著者
早原 茂樹 芦原 評 清水 謙多郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.15-16, 1996-03-06

分散システムにおいて、複数のプロセスやプロセッサをメンバとして一括して制御、管理するグループ機構は、負荷分散やファイルレプリケーション等のシステムレベルのサービスから、分散データベース、グループウェア等のアプリケーションに至るまで、重要な用途を持つ。本論文では、グループは動的に変化し、グループの生成、消滅、メンバの加入、削除を繰り返すものとする。そのため、各メンバが、所属グループの最新のメンバシップを把握し、そのメンバシップを更新できる操作が必要となる。以下では、大規模広域分散システムへの適用を想定し、(1)大域的なロックやタイムスタンプを用いない、(2)メッセージの送受信順序の不一致に対応する、(3)特定の制御メンバを必要としない(完全分散型)、(4)更新操作は非封鎖型である、ことを特徴としたグループメンバシップ・プロトコルの方式を提案する。
著者
繁田 聡一 岡本 秀輔 清水 謙多郎 曽和 将容
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス
巻号頁・発行日
vol.98, no.230, pp.17-24, 1998-07-31
参考文献数
6

64ビットアーキテクチャの登場によって広大なアドレス空間が使用できるようになり、単一アドレス空間方式のオペレーティングシステムが研究されている。全てのプロセスが単一の仮想アドレス空間を共有するこの方式には、プロセス間でのデータ共有が効率良く実現できるという大きな利点がある。しかし、逆に、プロセス固有のデータを不正な参照から互いに保護するためには、単一の仮想アドレス空間上で保護領域の設定とアクセス制御を実現する必要がある。本稿では、キー/ロック方式を拡張した方式を、単一仮想アドレス空間上でのアクセス制御機構に適用する。
著者
宮田 忠明 正木 宏和 芦原評 清水謙多郎
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.77(1997-OS-076), pp.73-78, 1997-08-21

本論文では,分散メモリ型大規模並列システムにおける大域的ページ配置方針について論じる.各ノードの主記憶を仮想記憶の一時的な退避先として割り当てる大域的ページ配置方式は,従来の仮想記憶におけるディスクアクセスをより高速なノード間のメモリアクセスに置き換えることができる.限定されたノードにしかディスクを持たない大規模並列システムでは,大域的ページ配置は特に有効と考えられる.本論文では,状態情報の収集,置き換えページの選択,ページを転送するノードの選択などについて,大規模システムを想定した大域的ページ配置の様々な方針を提案し,これらの性能をシミュレーションを用いて比較・評価する.
著者
孫 建強 湯 敏 清水 謙多郎 門田 幸二
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.124-132, 2015-06-29 (Released:2016-07-29)
参考文献数
10

次世代シーケンサー(以下、NGS)データの解析は、大まかに①データ取得、②クオリティコントロール(以下、QC)、③アセンブルやマッピング、④数値解析の4 つのステップに分けられる。連載第4 回は、Bio-Linux にプレインストールされているFastQC(ver. 0.10.1)プログラムを用いたQC の実行および解釈の基本を述べる。また、FASTX-toolkit(ver. 0.0.14)で提供されているアダプター配列除去プログラムであるfastx_clipper の挙動を例に、Linux コマンドを駆使した動作確認の重要性を述べる。多様なインストール手段に対応すべく、apt-get, pip, cpan コマンドを利用したプログラムのインストール(FastQC ver.0.11.3、nkf ver. 2.1.3、cutadapt ver. 1.8.1、HTSeq ver. 0.6.1、FaQCs ver. 1.34)やパスなどの各種設定についても述べる。ウェブサイト(R で)塩基配列解析(URL: http://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_ seq.html)中に本連載をまとめた項目(URL: http://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_seq.html#about_ book_JSLAB)が存在する。ウェブ資料(以下、W)や関連ウェブサイトなどのリンク先を効率的に活用してほしい。
著者
芦原 評 清水 謙多郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.1379-1388, 1997-07-15
参考文献数
9

