造影効果を認めたため,転移性肝腫瘍を疑った.手術を施行したところ,肝外側区域から被膜を介して肝外に伸びる母指頭大の腫瘤を認め,切除した.摘出標本では,被膜内に門脈,動脈,胆管を認め,腫瘤は正常肝組織であり肝副葉と診断された.肝副葉は手術時などに偶然発見されることが多いが,本症例は術前に転移性肝腫瘍と鑑別困難な症例であったため,文献的考察を加えて報告した.
著者
清川 貴志 山口 浩和 照屋 正則 清水 誠一郎 上西 紀夫
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.1191-1196, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
19

症例は43歳女性.検診で高血圧,貧血を指摘され近医受診しCTでトライツ靭帯の背側に約6cm大の腫瘤を認めた.小腸Gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断され,手術目的に当院紹介となった.しかし問診で労作性の動悸が判明し,高血圧も認めたため内分泌的精査を行ったところノルアドレナリン高値を認めた.またMetaiodobenzylguanidine(MIBG)シンチグラフィーで腫瘍に高濃度集積を認めたため,後腹膜原発paragangliomaと診断し手術を施行した.当症例は画像上ではGISTとの鑑別が困難であったが,術前の問診と内分泌精査により的確に診断することができた.致死的な合併症の可能性を考えると大動脈周囲後腹膜の腫瘍は常にparagangliomaの可能性を考慮すべきと考えられた.
著者
津田 栄 勝又 保雄 山下 元 清水 誠一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.570-584, 1994-06-15
被引用文献数
30

ソシオメトリーは, モレノ[1]の提唱した集団成員の関連構造の測定法で, 成員相互の好き嫌いの程度から解析されるが, その構造を明確に表すことは, 仲々困難である.筆者等は, ファジィグラフを応用することにより, 新しいソシオメトリー分析法を考案した.本方法は, 幾つかの質問から得られる応答データから成員の関連状態を測定し, ファジィグラフを構成し, 解析するものである.ファジィグラフのクラスター分析, 近似構造分析などを適用することにより, 近似的なソシオグラムが構成でき, 集団構造の特徴をかなり明確に抽出することができる.本稿では, ファジィグラフを応用したソシオグラムの構成法, 分析法を論ずると共に, 学校教育に関する適用事例を通じて, その効用を述べる.
著者
神保 りか 吉岡 篤史 高橋 有香 小野 圭一 足立 洋祐 小島 茂 武田 雄一 野内 俊彦 清水 誠一郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.102, no.8, pp.1051-1054, 2005 (Released:2005-08-05)
参考文献数
10

最近12カ月間にトラニラストが原因と考えられた重症肝障害の5症例を経験した.トラニラスト内服開始後,平均34日目に黄疸を認めて入院となり,内服中止後平均37日で肝機能の正常化を認めた.薬物リンパ球刺激試験は3例に施行したがいずれも陰性で,薬物性肝障害の診断には国際コンセンサス会議の診断基準が有用であった.トラニラストによる肝障害はまれではなく,内服中は定期的に肝機能を検査する必要がある.