著者
松廣 達也 橋本 哲也 北岡 見生代 ア デイビッド 落合 翼 渡辺 秀行 片桐 滋 大崎 美穂
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1295-1308, 2018-04-15

最近,識別学習法の1つ,最小分類誤り(MCE: Minimum Classification Error)学習法が,大幾何マージン最小分類誤り(LGM-MCE: Large Geometric Margin Minimum Classification Error)学習法に拡張された.LGM-MCE法は,利用可能な学習用標本上の分類誤り数損失の最小化と,標本空間における幾何マージンの最大化とを同時に行うものである.学習用標本に対する過学習を抑制することで,この新しいLGM-MCE法は,理想的な最小分類誤り確率状態に対応する分類器状態を近似する.その有効性は,プロトタイプ型分類器用に実装され,様々な固定次元ベクトルパターンの分類課題において実証されている.本稿は,可変長パターンに対しても過学習が抑制された望ましい分類が実現されることを目指し,状態遷移モデル型分類器を用いて可変長パターンのための幾何マージンを新たに導出し,それを用いたLGM-MCE学習法を構築し,その有効性を3種の音声認識課題において評価した結果を報告するものである.実験では,LGM-MCE学習法と,その基盤となったMCE学習法とを比較する.実験の結果,いずれの課題においても,LGM-MCE学習法が,過学習を抑制し,未知の試験用標本上で高い分類精度を達成することが示される.比較実験に用いるLGM-MCE学習法の実装は,適応型損失最小化手段である確率的降下法を用いている.本稿では追加的に,高速な並列処理に適したRPROP法に基づく実装も行い,その動作確認結果も報告する.
著者
光成 滋生 渡辺 秀行 吉田 真紀 境 隆一 笠原 正雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.68, pp.261-266, 2002-07-18
参考文献数
17
被引用文献数
1

本稿では放送型コンテンツ配信における不正者追跡問題を考える.従来の配信法は、想定された人数以上の不正者の結託により追跡不可能な海賊版復号器を作成することが可能になるという問題点を持つ.筆者等は、既に楕円曲線上のヴェイユペアリングを用いることにより、この結託問題を解決する方式を提案した.本稿ではこの方式を拡張し、鍵漏洩の自己抑止力と非対称不正者追跡機能、および加入者排除機能を持つ方式を提案する.提案方式では放送量は従来方式より小さく、また加入者が何人結託したとしても結託者以外の個人鍵を生成することができないという拡張前の方式の特長を受けもつ.In the previous traitor tracing schemes, there exists an upper bound on the number of traitors who attack the schemes for certifying the security. We proposed one resolution of the problem using Weil-pairing on the elliptic curves. In this paper, we extend the scheme, yielding an asymmetric self-enforcement and revocation scheme.
著者
光成 滋生 渡辺 秀行 吉田 真紀 境 隆一 笠原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.212, pp.117-122, 2002-07-12
参考文献数
17
被引用文献数
5

本稿では放送型コンテンツ配信における不正者追跡問題を考える.従来の配信法は,想定された人数以上の不正者の結託により追跡不可能な海賊版復号器を作製することが可能になるという問題点をもつ.筆者等は,既に楕円曲線上のヴェイユペアリングを用いることにより,この結託問題を解決する方式を提案した.本稿ではこの方式を拡張し,鍵漏洩の自己抑止力と非対称不正者追跡機能,および加入者排除機能をもつ方式を提案する.提案方式では放送量は従来方式より小さく,また加入者が何人結託したとしても結託者以外の個人鍵を生成することができないという拡張前の方式の特長を受けもつ.
著者
片桐 滋 渡辺 秀行 中村 篤 松田 繁樹 堀 貴明 渡部 晋治
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

最小分類誤り学習法のこれまでの性能限界を突破することを目指して,特に,平滑化分類誤り数損失の平滑性が持つ未知標本耐性向上の機構を解明し,その平滑度の自動的最適設定法を開発,さらにカーネル法を組み込んだカーネル型最小分類誤り学習法を開発することで,本学習法の一層の識別力向上を実現した.また,ラウンドロビンデュエル識別法を開発することで,大規模かつ複雑な分類器のための高効率な識別学習法を実現した.