著者
藤田 直希 鍋谷 伸子 梅村 紀匡 菊池 千草 鈴木 匡
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
pp.15-00277, (Released:2016-06-28)
参考文献数
7
被引用文献数
1

In this study, we took continuous measurements of hemoglobin A1c (HbA1c) levels and conducted lifestyle checks in three cases to determine if these parameters were effective in improving overall wellness. We selected three young men with relatively high HbA1c levels. During the 12-weeks study periods, we regularly measured each participant's HbA1c levels and monitored their lifestyle habits every two weeks at the community pharmacy once every 2 weeks using specific guidelines. The first participant, a 23-year-old man, had a HbA1c level of 5.7% at his first measurement. His HbA1c level decreased to 5.2% at the last measurement. The second participant, a 19-year-old man, had an initial HbA1c level of 5.7% and a final HbA1c level of 5.4%. The third participant was a 22-year-old man with an initial HbA1c level of 5.4%. His HbA1c level had decreased to 5.1% by the last measurement. The lifestyles of all three men improved with respect to exercise and diet. Based on these results, we surmise that continuous measurements of HbA1c and regular lifestyle checks may contribute to reducing the risk of lifestyle-related disease.
著者
大石 如香 丹治 和世 斎藤 尚宏 鈴木 匡子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.370-378, 2015-09-30 (Released:2017-01-03)
参考文献数
17

左頭頂葉梗塞によって生じた非流暢な伝導失語例の発話の特徴について検討した。症例は 81 歳右利き男性, 発話障害と右手指脱力で発症した。接近行為を伴った頻発する音韻性錯語や重度の復唱障害といった伝導失語でみられる特徴的な症状を認めた一方で, 発話速度の低下やプロソディ異常といった伝導失語では通常認められない非流暢性発話を呈した。発話に現れる音の誤り方について分析を行ったところ, 課題によらず音の歪みがみられること, 音韻性錯語の出現率に呼称と復唱で差がないこと, 子音の誤りは置換が多く, 転置が少ないことが明らかとなり, 中心前回損傷でみられる発話特徴に近似していた。病巣は左縁上回から中心後回の皮質下に及んでおり, 中心後回と中心前回は密な機能連合があることから, 中心後回の皮質下の損傷が本例の非流暢な発話に関連していることが示唆された。
著者
小嶋 雅代 酒々井 眞澄 鈴木 匡 坡下 真大 早野 順一郎 村上 里奈 山本 美由紀 浅井 清文 浅井 大策 石川 大貴 木村 侑樹 明石 惠子 赤津 裕康 大原 弘隆 川出 義浩 木村 和哲
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.221-235, 2019

<p>背景 : 医療系学生による高齢者家庭訪問実習の初年度の教育効果の検証.</p><p>方法 : 実習に参加した医学部3年生5名, 高齢者5名によるフォーカスグループインタビューを基に自記式調査用紙を作成し, 医学部3年生, 高齢者の全参加者に調査協力を依頼した.</p><p>結果 : 学生84人と高齢者30人が協力に同意した. 学生の74%が「高齢者の暮らしぶりが分かった」と回答し, 高齢者の57%が「良い変化があった」と回答した. 93%の高齢者が本実習に満足だったのに対し, 学生の肯定的な意見は半数であった.</p><p>考察 : 学生が本実習に積極的に取り組むためには, 各自が明確な訪問への目的意識を持てるよう, 入念な事前準備の必要性が示された.</p>

2 0 0 0 OA 失認症

著者
鈴木 匡子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.216-221, 2009-06-30 (Released:2010-07-01)
参考文献数
10

患者の症状をみる臨床の技の基本は,観察から発症機序に関する仮説を立て,それをさらなる観察により検証していくということである。それに加えて,神経機能画像や神経生理学的検査の所見を得て,神経科学的知見を統合することにより,ヒトの高次脳機能の神経基盤について洞察を深めることができる。失認症の場合も系統的な診察を進めることにより,的確な診断に至ることができる。失認症は「1 つの感覚様式を通してのみ対象が認知できない」ことであり,他の感覚様式を使えば対象を容易に認知できる。この定義に基づいて失認症であることの確認をし,次に失認症の特徴を検討する。類似の症候の鑑別をするためには,常に障害の質的な面に注意を払い,一人一人の患者において障害の本質を見極める努力をすることが重要である。
著者
鈴木 匡子
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2+3, pp.83-89, 2009 (Released:2009-03-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

