著者
加藤 みわ子 伊藤 康宏 永 忍夫 清水 遵
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.44-48, 2006 (Released:2006-07-28)
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

本研究では, 不安の特性が味覚に影響を与えるかを, 官能試験を行って検討したところ,   (1) 高不安の人は甘味の感受性が高かった。  (2) 高不安の人はストレス感が高く, 覚醒度も高かった。の結果を得た。味覚に影響を与える大きな要因のひとつが不安の特性であり, 不安状態やストレスを緩和することが, 若者の偏った食行動の改善に繋がることが示唆された。
著者
川本 利恵子 村瀬 千春 石原 逸子 生嶋 美春 中谷 淳子 原賀 美紀 清水 遵
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.305-313, 2005
被引用文献数
2 10

本研究は, 快適職場環境の形成に香りの効果を有効的に活用するための基礎的なデータを得る目的で行われた. 実験は, 被験者である14名の女子学生おのおのに対して, レモンの香りのある実験室とレモンの香りのない実験室という2つの異なった環境下における単純加算作業の成績, 生理的変化, 気分変化を調べ, その差を比較検討した. 実験結果は, レモンの香りは作業効率を変化させないが, 疲労を軽減させ, 活力の低下を予防することを示唆した.
著者
加藤 みわ子 伊藤 康宏 永 忍夫 清水 遵
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.140-144, 2007 (Released:2007-11-07)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

本研究では, 蓄積的疲労感が味覚に影響を与えるかを味覚試験を行って実験的に検討したところ,  &nbsp1) 蓄積的疲労感の高い人は塩味の閾値が低かった &nbsp2) 塩味閾値が低い人は抑うつ気分が高かった 3) 塩味閾値の低い人ほど呈味直後の快適感が減少していたの結果を得た。そして, 疲労感の蓄積が味覚に影響を与える大きな要因のひとつであること, 肉体疲労のみならず精神的な疲労感やストレスを緩和することが健康で良好な食生活の実現, 惹いては生活習慣病予防に大切であることが示唆された。
著者
中島 佳緒里 清水 遵
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.230-233, 2011-12-30 (Released:2012-01-23)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

本研究の目的は, 満腹感に代わる摂食後の主観的評価指標として我々が開発した内臓感覚表現の尺度が摂食後の内臓の状態を反映するのかを, 時間経過による得点推移によって検討することであった。健康な成人33名 (平均年齢21.0歳, 男性10名, 女性23名) を対象に, VASによる満腹感および内臓感覚表現尺度17項目が, 摂食前・直後・30分後・60分後・以降1時間毎に6時間まで測定された。テスト食には, 656.3kcalの市販の弁当と緑茶350mLを用いた。その結果, VASで測定した満腹感得点において摂取前と比較して有意に高い値を示したのは, 摂食後300分までであったが, 内臓感覚表現の尺度得点は摂食後180分までであった。さらに, 下位項目である容量・重量因子得点が摂取前平均値に戻るに要した時間 (区間) をパターン分類した結果, 分析した対象者28名のうち16名 (57.1%) が180から240分区間で低下したパターン (II) であった。摂取後180分はシンチグラフィーによる胃容量の全排出時間に類似しており, 「容量・重量因子」得点は, 胃を主体とした内臓からの情報をとらえていることが示唆された。
著者
中島 佳緒里 櫻井 優太 清水 遵
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.325-333, 2009-03-30 (Released:2009-05-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本研究は, 摂食行動における身体内部の手がかりとして内臓感覚に注目し, 満腹感に関する内臓感覚表現語の構造の特定と内臓感覚表現尺度を作成することを目的とした。健康成人の内臓感覚表現を模索し, 表現語の尺度項目を作成するためにフォーカスグループによる予備調査を行った。  予備調査は, 53名の20~30代の健康成人を対象に, 満腹感あるいは空腹感を示す表現について, 食事前後の自由記述による質問紙調査を実施した。その結果, 満腹感あるいは空腹感を示す表現は, 「具体的・局所的な表現」56表現, 「状態に対する認知的表現」34表現が抽出された。内臓感覚表現の予備尺度には具体的な表現である38語を使用した。  本調査では, 作成された予備尺度を使って, 健康な大学生340名を13時と16時の2群に分けて質問紙調査を実施した。質問紙は, VASによる満腹感あるいは空腹感の程度と, 予備尺度38項目で構成された。探索的因子分析の結果, 満腹感に関する内臓感覚表現は。3因子構造であることが明らかになった。第I因子19項目は‘何かある感じ’‘膨れた感じ’‘ズッシリする’‘たまっている’など, 内臓の容量や重量を示す表現から「容量・重量因子」とした。第II因子9項目は‘キュルキュルする’‘縮まる’‘グルグルする’など消化管の蠕動運動の表現から「運動因子」とした。また, 第III因子5項目は, ‘はきそうな’‘痛い’‘気持悪くなる’など嫌悪を示す表現から「嫌悪因子」とした。  さらに, VAS値を基準変数とした重回帰分析の結果, 満腹感に関する内臓感覚表現は, 「容量・重量因子」と「運動因子」により形成されていることが明らかになった。以上の結果より, 内臓感覚表現尺度の作成を2因子により作成し, 尺度の項目分析を行ったところ2つの表現が削除され, 「容量・重量因子」12項目, 「運動因子」5項目となった。削除項目を除外した後のクロンバックα係数は, それぞれ0.94, 0.80であり, 作成した尺度は妥当性の高い結果であった。