著者
藤原 修
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.175, pp.175_84-175_99, 2014-03-30 (Released:2015-09-05)
参考文献数
29

A liberal political regime is an important precondition for peace movements to flourish as in Britain of the 19th century. Japan, as a latecomer in the modern world, adopted an aggressive militarist policy under the authoritarian regime in the late 19th century. Thus, the earliest peace movements in Japan, which appeared around the turn of the century, took it upon the daring struggle against the towering militarism, and advocated absolute pacifism and a remarkably cosmopolitan outlook; but their social impact was negligible till the end of the Second World War. The collapse of a militarist Japan in 1945 and the following enactment of the liberal peace constitution brought forth favorable conditions for peace movements. In fact, Ban-the-A-and-H-Bomb Campaign in the mid 1950’s rallied unprecedentedly wide and strong popular support and exerted a significant influence on Japan’s security policy. However, such seemingly advantageous conditions to peace movements had their own hazards. The strong antiwar sentiment in postwar Japan largely came from the devastating national war experience. Therefore, peace groups very often shied away from immediate security issues in East Asia; and national stories of wartime hard suffering turned a blind eye to even harder indignation of neighboring nations against Japan’s militarist records. In addition, national peace organizations were torn apart in line with the cold war ideological split, and thus lacked the ability to mobilize the grassroots antiwar sentiment effectively. From around the end of the cold war, some new trends turned up in Japanese peace movements. First, local groups virtually took over longstanding national groups in peace activities. It is largely because locality became the front line between the security of people’s daily life and the growing frequency of US military activities in and around Japan. The most important case was the concentration of US military bases in Okinawa. This problem came to attract national attention by virtue of an unbending Okinawan minority of antiwar landowners. Second, the problem of Japan’s war responsibility was at last widely acknowledged among the Japanese public. Reconciliation with neighboring nations was set as a distinct goal of peace activities. Third, peace activists began to propose an alternative security policy. They stress the importance of establishing the rule of law in the unstable security environment of East Asia. In short, Japanese peace movements began to address the long-overdue problem of international solidarity in East Asia and to assume the role of a policy initiator.
著者
松永 猛裕・藤原 修三
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.401-405, 2001-12-15 (Released:2017-02-28)
被引用文献数
1
著者
川又 憲 石上 忍 藤原 修 スローカ ヤン
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J106-B, no.10, pp.639-645, 2023-10-01

ESD(Electrostatic Discharge: 静電気放電)によりインパルス性の過渡電磁ノイズが発生する.このような広帯域かつ過渡的な電磁ノイズは,機器の誤動作や故障の原因となり,またその対策も簡単ではないためEMC(Electromagnetic Compatibility: 電磁両立性)の観点から重要な問題の一つとされている.そこで,ESDによる電磁ノイズの放射メカニズムを議論するため微小電気ダイポールによる放射モデルを想定して検討を進めている.本論文では,この放射モデル適用の妥当性を実験で確認するため,一対の球電極で発生するESDによる過渡電界波形を10 GHzの帯域を有する光電界プローブを用いて測定し,電界強度ピーク値の距離特性について考察を行った.その結果,電界強度のピーク値は,球電極対の極近傍では放電点からの距離dの1/d3に従って減衰し,近傍では1/d2,更に遠方では1/dに従って減衰した.この結果は電気微小ダイポールによる電磁波放射の距離特性と一致しており,ESDによって発生する過渡電界の放射モデルとして,微小電気ダイポールモデルの妥当性を確認した.
著者
小林 孝寛 藤井 正史 奥野 拓弘 藤原 修治 鈴木 直人
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.91.19019, (Released:2020-03-10)
参考文献数
24
被引用文献数
3

This study examined the effects of concealment on physiological and psychological responses during the Concealed Information Test (CIT). Sixty police officers who volunteered for the study were randomly assigned to either the one non-concealing group (truthful response group) or two concealing groups (“Yes”-only or “No”-only response groups). They underwent the CIT and completed questionnaires about affect and anxiety. Although no significant differences were observed in tonic physiological responses, affect, and anxiety between the non-concealing and concealing groups, the concealing groups had significant differences between critical and noncritical items in skin conductance response (SCR), heart rate, normalized pulse volume, and respiratory speed. In the non-concealing group, only differences in SCR were observed. These results suggested that concealment during the CIT affects phasic physiological responses to stimuli independently of the effect on tonic physiological responses, affect, and anxiety.
著者
加川 義久 高 義礼 藤原 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.107, pp.45-50, 2007-06-15
被引用文献数
1

