- 著者
-
辻 裕丈
近藤 直英
山本 亜紀子
藤田 嘉子
西田 卓
鈴木 淳一郎
米田 厚子
宮崎 みどり
清水 由美子
安田 武司
伊藤 泰広
- 出版者
- 一般社団法人 日本脳卒中学会
- 雑誌
- 脳卒中 (ISSN:09120726)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.5, pp.651-659, 2008 (Released:2008-10-30)
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
-
1
1
急性期の脳卒中患者のトリアージと,特にt-PA療法の適応のある脳梗塞患者のトリアージを目的にして,救急隊と脳卒中プレホスピタルスケール(TOPSPIN:TOYOTA prehospital stroke scale for t-PA intravenous therapy-経静脈的t-PA療法のためのトヨタ脳卒中プレホスピタルスケール-)を導入した.今回,このTOPSPINに連動し,特に超急性期t-PA療法に対する院内体制の迅速化,標準化を計るため,(1)救急外来で脳卒中の鑑別と,特に脳梗塞ではt-PA療法の適否決定のための諸検査を実施するパス(TOPSPIN path),(2)ICUでt-PA療法を遂行するパス(TOPSPEED:TOYOTA path for stroke with t-PA therapy after emergency evaluation and decision-緊急評価と決定後のt-PA療法のためのトヨタ脳卒中パス-),(3)ICU/SUで後療法を行うパス(TOPSTAR Jr.:TOYOTA path for stroke treatment, activity and rehabilitation judged by reexaminations-再評価で決定された治療,活動度,リハビリテーションのためのトヨタ脳卒中パス-)からなる,電子パス診療システム(3 TOP system)を構築した. 2007年4月1日の3 TOP system導入後,96例がTOPSPINで搬送され,11例でt-PAが投与された.TOPSPINと,これに連動した3 TOP systemは,t-PA療法の迅速・確実な診療に有効である.