大脳の機能を知るためには,高次脳機能の系統的な診察が欠かせない.高次脳機能は背景症状と局所症状に分けて考えると理解しやすい.背景症状として,全般性注意障害,見当識障害,情動変化など全体像をとらえたうえで,個々の局所症状の診察に入る.局所症状としては,言語,計算,行為など主に左半球が司っている機能と,視空間機能,方向性注意など主に右半球が司っている機能について検討する.記憶は両半球が関わるが,障害側や部位により質的特徴がことなる.高次脳機能障害を的確に把握することは,大脳の機能低下の範囲や経時的変化を知るのに役立つ.さらに,ヒトでしか検討できない言語など複雑な機能の神経基盤を探る手がかりになる.
著者
鈴木 匡子
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.33-37, 2018 (Released:2018-06-26)
参考文献数
14

【要旨】視覚情報は側頭葉に向かう腹側経路と頭頂葉に向かう背側経路で処理される。腹側経路は形態・色・質感などから対象を認知する際に働き,背側路は視覚情報を行為へ結びつける際に働く。両者はばらばらに機能しているわけではなく,相互に連携しながら働いているものの,その一部が損傷された場合には部位毎に特徴的な症状が出現する。腹側路の損傷では,形態,色,質感が独立して障害される場合があり,それぞれを処理する神経基盤は異なっている。背側路の損傷では,対象を見つけ,到達し、操作する各過程に障害が生じうる。代表的な症状としては,視覚性注意障害,道具の使用障害などがあり,視覚情報を行為に結びつける動的な過程の変容として捉えられる。このように,脳損傷患者の症状の観察から,視覚情報を意味や行為に結びつける過程を垣間見ることができるとともに,個々人における障害の本質を知って適切な対応につなげることができる。
著者
鈴木 理珠 鈴木 匡 菊池 千草
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.7, pp.1047-1054, 2019-07-01 (Released:2019-07-01)
参考文献数
13

In 2015, Japan's Ministry of Health, Labour and Welfare released a report on the need for pharmacies to support public health, although the details of such a service was left to each pharmacy. Consequently, pharmacists had to determine the nature of such services. We considered the services that pharmacists could offer to improve people's lifestyles. This study tests such a service at a pharmacy. We prepared a lifestyle self-review test. From September 2015 to February 2016, pharmacists interviewed members of the community using the test, and pharmacists at 50 pharmacies in Aichi prefecture, Japan, set goals for lifestyle improvement. We analyzed 289 tests. The number of people who had a dietary goal concerning snacking was reduced from 19 people who snacked every day to 11. The number of people who had a goal to reduce their drinking was reduced from 7 people who drank every day to 4. The number of people who had an exercise goal was reduced from 17 people who did not exercise every day to 7. The people who had a sleep goal increased the number of days in which they got adequate rest. Those who had specific, tangible goals for walking achieved their goal at a higher rate than did those who had a goal but no tangible elements, such as time spent or number of steps achieved. Overall, the lifestyle self-review at the pharmacy was effective for lifestyle improvement. Pharmacists should help people set goals with tangible elements to improve their lifestyle more effectively.
著者
赤津 裕康 土井 愛美 正木 克由規 田中 創始 兼松 孝好 小嶋 雅代 明石 惠子 岩田 彰 鈴木 匡 木村 和哲 浅井 清文 間辺 利江 大原 隆弘 竹尾 淳 川出 義浩 木村 雄子 近藤 麻央 伊藤 禎芳 長野 弘季 野崎 耀志郎
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日老医誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.358-366, 2018
被引用文献数
1