帯電人体からの放電電流の発生機構解明を目的として,1kV以下の帯電電圧において,金属棒を握った帯電人体からの放電電流を50ΩSMAコネクタを介した6GHzディジタルオシロスコープで測定し,放電電流波形のピークと立ち上がり時間の帯電電圧依存性を調べた結果,600V以下の帯電電圧では金属棒の接近速度に拘わらず,電流ピークは帯電電圧にほぼ比例すること,電流波形の立ち上がり時間は70ps程度とほぼ一定となること,などを先に報告じた.本文では,引き続き帯電人体の指先接触で生ずる放電電流を12GHzディジタルオシロスコープで測定し,電流波形の帯電電圧依存性を明らかにした.まず,観測電圧波形と測定系に注入される放電電流波形との関係をあらわす伝達インピーダンスの測定法を示し,300kHzから18GHzまでの周波数特性を測定した結果,100MHz付近までは(50+jO)Ωとみなせるが,7GHzと15GHz付近に共振現象が現れることがわかった.しかしながら,この伝達インピーダンスからターゲットへの注入電流を推定すると,その波形は,観測電圧波形を50Ωで除した波形とほぼ一致することを確認した.つぎに,人体の指先接触で発生する放電電流を帯電電圧との関係において測定した結果,数百ボルトの帯電電圧では多重放電が頻繁に観察されるのに対して,1kVを超えると金属棒の場合と同じく1回の放電で終了する傾向がみられたこと,電流ピークは1kv程度までは帯電電圧とともに上昇するが,それ以降ではなまること,立ち上がり時間は帯電電圧と共に緩やかになること,接近速度が大きいほうが電流のピークは高く,立ち上がり時間は短いこと,などがわかった.
著者
藤原 修三
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會誌 (ISSN:00214728)
巻号頁・発行日
vol.83, no.738, pp.565-570, 1980-05-05
著者
森田 尚樹 佐藤 幸男 櫻井 裕之 横堀 將司 石川 秀樹 梶原 一 海田 賢彦 松村 一 福田 令雄 濱邉 祐一 磯野 伸雄 田上 俊輔 藤原 修 副島 一孝 新井 悟 佐々木 淳一
出版者
一般社団法人 日本熱傷学会
雑誌
熱傷 (ISSN:0285113X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.76-89, 2022-09-15 (Released:2022-09-15)
参考文献数
17

東京都熱傷救急連絡会は熱傷救急ネットワークとして参画施設よりデータを収集, 分析し熱傷に関する啓発活動等を行っている. 今回1991年から2020年の30年間分9,698症例のデータを5年ごとに分け分析し, 熱傷症例の傾向を検討した.  総症例数に大きな変化は認めず, おもな受傷原因はflame burn, scald burn, inhalation injuryの順に多かった. 平均熱傷面積は有意に減少を認め, 平均年齢は有意に上昇し, 死亡率は有意に低下を認めた. 死亡症例の平均年齢は有意に上昇し, 平均熱傷面積は減少した. 死亡症例のBIは有意に減少したが, PBIは変化を認めず, 100をこえると死亡率は60%以上となった. 原因別症例数推移は, scald burnは増加傾向を, inhalation injuryは有意に増加した. これに対し, flame burnは有意に減少を認めた. Flame burnでは火災, コンロ等, 自傷行為, scald burnではポット・鍋の湯・油, 熱い食べ物, 風呂・シャワーがおもな受傷原因であった.  年齢別症例数は, 年少年齢 (0~14歳) ではポットの湯や油によるscald burn症例が増加傾向にあり, 対して火災によるflame burn症例は減少傾向を示した. 生産年齢 (15~64歳) では火災や自傷行為によるflame burn症例は減少傾向を認めた. 老年年齢 (65歳以上) では火災, コンロによるflame burn, 熱い食べ物, ポットの湯によるscald burnで症例数の増加を認めた. 出火原因はタバコの火の不始末 (不適当な場所への放置), 焚火, コンロが多く, 今後高齢者人口の増加に伴い, タバコの火の不適切な場所への放置, 焚火への注意喚起や, コンロ等のIH化や難燃性の衣類の推奨, ポットや鍋等の熱い食べ物による熱傷に対する啓発活動が重要であると考える.
著者
石田 武志 戸澤 幸大 藤原 修
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.8, pp.596-603, 2022-08-01

