著者
流郷 昌裕 今川 弘 高野 信二 塩崎 隆博 渡部 祐司 河内 寛治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.424-427, 2007-02-25 (Released:2008-08-08)
参考文献数
13
被引用文献数
1

症例は73歳, 男性. 急性胆嚢炎および血小板減少にて当院に紹介入院となった. 血小板減少について精査の結果, 特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) と診断され, 副腎皮質ステロイドやγ-グロブリンの投与, H.pyloriの除菌を行うも効果は少なかった. また入院後より労作時胸痛を認め, 心筋シンチにて中隔領域に虚血所見を認めたため, 冠動脈造影を行ったところ3枝病変を指摘された. この症例に対し, 術中血小板輸血を併用し, 心拍動下冠動脈バイパス術 (OPCAB), 胆嚢摘出術および脾臓摘出術を一期的に施行した. 術後, 出血合併症なく経過良好にて, 術後29日目に転院した. ITP, 胆嚢炎を合併した虚血性心疾患に対して一期的に手術を施行した症例はわれわれの調べ得た限りでは本邦初と思われるので, 若干の文献的考察を加え報告する.
著者
田中 亮裕 渡邉 真一 中野 夏代 宮本 仁志 中西 和雄 流郷 昌裕 伊東 亮治 田内 久道 守口 淑秀 池川 嘉郎 末丸 克矢 長谷川 均 高田 清式 相引 眞幸 安川 正貴 荒木 博陽
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.232-239, 2010 (Released:2012-03-09)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

This study was undertaken in order to evaluate the effectiveness of interventions by the Department of Infection Control and Prevention in promoting the proper use of antibiotic drugs for methicillin resistant Staphylococcus aureus (MRSA) prescribed to inpatients.We performed 3 interventions : 1.Protocol improvement for anti-MRSA drug use ; 2.Change in alcohol-based handrub and training in hand hygiene and 3.Devised reporting system for drug use.The effects of the interventions were determined by segmented regression analysis of interrupted time series for drug usage and cost before and after the interventions were commenced.The change in slope of drug use was -1.05 vials/1000 inpatients per month (95% Confidence interval (C.I.) -2.84,0.74)and the change in level was -8.21 vials/1000 inpatients (95% C.I.-14.67,-1.75).There was a significant decrease in the ratio of the patients receiving anti-MRSA drugs to MRSA incidence between before and after the interventions.These results suggested that usage of anti-MRSA drugs was immediately reduced by the interventions to promote the proper use of drugs.An ordinary estimate of reduction in costs was ¥29 million per year while a more conservative estimate produced a decrease of ¥20 million per year.These findings suggest that monitoring antimicrobial use and promoting the proper use of antibiotics for MRSA are important roles for pharmacists to perform.
著者
中田 達広 河内 寛治 流郷 昌裕
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

【背景】大脳領域では虚血再灌流後に、虚血部位に活性化microglia/macrophageが集積する事が知られている。今回我々は、脊髄虚血再灌流障害発症後のこれらの細胞の役割について検討した。【方法】雄Witar ratを、下行大動脈を13分遮断再灌流して虚血再灌流対麻痺モデルを作成し、下肢運動の神経学的評価を軽症、中等症、重症に分けて検討した。脊髄組織の頸髄、腰髄を採取し、免疫蛍光染色、real-time RT-PCRにて検討した。さらに、GFPラット骨髄移植ラットを用い、上記実験を施行した。【結果】GFP骨髄移植ラット実験において、虚血再灌流後の亜急性期の主体免疫細胞がresident microglia(RMG)ではなく、bone marrow-derived macrophage (BMDM)であることが示された。再灌流2日後、重症群ではBBBの破綻が著明であった。再灌流7日後、Sham群は、全部位RMGのみが観察された。軽症群では、RMGとBMDMが混在するように観察された。中等症群下部脊髄では、ほとんどのIbal^+細胞は、樹状活性化BMDMであった。一部の細胞はsynaptic strippingが観察された。重症群では、中等症群に比べ、大量のアメーバ状BMDMが集積していた。虚血再灌流7日後の抗TNFα, IL-1β, iNOS, CD68, IGF-1抗体等を用いた二重蛍光免疫染色により、これらの炎症性サイトカイン、iNOSは中等症群以下ではBMDMにほとんど発現しなかった。それに対し、重症群でほぼ全BMDMがこれらを発現していた。中等症樹状BMDMの一部にIGF-1の発現を認め、重症群では全アメーバ状BMDMでこの発現を認めた。real time RT-PCRでは、重症群はPCNAのmRNAの上昇を認め、活発に増殖していることが示された。【考察】脊髄虚血病理像は、不全麻痺症例では重症度とともに樹状BMDM浸潤数が増え活性化する。完全麻痺例では、BBBの破綻とともにアメーバ状BMDMの浸潤が大量に生じ、両者の病理像は大きく異なる。不全麻痺症例では、樹状BMDMによる神経細胞保護の動きが見られる。重症例ではアメーバ状BMDMは貪食と共に、神経再生に関与している可能性がある。