- 著者
-
瀧井 猛将
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬学会
- 雑誌
- ファルマシア (ISSN:00148601)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.7, pp.684, 2020 (Released:2020-07-01)
- 参考文献数
- 6
世界保健機関(WHO)によると,世界人口の4分の1が結核に感染していると推定されている.2018年のWHOの統計では,結核は死因上位10に入る疾患で年間145.1万人が死亡し,世界中で1,000万人が感染している感染症である.なかでも南西アジア,アフリカでの患者数が多く,インド,中国,インドネシア,フィリピン,パキスタン,ナイジェリア,バングラディッシュと南アフリカの8か国で全体の3分の2を占める.一方,日本の近況を見ると,2018年の新登録結核患者数が15,590人,死亡者数2,204人(概数),罹患率は12.3(人口10万人あたり)であり,罹患率が10を下回る国と比べると中蔓延の状況にある.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) World Health Organization, https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/329368/9789241565714-eng.pdf?ua=12) 結核の統計,https://www.jata.or.jp/rit/ekigaku/toukei/nenpou/3) TuBerculosis Vaccine Initiative(TBVI),https://www.tbvi.eu/eu/what-we-do/pipeline-of-vaccines/4) Tait D. R. et al., N. Engl. J. Med., 381, 2429-2439(2019).5) Mortier M. -C. et al., BMC Immunol., 16, 63(2015).6) Skeiky Y. A. W. et al., J. Immunol., 172, 7618-7628(2004).