- 著者
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向出 尚正
王 建青
藤原 修
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.103, no.488, pp.11-15, 2003-11-28
- 被引用文献数
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遠方界曝露の人体において,体内器官で生ずる30MHz〜3GHz帯の局所共振現象を解剖学的人体全身数値モデルに対して並列FDTD法で解析した.主要器官に対する平均SARの周波数特性から,65MHz,200MHz及び700〜900MHz付近での局所共振発生を明らかにし,65MHz付近での共振は人体縦方向での全身共振,200MHz付近での共振は人体横幅方向での共振,700〜900MHz付近での共振は,器官自身の寸法によるものと推察できた.また,胴体内器官での局所共振時のSAR値は,全身共振時のそれより低いが,頭部,脳,眼球,睾丸では,全身共振時のSAR値よりも高いレベルで局所共振が起きることがわかった.さらに,人体モデルの体重が同じで身長が異なる場合は共振周波数での全身平均SARはほとんど変わらないのに対し,身長が同じで体重が軽い場合には共振周波数での全身平均SARは著しく増加することがわかった.