著者
片桐 由希子 川戸口 雄太 清水 哲夫
出版者
首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.9, pp.15-23, 2016-01-31

鉄道ファンは,趣味を通じて長い距離を移動し,一般に観光地として認知度が高くない地域にも足を運ぶなど,地方の観光振興に関わる場で活動する機会が多いと考えられるが,その行動が観光に及ぼす影響については明らかにされていない。本研究ではサークル活動として鉄道研究会に所属する大学生を対象としたアンケートを実施し,鉄道ファンの旅行・観光の消費動向や鉄道目的とする旅行での観光行動を把握,鉄道ファンとしての興味分野や活動との関連性を分析した。鉄道ファンは一般と比較して,旅行回数が多いが1回あたりの旅行の消費額は変わらないこと,「乗り鉄」「撮り鉄」「複合型」のそれぞれの時間的な制約と選択される観光行動の傾向を明らかにした。
著者
片桐 由希子 川戸口 雄太 清水 哲夫
出版者
首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 = The international journal of tourism science (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.9, pp.15-23, 2016-03

鉄道ファンは,趣味を通じて長い距離を移動し,一般に観光地として認知度が高くない地域にも足を運ぶなど,地方の観光振興に関わる場で活動する機会が多いと考えられるが,その行動が観光に及ぼす影響については明らかにされていない。本研究ではサークル活動として鉄道研究会に所属する大学生を対象としたアンケートを実施し,鉄道ファンの旅行・観光の消費動向や鉄道目的とする旅行での観光行動を把握,鉄道ファンとしての興味分野や活動との関連性を分析した。鉄道ファンは一般と比較して,旅行回数が多いが1回あたりの旅行の消費額は変わらないこと,「乗り鉄」「撮り鉄」「複合型」のそれぞれの時間的な制約と選択される観光行動の傾向を明らかにした。
著者
清水 哲夫
出版者
首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究
巻号頁・発行日
no.7, pp.29-35, 2014-03-20

本研究は,東京,高松,ウィーンを対象に,自動車および自転車の外部費用を比較している。外部費用として,走行時空間機会費用,駐車時空間機会費用,道路建設費用,道理維持管理費用,駐車場建設・維持管理費用,交通事故費用,大気汚染費用,地球温暖化費用,放置自転車対策費用を考慮した。費用の単位については1 人当たり・1 日当たりとした。分析の結果,どの都市においても自動車の外部費用は自転車のそれの5倍程度であること,東京では空間機会費用,高松では交通事故費用の割合が高いこと,自転車の外部費用は利用者の行動によって大きく削減できる余地があることが明らかとなった。
著者
下田 雅己 清水 哲夫
出版者
首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.6, pp.157-165, 2013-03

韓国の首都ソウルでは2004 年から公共交通の共通運賃制度が導入され,2007 年にはソウル近郊の都市圏である京畿エリア全体に拡大された。これは,鉄道・地下鉄とバスについて運営事業者はそれぞれの企業体のままで,距離制による共通運賃を実現するものであった。交通機関ごとの乗降ではなく,起点から終点までの移動をワントリップととらえるもので,利用者にとっての利便性は極めて高いものである。従来,初乗り運賃をそれぞれに徴収してきた事業者にとっては減収になるが,その部分は自治体の財政によって補填を行うものである。ソウル都市圏において,この制度を導入した背景には,バス及び自動車の交通機関別分担率が高い構造の中で,民間バス会社間の過当競争やサービスの悪化,渋滞や大気汚染,交通事故などの問題を解決するという切実な必要性があったからで,バスの改革に鉄道網も組み込んだという流れであった。これを支えるハード・ソフト両面の技術的側面も機能した。東京圏においても,仮にこの仕組みを導入すれば利用者の利便は向上するであろう。しかし,東京圏では鉄道の交通機関別分担率が高く,しかも鉄道事業者が数多く存在している現状があり,新たな財政支出の可能性を含めて,簡単には同様な仕組みを導入することはできない。しかし,インバウンド観光の推進をはじめ,少子・高齢化社会への対応,環境問題などの観点から,公共交通の役割を高めるために,ソウル都市圏での実践と経験から学ぶべきことがあるのではないか。
著者
下田 雅己 清水 哲夫
出版者
首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.6, pp.157-165, 2013-03-30