<p><b>目的:</b>今後の超高齢社会を乗り切っていく重要な1つの方策は意識改革である.その要になるのはヘルスケア・メディケーションを行いつつ自らの最終ゴールを見つめる,即ちアドバンスケアプランニング(Advance care planning:以下ACPと略す)と事前指示(Advance directive:以下Adと略す)を行うことである.また,パーソナルヘルスレコード(Personal Health Record:以下PHRと略す)の匿名開示,病理解剖はあまり言及されていない.しかし,死後のことも事前に考え,意向を聞いておく環境整備も必要である.この死後対応を含めたAd/ACPの啓発・浸透が国民の意識改革にもなっていく.本研究は地域住民の意識をアンケート形式で把握し,講演(啓発活動)での変容を捉えることを目的とした.<b>方法:</b>高齢化の進む大都市旧ニュータウン住民へAd/ACP啓発講演を行い,その前後での意識調査を行った.意識調査はアンケートでの自記式4択を主体に末期認知症になった状況を主に想定した6大項目,38問を設けた.<b>結果:</b>参加者は35名(男7名,女22名)で40歳代~80代以上で70歳代が25名であった.途中退出者が数名発生したため,前後変容に関しては,統計的解析は不可能であったが意識変容の傾向は得られた.特に死後の対応(献体)に関しては有意差をもった意識変化を認めた.また蘇生・延命の希望者数と救急搬送希望者数に乖離を認めた.<b>結論:</b>医療行為への希望・不安はその情報量に加え,置かれた状況でも変容する.今回の意識調査で,死後の社会貢献意識に講演前後で変化が観られた.また蘇生・延命と救急搬送は別物と捉える地域住民が多い点も明らかとなった.今後のAd/ACPの普及,意識改革では,この点を念頭においた地道な活動と医療・介護者,地域の方々,家族,本人との連携が必要である.</p>
著者
鈴木 匡子
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.930-933, 2011 (Released:2012-01-24)
参考文献数
7

非典型認知症では健忘以外の高次脳機能障害が前景に立つが,それらに対し臨床的にどうアプローチしていくかは未だ手探りの状態である.変性性認知症でみられる"行為"の障害も,対象の受容の段階から最終的な出力の手前まで多くの段階での機能異常が原因となりうる.詳細な検討から後部皮質萎縮症では視覚性注意障害が,進行性核上性麻痺では対象のある意図的な運動の制御の障害が"行為"に影響していると考えられ,それぞれ視覚背側路,補足運動野の関与が示唆された.神経心理学的検索と神経放射線学的検討を統合することにより症状の背後にある機能異常とその神経基盤を明らかにし,各認知症の病態やその進展の特徴を知ることが重要である.
著者
藤田 直希 鍋谷 伸子 梅村 紀匡 菊池 千草 鈴木 匡
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.10, pp.1445-1448, 2016 (Released:2016-10-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

In this study, we took continuous measurements of hemoglobin A1c (HbA1c) levels and conducted lifestyle checks in three cases to determine if these parameters were effective in improving overall wellness. We selected three young men with relatively high HbA1c levels. During the 12-weeks study periods, we regularly measured each participant's HbA1c levels and monitored their lifestyle habits every two weeks at the community pharmacy once every 2 weeks using specific guidelines. The first participant, a 23-year-old man, had a HbA1c level of 5.7% at his first measurement. His HbA1c level decreased to 5.2% at the last measurement. The second participant, a 19-year-old man, had an initial HbA1c level of 5.7% and a final HbA1c level of 5.4%. The third participant was a 22-year-old man with an initial HbA1c level of 5.4%. His HbA1c level had decreased to 5.1% by the last measurement. The lifestyles of all three men improved with respect to exercise and diet. Based on these results, we surmise that continuous measurements of HbA1c and regular lifestyle checks may contribute to reducing the risk of lifestyle-related disease.
著者
鈴木 匡
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.548-552, 2014 (Released:2016-07-02)
参考文献数
3

6年制薬学教育を卒業した学生達が社会で活躍を始めている.社会が薬剤師に求めるニーズも大きく変化し,臨床現場で積極的にチーム医療や地域医療に参画できる能力が求められ,その能力習得のための薬剤師研修を大学が積極的にプロデュースする必要性が高まっている.特に,6年制薬学部で実施されている実習・演習を主体とした問題解決型学習(problem based learning:PBL)を現場の薬剤師に活用した研修が注目されている.チーム医療参画への実践的能力取得を目的として,薬学部が医療系学部と連携して行っている新しい薬剤師生涯研鑽の試みについて報告する.