著者
柏崎 礼生 坂根 栄作 込山 悠介 宮崎 純 中沢 実 岡部 寿男
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-49, no.7, pp.1-8, 2020-05-07

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の日本国内での蔓延に伴い,2020 年 2 月中旬以降に開催が予定されていた大規模な集客を見込むイベントは中止,延期を余儀なくされた.学術においても状況は同様であり,日本国内においては特に卒論・修論発表会の終わった 2 月中旬から 3 月下旬まで学会・研究会が集中して開催される時期である.本稿では 3 月上旬に開催された,参加人数が例年 500 人を超える規模のイベントがどのようにオンライン開催の意思決定を行い,そのための準備を進め,運用を行ったのか情報共有を行い,同様の有事が発生する未来に対する議論と提言を行う.
著者
常川 真央 朝岡 誠 大波 純一 河合 将志 林 正治 南山 泰之 藤原 一毅 込山 悠介
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.10, pp.1-11, 2020-08-27

学術機関における IT センターや図書館が提供するリサーチデータマネージメント (RDM) サービスは,の研究活動を支援するサービスであり,研究データのライフサイクルを形成できるように設計されていることが重要である.特に,RDMサービスは,研究者の研究活動に密着したサービスであり,従来の論文検索サービスのように,研究者に直接提供されるサービスだけでなく,研究者に間接的に提供される研究支援サービスとの高度な連携も必要になる.そのためには,RDM サービスに関連するシステムの開発担当者が共通のユーザーストーリーを有し,円滑に連携できるように機能を設計する必要がある.そこで,本研究では RDM サービスの事例研究として,ユーザーの研究活動の適合性という観点から筆者らが開発する研究データ基盤である NII Research Data Cloud (NII RDC) のシステム機能要件を検討した.検討にあたってはユーザー中心設計の理念に則り,(1) NII RDC が想定するユーザーストーリーの集約 (2) ペルソナマーケティング (3) ユーザーストーリーマッピングを実行した.その結果,RDM サービスのシステム機能要件として,研究計画に沿った研究データ環境の構成や,研究終了後の研究データ公開プロセスに関する機能について,単純にシステム間の接続だけでなく,キュレーションの業務プロセスの共有など,高度な支援が必要であることが分かった.今後の展望としては,NII RDC の基盤間連携にあたり相互運用性を高めるための API や共通データモデルの策定などを検討したい.
著者
込山 悠介 林 正治 加藤 文彦 大向 一輝 山地 一禎
雑誌
研究報告セキュリティ心理学とトラスト(SPT) (ISSN:21888671)
巻号頁・発行日
vol.2019-SPT-35, no.18, pp.1-7, 2019-09-12

オープンサイエンス推進に向けての政策的な動きが,国際的に活発化している.公的研究資金を受けた研究成果としての論文は原則オープンアクセスとすることに加え,そのエビデンスとなる研究データについても積極的に公開することが,研究者やその所属機関に求められている.国際的な研究データ流通の観点からも標準化された研究データ基盤の整備は必要不可欠だが,研究者の着想から論文執筆に至る研究ライフサイクルを一貫して支援し,研究公正も実現する汎用的な研究データ基盤を,国内全土の学術機関から利用できるよう設計にし,さらに階層構造化された共通規格上で専門分野のIT基盤構築を支援するフレームワークは十分に成熟されていない.本研究では,研究者と所属機関が研究データを管理・共有し,さらに研究データを検索可能なように公開することで研究推進を支援するオープンサイエンスのための共通基盤(NII Research Data Cloud: NII RDC)を開発することを目的とした.NII RDCは,研究データのライフサイクルに沿って,研究データを管理・公開・検索するための三つの基盤から構成される.研究データの扱いに関する分野特異性を考慮し,管理と公開のための基盤は,拡張性と柔軟性を満足するアーキテクチャを採用した.研究促進のみならず,特に研究機関として必要とされている研究公正にも対応できる機能を有する.検索機能は,多角的な研究成果の再利用が促進されるように,分野融合型の大規模な学術知識情報をもつ基盤として構成した.システム的な側面に加え,本格的な運用に向けてのサービスの段階的な実証実験の結果についても報告する.なお,NII RDCのソフトウェアの最新版はGitHub上でオープンソースソフトウェアとして公開している(http://github.com/RCOSDP).
著者
込山 悠介 番野 雅城 鑓水 優行 加藤 文彦 大向 一輝 武田 英明 清水 謙多郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.356-363, 2014-07-01 (Released:2014-06-18)
参考文献数
12

Researchers of agriculture, life science and drug design of the need to acquire information that combines two or more life science databases for problem solving. Semantic Web technologies are already necessary for data integration between those databases. This study introduces a technique of utilizing RDF (Resource Description Framework) and OWL (Web Ontology Language) as a data set for development of a machine learning predictor of interactomics. Also, for SPARQL (SPARQL Protocol and RDF Query Language) we sketched the implementing method of interactomics LOD (Linked Open Data) in the graph database. Interactomics LOD has included the pairs of protein--protein interactions of tyrosine kinase, the pairs of amino acid residues of sugar (carbohydrate) binding proteins, and cross-reference information of the protein chain among an entry of major bioscience databases since 2013. Finally, we designed three RDF schema models and made access possible using AllegroGraph 4.11 and Virtuoso 7. The number of total triples was 1,824,859,745 in these databases. It could be combined with public LOD of the life science domain of 28,529,064,366 triples and was able to be searched. We showed that it was realistic to deal with large-scale LOD on a comparatively small budget by this research. The cost cut by LOD decreased not only expense but development time. Especially RDF-SIFTS (Structure Integration with Function, Taxonomy and Sequence) that is an aggregate of 10 small LOD was constructed in the short period of BioHackathon 2013 or was developed in one week. We could say that we can obtain quickly a data set required for the machine learning of interactomics by using LOD. We set up the interactomics LOD for application development as a database. SPARQL endpoints of these databases are exhibited on the portal site UTProt (The University of Tokyo Protein, http://utprot.net).