韓国の首都ソウルでは2004 年から公共交通の共通運賃制度が導入され,2007 年にはソウル近郊の都市圏である京畿エリア全体に拡大された。これは,鉄道・地下鉄とバスについて運営事業者はそれぞれの企業体のままで,距離制による共通運賃を実現するものであった。交通機関ごとの乗降ではなく,起点から終点までの移動をワントリップととらえるもので,利用者にとっての利便性は極めて高いものである。従来,初乗り運賃をそれぞれに徴収してきた事業者にとっては減収になるが,その部分は自治体の財政によって補填を行うものである。ソウル都市圏において,この制度を導入した背景には,バス及び自動車の交通機関別分担率が高い構造の中で,民間バス会社間の過当競争やサービスの悪化,渋滞や大気汚染,交通事故などの問題を解決するという切実な必要性があったからで,バスの改革に鉄道網も組み込んだという流れであった。これを支えるハード・ソフト両面の技術的側面も機能した。東京圏においても,仮にこの仕組みを導入すれば利用者の利便は向上するであろう。しかし,東京圏では鉄道の交通機関別分担率が高く,しかも鉄道事業者が数多く存在している現状があり,新たな財政支出の可能性を含めて,簡単には同様な仕組みを導入することはできない。しかし,インバウンド観光の推進をはじめ,少子・高齢化社会への対応,環境問題などの観点から,公共交通の役割を高めるために,ソウル都市圏での実践と経験から学ぶべきことがあるのではないか。
著者
清水 哲夫
出版者
首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.5, pp.45-57, 2012-03

本稿は,イタリアのインフラ整備と管理の計画と制度に着目し,これらの現状と課題を解説し,日本の交通政策に対して示唆を与えることを目的とする。イタリアの地理的条件や社会経済・政治情勢,あるいは交通流動の概況を整理した上で,①イタリアの交通インフラ整備計画の内容とその実現プロセス,②イタリアの道路管理制度,③イタリアの鉄道事業経営と許認可の制度,について,日本との差異や共通点に触れながら解説している。イタリアは20世紀末から地方分権と民間開放を通じて国が管理していた交通インフラサービスを地方自治体や民間会社に移譲してきた点が特徴であり,その成果や問題点について,インタビュー調査,各種文献調査,実際のインフラ利用体験をベースに論じている。
著者
清水 哲夫 川原 晋 片桐 由希子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.782-787, 2017

本研究は,高尾山地区の観光地マネジメント構想をサポートする駐車場マネジメントシステムの提案に向けて,事前予約制駐車場を配備した場合の駐車料金に対する支払意思額の特性を,来訪者への意識調査から詳細に分析した.自動車来訪者には,当日利用した駐車場をベースに,それが事前予約制になったり遠隔地になったりする場合に支払ってもよい予約料を,公共交通来訪者には,駐車料金を仮想的に与え,それが事前に予約できる場合に支払ってもよい予約料をそれぞれ尋ねた.分析の結果,平均的には駐車料金の半額相当が予約料として支払意思があると認められ,予約料に対する支払意思が高い層として, リピーター,子供連れ,駐車場確保の確実性を重視する層などを抽出した.
著者
森地 茂 清水 哲夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.13, pp.915-922, 1996
被引用文献数
1

現在, 都市高速道路では渋滞緩和対策の1つとして流入制御が行われているが, 一般街路への負荷が大きいこと, 事故発生時及び渋滞発生時のような非定常な交通状態に対処できない等の問題を抱えている。本研究は, ランプの待ちスペースに車両を滞留させながらリアルタイムに車両を流入させる手法の開発可能性を検討することが目的である。その際制御オプションの1つとしてピークロードプライシングを導入するが, これにより流入禁止時間を減らす工夫を試みる。このような制御には, 急速な求解が可能な最適化アルゴリズムが必要であるが, 本研究では遺伝的アルゴリズム (GA) の適用により, この問題の解決を試みる。