著者
田崎 美弥子 中根 允文
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.76-80, 1998-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
8
被引用文献数
4
著者
田崎 美弥子 渡邊 光理 高野 隆司 良峯 徳和 加藤 康広 山口 哲生
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第84回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.SS-043, 2020-09-08 (Released:2021-12-08)

ニューロフィードバック(NF)は,欧米ではすでに40年以上,てんかん,うつ,自閉症や,発達障害,脳梗塞などの,幅広い疾患に適用されている。NFは,対象者の望ましい脳波を視覚と聴覚刺激をフィードバックにより,望ましい周波帯域に対するオペラント条件付けを図る脳波のバイオフィードバックである。副作用が殆ど報告されず,欧米では保険適用の心理療法となっている。昨今,精神疾患は脳のニューロン回路の不調によるというコネクトーム説に対する最適な療法と再認識されている。日本においても少しずつ認知されるようになってはきたが,いまだに症例報告や研究報告が限定されている。本シンポジウムでは,日本において,ADHDや双極性障害,うつ,外傷性てんかん,睡眠障害といった様々な疾患をもつ対象者に適用し,かつ改善が見られた臨症例や研究を紹介し,NFの方法論や適用,効果や限界について論じ,NFに対する正しい理解を促進することを目的とする。
著者
塚本 浩司 加納 誠 田崎 美弥子
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.10-12, 2004-03-18 (Released:2017-02-10)
参考文献数
3

大学院における遠隔授業の試行において,仮説実験授業の遠隔授業化を試みた。その結果,モニター参加者たちから高い満足度を得ることが出来た。そしてまた,現時点での遠隔授業の問題点・課題も浮き彫りになった。
著者
中根 允文 田崎 美弥子 宮岡 悦良
出版者
医療と社会
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.123-131, 1999
被引用文献数
25

生活の質(Quality of life,QOL)を測る尺度が近年数多く開発されてきている。それらの被験者となる人たちを特定のグループ(ある疾病に罹患した患者におけるなど)に限定するか,全般的なものに限定するかによって,その尺度のあり方は変わってくる。われわれは,健康に関連したQOLを広く測定できるものとして開発されたWHOQOL短縮版(26項目版)についていくつかの状態について検討してきたが,今回多数の一般住民におけるQOLスコア値を把握する調査を行ったので報告する。対象は東京都・大阪府・長崎市の住民1,410人(男性679人,女性731人)で,彼らの平均QOL値は3.29(男性3,24,女性3,34)であった。調査地域による差はなく,性差も有意なものではなかった。年齢群で見ると,60歳以上の高齢者が30歳代より有意に高いQOL値を示した。同時に行った全般健康調査票(GHQ)の結果と比較対照したとき,精神身体的健康度が低下するとQOL値も低下していた。<BR>多数の一般住民における平均的なQOL値を評価しておくことは,さまざまな負荷のもとにある対象のQOL値の問題を探る上で必須である。今回の資料を前提にして,これから各種の状態,例えば慢性疾患の患者,長期的な障害に悩む人たち,あるいは彼らの介助者などにおけるQOLの実状が明らかにされ,より適切な対応が図られるようになることを期待したい。
著者
田崎 美弥子 山本 幹男 小久保 秀之 小林 宏
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、喜怒といった対立する情動が混在するNon-Dialecticな東洋圏と混在しないDialecticな西欧文化圏において顔表情認知過程において差異があるかどうかを検証することである。本研究は4つの実験から構成された。実験1では、3名ずつの日本人と中国人との顔表情認知を喜び、怒り、驚き、軽蔑、嫌悪、恐れの顔表情と喜びを基点としてそれぞれの情動への変化する過程の中間表情を示す26枚顔表情刺激を使って、カードソーティングを実施した。また中国人学生には面接インタビューを行った。実験2では、同じ刺激材料を用いて、139名の日本人学生にスクリーンで刺激材料を8秒、白紙を3秒提示することを交互に26回繰り返して、その顔表情認知実験を行った。正答率の分析し、同じ日本人でも日本人の顔表情で正確に識別されるのは、笑い顔であり、「喜び、驚き、怒り」は「恐れ、嫌悪、軽蔑」より識別されやすいことがわかった。また実験3では、日本人と中国人に近赤外線、分光血流計OMN-3000を使い、実験1と2の刺激材料を提示したときの脳の血流変化を測定した。その結果、中国人は右前頭前野腹外側部の血流増加が顕著に認められた。日本人は相対的に血流増加が目立たず、課題負荷が少ないことが推測された。実験4では人種的にはヨーロッパ系であるものの情動表出が明確なラテン系の文化圏にあるブラジル人にとってどのように日本人の顔表情変化が認知されるかを検証した。その結果、喜怒哀楽が激しいブラジル人にとっては、日本人の笑い顔と驚き顔以外は識別が不可能であることがわかった。本研究から、笑い顔はともかくほかの曖昧な顔表情は同じ日本人にとっても難しいこと、さらに同じNon-Dialecticな文化圏であるアジア圏の中国人にも笑い顔と驚き顔以外は識別が難しく、Dialecticな文化圏であるブラジル人にとっては同じ結果が示された。以上から、日本人の曖昧な顔表情は特にほかの文化圏では極めて識別が難しく日本人の海外でのミス・コミュニケーションの一要因になっているのではないかと示唆された。