著者
谷口 義明 唐牛 宏 有本 信雄 岡村 定矩 太田 耕司 土居 守 海部 宣男 唐牛 宏 有本 信雄 岡村 定矩 太田 耕司 土居 守 宮崎 聡 小宮山 裕 村山 卓
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

ハッブル宇宙望遠鏡の基幹プログラムである「宇宙進化サーベイ(COSMOSプロジェクト)」を遂行した。国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡のデータとあわせて、宇宙の暗黒物質の空間分布を世界で初めて明らかにした。これにより、暗黒物質に導かれた銀河形成論のパラダイムが正しいことを立証した。また、COSMOS天域で検出された約100万個の銀河の測光データに基づき、銀河、巨大ブラックホール、及び宇宙大規模構造の進化の研究に大きな貢献を果たした。
著者
池内 了 杉山 直 海部 宣男 土居 守 福島 登志夫 長谷川 哲夫
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

アジア・太平洋地域(オセアニア、南北アメリカも含む)における天文学研究は、多くの先進的観測装置を有する国から観測装置が未整備な国まで、さまざまな研究環境条件にある。そこで、国際天文学連合(IAU)が主催して、これらの諸国の天文学研究者が一堂に集まり、最前線の研究成果を交流しつつ、若手研究者の育成、共同研究の推進と相互援助、天文学普及のための活動、などについて情報交換を行う「IAUアジア・太平洋地区会議(略称APRM)」を開催してきた。本研究課題は、2002年7月2日から5日まで東京の一橋記念講堂で開催された、第8回APRMの準備費用・会議運営経費・報告集発行経費を賄うことによって会議の成功に寄与したものである。会議には、総計462人が参加し、うち148人は23カ国からの外国人研究者であった。会議は、全体会議行われた(1)大型観測装置、(2)大規模サーベイ、(3)太陽系外惑星、(4)天文学教育の4つのセッションと、(5)星・惑星系形成、(6)星・太陽活動、(7)高エネルギー天文学、(8)活動的銀河核、(9)重カレンズ、(10)系外銀河・宇宙論の6つのセッションが分科会で行われ、約30の招待講演、約100の口頭発表、約320のポスター発表があった。加えて、(11)情報交換のためのネットワーク形成と研究雑誌の発行、(12)今後の地域集会の予定、の2つのビジネス・セッションを持ち、アジア・太平洋地域における天文学研究のよりいっそうの発展のための討論を行った。会議の報告集として、全体会議については太平洋天文学会(ASP)の国際会議録シリーズ、分科会およびポスター論文は日本天文学会(ASJ)の国際会議録として出版した。なお、最終日の翌日の6日には4つのサテライト集会が持たれ、これにも多数の研究者が参加した。
著者
家 正則 海部 宣男 小平 桂一
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.269-276, 1992-04-05
被引用文献数
5 5

国立天文台は平成3年から8年計画でハワイ島マウナケア山頂に口径8 mの光学赤外線望遠鏡 (JNLT, 愛称「すばる」) の建設を開始した. この望遠鏡 (図1) は, 集光力・解像力・観測波長帯域などにおいて既存の望遠鏡をはるかに凌ぐ性能を持ち, 観測天文学に新しい時代を拓くことを目指して建設される. 具体的には波長0.3〜30 μmの可視光・赤外線で, 宇宙の果てのクェーサーや銀河を観測し宇宙の構造と進化を解明すること, 銀河内での星形成領域の観測から星や惑星系の誕生の過程を解明すること, などを目的としている. 本計画の概要と天体物理学に与えるインパクトについて展望する.
著者
海部 宣男
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.245-251, 1999-04-05
被引用文献数
1

国立天文台がハワイ島のマウナケア山頂に建設を進めてきた口径8.2m光学赤外線望遠鏡「すばる」が, ファーストライトを迎えた. 1991年の建設開始から約8年である. 総合調整・試験観測に今後一年余をかけ, 2000年度には共同利用を開始する. 本稿は編集部のご要望に応じ, 1月29日(ハワイ時間1月28日)に発表したファーストライトの結果を中心に, 試験観測のスタートラインに立ったすばる望遠鏡の現状と展望を速報的にご報告するものである.