特定の故障箇所が存在しないにもかかわらずシステムの永久停止をもたらすデッドロックは計算機システムにおける重要な問題である.デッドロック検出問題は,排他的に使用可能な資源群とそれを要求するプロセス群からなる一般資源システムの状態グラフ還元問題としてモデル化されるが,使用すると消滅する消費資源を含むシステムでのデッドロック検出問題は一般にはNP完全であり,その重要性にもかかわらず注目されることが少なかった.本論文では,消費資源を含むシステムに一定の制限を加えることで,3つのクラスにおいて多項式時間内でのデッドロック検出が可能であることを示す.Deadlock detection in computer systems can be modeled as a graph reduction problem of general resource systems,which consist of processes,reusable resources and consumable resources.Deadlock detection in reusable resource systems is well known.If all resources in the system are released after use,the problem has polynomial-time solutions.However,the problem is NP-complete in general resource systems with consumable resources,units of which vanish after use.This paper provides three special cases of systmes with consumable resources for which polynomial-time deadlock detection algorithms exist.It is shown that those three factors,(1) consumable resources with non-trivial selections in the allocation of currently available units,(2) processes which request more than one unit and (3) resources which wait for more than one process,are all necessary for the problem to be NP-complete.
著者
大田 達郎 寺田 朋子 清水 謙多郎 門田 幸二
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.167-175, 2017-11-10 (Released:2018-12-15)
参考文献数
25

次世代シーケンサー(以下、NGS)データの解析手段は多様である。本連載ではこれまでキーボード入力をベースとしたコマンドライン環境での解析手段を中心に解説してきたが、マウス操作をベースとした GUI 環境での NGS 解析手段の需要も根強い。第 11 回は、GUI 環境でのデータ解析手段として特に海外で広く普及している Galaxy を解説する。Galaxy はウェブブラウザを起動して各種解析を行うため、位置づけとしてはウェブツールである。しかしながら、ワークフローやヒストリー管理といった独特の用語および GUI 画面(見栄え)ゆえ、慣れるまでが大変であることもまた事実である。本稿では、Galaxy の概要、公共サーバの基本的な利用法について述べる。ウェブサイト(R で)塩基配列解析(URL: http://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_seq.html)中に本連載をまとめた項目(URL: http://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_seq.html#about_book_JSLAB)が存在する。ウェブ資料(以下、W)や関連ウェブサイトなどを効率的に活用してほしい。
著者
込山 悠介 番野 雅城 鑓水 優行 加藤 文彦 大向 一輝 武田 英明 清水 謙多郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.356-363, 2014-07-01 (Released:2014-06-18)
参考文献数
12

Researchers of agriculture, life science and drug design of the need to acquire information that combines two or more life science databases for problem solving. Semantic Web technologies are already necessary for data integration between those databases. This study introduces a technique of utilizing RDF (Resource Description Framework) and OWL (Web Ontology Language) as a data set for development of a machine learning predictor of interactomics. Also, for SPARQL (SPARQL Protocol and RDF Query Language) we sketched the implementing method of interactomics LOD (Linked Open Data) in the graph database. Interactomics LOD has included the pairs of protein--protein interactions of tyrosine kinase, the pairs of amino acid residues of sugar (carbohydrate) binding proteins, and cross-reference information of the protein chain among an entry of major bioscience databases since 2013. Finally, we designed three RDF schema models and made access possible using AllegroGraph 4.11 and Virtuoso 7. The number of total triples was 1,824,859,745 in these databases. It could be combined with public LOD of the life science domain of 28,529,064,366 triples and was able to be searched. We showed that it was realistic to deal with large-scale LOD on a comparatively small budget by this research. The cost cut by LOD decreased not only expense but development time. Especially RDF-SIFTS (Structure Integration with Function, Taxonomy and Sequence) that is an aggregate of 10 small LOD was constructed in the short period of BioHackathon 2013 or was developed in one week. We could say that we can obtain quickly a data set required for the machine learning of interactomics by using LOD. We set up the interactomics LOD for application development as a database. SPARQL endpoints of these databases are exhibited on the portal site UTProt (The University of Tokyo Protein, http://utprot.net).
著者
清水 謙多郎 石田 晴久
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1071-1072, 1986-10-01

本稿では、ワークステーション上でホスト計算機のマルチウィンドウ端末を実現し、ホスト計算機上でのマルチタスク処理を支援する通信ソフトウェア・システムWIPについて述べる。WIP(Window Interface Program)は、ホスト計算機とワークステーションの間の通信回線を多重化して用いることにより、複数の端末セッションおよびファイル転送を並行して行うことを可能にしている。WIPはユーザ・レベルのプログラムとして実現され、ワークステーション側のソフトウェアは、現在、OSの異なる3機種のワークステーション上で移動中である。
著者
栗山 穣 芦原 評 清水 謙多郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.23-24, 1996-03-06

分散システムにおける性能および信頼性向上のための手段として,オブジェクトのレプリケーションがある。レプリケーションで問題となるのがレプリカ間のデーター貫性の維持である。本稿ではデーター貫性制御方式の一つとしてユーザ定義の因果関係とマルチバージョン管理に基づくデーター貫性制御方式MVC(Multi-Version Consistency)の提案を行う。