ESD試験器の火花を介した気中放電は放電電流が試験ごとに変動するため,IEC 61000-4-2では,気中モードでの校正波形を規定していない.Pommerenke氏らは,火花を介さない水銀接点リレーを用いた気中モードに対するステップ応答の測定法を提案し,これが気中モード試験器の校正法になりえることを示唆した.筆者らの先行研究では,接触・気中の両試験法とも結果の再現性を確保するには試験器の構造を反映するアドミタンスを規制すべきとの観点から,三機種の異なる気中モード試験器の理想スイッチを介したステップ応答を測定アドミタンスから導出し,試験器固有の属性をあきらかにした.本研究では,気中モード試験器に対する校正要件を根本から考察するために,IEC規格の基因となった人体気中放電に対する放電電流のステップ応答を,測定アドミタンスとIEC規格に基づく簡易等価回路からそれぞれ導出し,両者の計算波形とスペクトルを,三機種の現用ESD試験器の測定アドミタンスと簡易等価回路から求めたステップ応答のそれらと比較する.つぎに,人体気中放電と三機種の試験器の気中モードに対する放電電流の測定波形を,ステップ応答の計算波形と対比し,人体と試験器のIEC規格に基づく簡易等価回路から求めたステップ応答が校正要件を検討する際の草案の基礎になることを示す.
著者
河村 代志也 藤原 修一郎 秋山 剛
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.152-159, 2011-04-15 (Released:2015-04-02)
参考文献数
12

1995年1月17日の都市直下型地震による阪神大震災,および,2011年3月11日の太平洋沖地震とその大津波による東日本大震災において,震災1カ月の時点(ハネムーン期)に,神戸市および石巻市・東松島市で精神医療支援を行った。また,東日本大震災によって原発事故も抱えた福島県において,災害半年以後(幻滅期への移行期)に継続的な精神医療支援を行った。これらの経験を通して,阪神と東日本の両震災がもたらした影響の異同,東日本大震災における支援時期の違い,原発事故の影響について報告した。震災1カ月の支援対象は,ほとんどが了解可能な一過性の不安恐怖や不眠の反応を起こした被災者であった。感情は抑制されていたが不安定化することがあった。一部に軽躁傾向を示す被災者もいた。震災半年以後は,不安抑うつ症状のために精神科を受診する被災者が増える傾向にあった。被災地では放射能汚染不安を示す者がかえって少なかった。
著者
吉邨 善孝 桐山 啓一郎 藤原 修一郎
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.2-8, 2013-01-15 (Released:2016-08-31)
参考文献数
2
被引用文献数
1

コンサルテーション・リエゾン精神医学の分野において,チーム医療の推進,精神医療の標準化,可視化の実践が期待されている。平成24年4月の診療報酬改定に際して,精神科リエゾンチーム加算が新設された。精神科リエゾンチームは,一般病棟でせん妄や抑うつを有する患者,精神疾患を有する患者を対象として,精神症状の評価,定期的なカンファレンスの実施,心理療法,薬物療法,ソーシャルワーク,心理教育を適切に行い,退院後も精神医療(外来など)が継続できるような調整を実施する。一方,今後の課題として,①算定医療機関の偏在,②診療ガイドラインの整備, ③チーム編成,④看護師の専任規定,⑤専門看護師認定に関する課題,⑥研修規定,⑦精神科医師の算定要件,⑧診療報酬上の評価が十分でないなどがあげられる。
著者
藤原 修治 余語 真夫
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.193-203, 2011-12-31 (Released:2012-06-27)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本研究では,実験室での急性ストレス課題に対する唾液中の免疫グロブリンA(s-IgA)の反応について,時系列的な変化を検討した。29名の実験参加者が,1 週間おきに三つの課題-能動的対処を要するストレス課題として暗算,受動的対処を要するストレス課題として寒冷昇圧,統制課題として中性映像の視聴-に取り組んだ。各実験条件について,安静期,課題期,回復期にわたって計5回唾液検体を採取した。実験の結果,暗算条件においてs-IgA分泌量は,統制条件に比べて課題の前半に有意に減少し,課題終了直後に有意に増加した。これに対して,寒冷昇圧条件においてs-IgA分泌量は,統制条件に比べて課題終了直後に有意に減少した。これらの結果は,能動的対処課題と受動的対処課題を実施した際のs-IgAの測定値が,唾液採取のタイミングにより影響を受けることを示している。