著者
植田 雄一 牧野 裕子 西田 卓弘 落合 昂一郎 丸塚 浩助 盛口 清香 大友 直樹
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.155-159, 2022-06-01 (Released:2022-08-11)
参考文献数
8

42 歳の女性.HER2 陰性転移性乳癌に対する標準治療 が終了後,遺伝子パネル検査 FoundationOne®CDx を施行 した.ERBB2 遺伝子の増幅を認めた.また,生検検体 での HER2 IHC 法で 2+ であったため,FISH 法を施行し たところ陽性であった.抗 HER2 療法を開始したところ, 部分奏功を認めた.既存の HER2 テストでは抗 HER2 療 法の適応とならなかった症例でも,遺伝子パネル検査を 行うことで,抗 HER2 剤の適応となる症例を拾い上げる ことが可能であり,一部の乳癌患者の予後を大きく変え る可能性がある.
著者
辻 裕丈 近藤 直英 山本 亜紀子 藤田 嘉子 西田 卓 鈴木 淳一郎 米田 厚子 宮崎 みどり 清水 由美子 安田 武司 伊藤 泰広
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.651-659, 2008 (Released:2008-10-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

急性期の脳卒中患者のトリアージと,特にt-PA療法の適応のある脳梗塞患者のトリアージを目的にして,救急隊と脳卒中プレホスピタルスケール(TOPSPIN:TOYOTA prehospital stroke scale for t-PA intravenous therapy-経静脈的t-PA療法のためのトヨタ脳卒中プレホスピタルスケール-)を導入した.今回,このTOPSPINに連動し,特に超急性期t-PA療法に対する院内体制の迅速化,標準化を計るため,(1)救急外来で脳卒中の鑑別と,特に脳梗塞ではt-PA療法の適否決定のための諸検査を実施するパス(TOPSPIN path),(2)ICUでt-PA療法を遂行するパス(TOPSPEED:TOYOTA path for stroke with t-PA therapy after emergency evaluation and decision-緊急評価と決定後のt-PA療法のためのトヨタ脳卒中パス-),(3)ICU/SUで後療法を行うパス(TOPSTAR Jr.:TOYOTA path for stroke treatment, activity and rehabilitation judged by reexaminations-再評価で決定された治療,活動度,リハビリテーションのためのトヨタ脳卒中パス-)からなる,電子パス診療システム(3 TOP system)を構築した. 2007年4月1日の3 TOP system導入後,96例がTOPSPINで搬送され,11例でt-PAが投与された.TOPSPINと,これに連動した3 TOP systemは,t-PA療法の迅速・確実な診療に有効である.
著者
辻 裕丈 近藤 直英 西田 卓 鈴木 淳一郎 安田 武司 伊藤 泰広
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.643-650, 2008 (Released:2008-10-30)
参考文献数
22
被引用文献数
4 2

超急性期の経静脈的t-PA療法を中心とした脳卒中急性期診療を迅速かつ効率的に可能にするため,脳卒中プレホスピタルスケール(TOPSPIN:TOYOTA prehospital stroke scale for t-PA intravenous therapy-経静脈的t-PA療法のためのトヨタ脳卒中プレホスピタルスケール-)を豊田市救急隊との前方連携に導入した.TOPSPINは1.意識 2.心房細動 3.言語障害 4.上肢および5.下肢の片麻痺を評価する. 2006年12月12日から2007年11月6日までに155例がTOPSPINを用いて搬送され,脳卒中適中率は72%,脳梗塞56例(36%),TIA3例(2%),脳出血46例(30%)であった.うち14例(9%)でt-PA療法が施行された. また,当院に救急搬送された脳卒中患者218例のうち約半数がTOPSPINでトリアージされていた.約半数の,TOPSPINでトリアージされずに救急搬送された脳卒中症例は,(1)他の診療所や病院からの転送,(2)半日以上経過してからの救急隊要請による搬送,(3)TOPSPINを導入していない豊田市以外の救急隊からの搬送,(4)めまい・ふらつき・嘔吐や半盲といった症候を主とした症例であった. TOPSPINは, t-PA療法を念頭にした脳卒中患者のトリアージに有効であると考えられた.
著者
伊藤 泰広 今井 和憲 鈴木 淳一郎 西田 卓 加藤 隆士 安田 武司
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.275-278, 2011 (Released:2011-04-19)
参考文献数
20
被引用文献数
1

症例は29歳の男性である.左眼周囲の間欠的な頭痛で発症し,当初は自律神経症状がなく三叉神経痛と診断したが,6日後に流涙,結膜充血といった自律神経症状が出現し,結膜充血と流涙をともなう短時間持続性片側神経痛様頭痛発作(SUNCT)と診断した.ガバペンチンを開始し,800mg/日に増量したところ,頭痛発作と自律神経症状はすみやかに消退した.3カ月後に400mg/日に減量した時点で,僅かに頭痛発作が生じた.SUNCTでは頭痛が自律神経症状に先行して出現するばあいがあることが示唆された.SUNCTの長期経過や治療は未解決な点が多く,本邦での症例の蓄積と治療方針の確立が望まれる.