著者
市村 哲 井上 亮文 宇田 隆哉 伊藤 雅仁 田胡 和哉 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.924-931, 2006-03-15
参考文献数
12
被引用文献数
7

電子プレゼンテーションが普及した現在でも,大学などの教育機関において黒板を用いた講義は根強い支持を得ている.著者らは,講師が講義前にビデオカメラを1 台設置しておくだけで,その収録映像から自動的に講師の動画映像と板書の静止画とを作成し,即座にインターネット配信可能とする講義自動収録システムChalkTalk を構築した.板書静止画については,画像処理を施して講師の姿を消去する工夫を施している.1 台の固定ビデオカメラのみで黒板全体を明瞭に記録するために解像度の高い民生用ハイビジョンカメラ(HDV カメラ)を用いて実装した.本論文では,システムデザイン,実装,および,評価について述べる.Although lectures and seminars using presentation software became popular, a chalk talk is still commonly used among education institutions such as schools and universities. We developed ChalkTalk that automatically produces E-learning materials from videotaped chalk talks. The system separately extracts a lecturer's image and writing on blackboard from video images recorded with a single high-definition digital camcorder, and stores the former as a streaming video and the latter as a series of snapshot images.
著者
加藤 和樹 柴田 千尋 田胡 和哉
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.175-176, 2015-03-17

近年では、人間がスマートフォンなどのデバイスの対話エージェントに話しかけて操作するようなシステムの利用が広がっている。それに伴って、エージェント自身が世間話やジョークなどを言う機能も追加されてきており、人と楽しく会話することに対しての需要が高まっていることが伺える。そのため、今後は会話することに特化した人工無脳の重要性が増すことが考えられる。しかし、現状の人工無脳は人間から見ると違和感のある返答をしてしまうことがあり、人らしさを損なってしまっている。そこで、人工無脳に相手の感情を考慮させながら学習を行わせ、自身の感情に則した文を生成させることで、より人間らしい会話を目指す。
著者
市村 哲 間下 直晃 伊藤 雅仁 宇田 隆哉 田胡 和哉 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.70-79, 2005-01-15
被引用文献数
1

本論文では,PC の操作画面やアプリケーション画面をほぼリアルタイムに配信するWeb システムのための伝送量圧縮手法「Interframe Compression Method for HTML Push-out」(ICMHP)を提案する.著者らが実装したQuickBoard は,PC のデスクトップ画面をスナップショット画像として画像ファイルに保存し,これをHTTP でWeb サーバからWeb ブラウザに擬似プッシュ転送するWeb システムであるが,ICMHP はこのような情報プッシュ型Web システムに適した伝送量圧縮手法である.ICMHP は,プラグインやActiveX 等のプラットフォームに依存したコンポーネントを用いることなく実装できることが特徴である.このため,汎用的なWeb ブラウザや,PDA 等に搭載されている簡易Web ブラウザにPC 画面を配信する際に用いることが可能である.本論文では,実際の教育現場の要求を観察した結果について報告し,この観察結果に基づいて作成したプロトタイプシステムについて述べる.We developed "Interframe Compression Method for HTML Push-out" (ICMHP), a method integrating interframe compression mechanism used in video compression technology with web-server-side technology, delivering computer-screen images to standard web browsers, or even PDA portable web browsers. This paper describes a QuickBoard web-server system that implemented ICMHP scheme. The system allows users to deliver computer-screen images of any application to more than 100 web browsers running on various devices in quasi-real-time. That no client software except a standard web browser is needed for the user's PC is an important feature of the system. This paper describes the implementation and evaluation of the prototype we developed.
著者
板野 肯三 中田 育男 和田 耕一 井田 哲雄 佐々 政孝 田胡 和哉
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

高水準言語によるプログラミングを効果的に支援するためには、道具としての言語処理系がきめ細かくプログラミングの過程をサポ-トすることが不可欠であることは勿論であるが、言語処理系の処理速度も重要な要素である。一方、現在の半導体技術の著しい進歩は、非常に複雑なアルゴリズムを1つのチップとして実現することを可能にしており、LSI化するのに適したハ-ドウェアの設計が与えられれば、物理的な実現は原理的にはそれほど困難ではない。一般に、ハ-ドウェアで実現すれば、汎用の計算機ア-キテクチャ上で実行するのに比較して、100ー1000倍に実行速度を高めることが可能でありこともある。しかし、ソフトウェアのアルゴリズムを単にマイクロプログラム化するだけで、このような性能を達成することは難かしく、方式の見直し、場合によってはアルゴリズムそのものの見直しも必要である。本研究では、このような状況を踏まえて、言語処理系をLSIとして実現するための設計技術の確立を目標とした。とくに、インタプリタの高速化を前提にしたプログラミングシステムを実現するためのハ-ドウェア設計に重点をおき、今年度は、シリコンコンパイラが使用可能になったので、シリコンコンパイラによるLSIの設計を行った。具体的には、手続き型言語PLOの解析木インタプリタと論理型言語のインタブリタの2つのprojectを取り上げて、具体的な設計を通じて、いろいろな経験を蓄積し、実際に言語書理系に関連したLSIをつくるための基礎技術を模索した。LSIの内部では、並列性を採用する一方、制御やデ-タの流れの局所性を高めることが重要であり、また、できるかぎり系統的に設計できることが望ましい。このような前提で、アルゴリズムレべルのハ-ドウェアの設計から始め、フルカスタムのパタ-ン設計とシミュレ-タによる検証を行った。