著者
片山佳子・村松明日佳・伏脇裕一
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.356-361, 2017-10-15 (Released:2017-10-18)
参考文献数
17

食品添加物の着色料として使用量の多いカラメル色素について,その種類,特徴,有用性,機能性,食品への利用,毒性および安全性について考察した.特に,カラメル色素の製造過程で発がん性を有する4- メチルイミダゾールが副生成されるなどの安全性について諸外国についての事例を挙げて詳述するとともに,カラメル色素についての問題点および課題についても言及した.
著者
片山 佳子 上野 慎太郎
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.147, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】マテ茶は南米のイグアスの滝周辺を原産とするモチノキ科の植物「イェルバ・マテ」の葉や枝を茶葉に加工し水またはお湯で抽出した飲料である。マテ茶はミネラル、ビタミン、ポリフェノールそして食物繊維を豊富に含むため「飲むサラダ」と言われている。その機能性は多岐に渡り、抗酸化、抗肥満作用がある。また鉄と化合し腸内吸収を妨げるタンニンやカフェインのような刺激性のアルカロイドが少ないのもマテ茶の特徴の一つである。南米人の年間食肉消費量は多く、日本人に比べ3~5倍の食肉を摂取しているにも関わらず体の抗酸化が原因で起こる癌などは日本人の約半分以下である。これは南米人がマテ茶を多く摂取しているためではないかと考えられている。本研究ではマテ茶のポリフェノールと鉄の定量を行うとともに抗酸化活性測定を行い、緑茶や烏龍茶と比較検討することを目的とした。 【方法】茶葉10gを80℃、20℃の水で10分間抽出し、試料溶液とした。鉄分量の測定は1.10-フェナントロリン法にて、ポリフェノール量の測定は、Folin-Denis法にて行った。抗酸化活性はラジカル消去能をDPPH法で測定し、DPPHラジカル消去活性はTrolox相当量として算出した。 【結果】鉄分量は、グリーンマテ茶が最も高い結果となった。ポリフェノール量および抗酸化活性においてもマテ茶が緑茶や烏龍茶よりも高い数値を示した。そして、抽出温度が高いほどポリフェノール量や抗酸化活性は高い値を示した。これは水溶性の抗酸化物質であるポリフェノールが多く溶出されたためと考えられた。またポリフェノール量が多いほど高い抗酸化活性を示したことから両者には相関性があり(R=0.995)、マテ茶の抗酸化活性はポリフェノールが主体であると考えられた。このことから、マテ茶は緑茶や烏龍茶よりも体の酸化を防ぐために有効な飲料であることが示唆された。
著者
片山 佳子 外山 剛之
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 68回大会(2016)
巻号頁・発行日
pp.172, 2016 (Released:2016-08-04)

目的 落花生は、様々な用途に使用され消費されているが、その加工工程において、薄皮は多量の産業廃棄物となる。しかし、落花生薄皮にはポリフェノールであるレスベラトロールが多く含まれていることから、高い抗酸化作用を持つと考えられる。そこで本研究では、この多量に廃棄されてしまう薄皮をお茶のような飲料として利用できないかと考え、ポリフェノール量および抗酸化活性を測定するとともに、官能評価による嗜好性を分析することを目的とした。方法 落花生薄皮1gに抽出温度(80,85,90,95,100℃)を変えた水200mLで20秒間抽出したものを試料液とした。ポリフェノール量の測定は、Folin-Denis法にて行った。抗酸化活性はラジカル消去能をDPPH法で測定し、Trolox相当量として算出した。嗜好型官能評価は、外観、香り、味、苦味、総合評価の5項目を5点評点法により評価し、分散分析法により検定を行った。結果 ポリフェノール量と抗酸化活性は、抽出温度が高くなるにつれて高い値を示し、抽出温度100℃が最も高い結果となった。これは水溶性の抗酸化物質であるポリフェノーが多く溶出されたためと考えられた。また、ポリフェノール量が多いほど高い抗酸化活性を示したことから両者には高い相関性があり、落花生薄皮茶の抗酸化活性の主体はポリフェノールであることが考えられた。官能評価は、当初、高温抽出では薄皮の渋味が懸念されたが高温の100℃抽出が総合的に好まれた。このことから落花生の薄皮茶は高い抗酸化活性をもつ飲料として利用できることが示唆された。
著者
片山 佳子 若尾 弥美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<br><br><b>目的</b> マキベリー(<i>Aristoteliachilensis</i>)は、チリのパタゴニアと呼ばれる寒冷地帯が原産地であり、ポルトノキ科の植物でブルーベリーによく似ている。果実は、直径約6mmの球形でつやのある黒紫色、収穫時期は1~3月である。マキベリーが最も注目されているのは、ポリフェノールと抗酸化力で、その他にもビタミンC、鉄、カリウムなどの含有量も高いと言われている。そこで本研究では、ビタミンC、鉄分およびポリフェノールの定量を行うとともに抗酸化活性について測定することを目的とした。<br><br><b>方法</b> ビタミンCの測定は、インドフェノール・キシレン法により、鉄分の測定は、1,10-フェナントロリン法により行った。ポリフェノール含有量測定は、Folin-Ciocalteu法を用いて測定し、没食子酸相当量として算出した。抗酸化活性測定は、ラジカル消去能をDPPH法により行い、またDPPHラジカル消去活性はTrolox相当量として算出した。<br><br><b>結果</b> ビタミンCそして鉄分量はブルーベリーより高く、ポリフェノール量はアサイーやアセロラよりも高い結果となった。抗酸化活性は、アサイーやココアパウダーと比較すると高い抗酸化活性を示した。また、ポリフェノール量と抗酸化活性がともに高い値を示したことからマキベリーの抗酸化活性の主体はポリフェノールであることが考えられた。このことから、マキベリーはビタミンCと鉄分はブルーベリーより高く、ポリフェノールを多く含有し、高い抗酸化活性が期待できる食品であることが明らかとなった。