著者
西尾 未希 牧野 泰才 白坂 成功 前野 隆司
出版者
日本創造学会
雑誌
日本創造学会論文誌 (ISSN:13492454)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.4-20, 2019 (Released:2019-04-12)

人の感動経験や感性価値を考慮した製品・サービスの設計が脚光を浴びている.このため,著者らは前報において,感動のSTARフレームワークという感動経験の分析法を開発するとともに,これを用いた感動発想技法を提案した.本研究では,様々な製品・サービスにおける実際の感動経験の分析を行うとともに,その違いを比較することによって,STARフレームワークによる感動の分析(感動のSTAR分析)の有効性を示すことを目的とする.具体的には,類似業種の分析および経済的価値を含む/含まない経験の分析を行えることを示すことによって,有効性を検証する.また,これらの結果より,企業による製品・サービスに基づく感動経験や個人の感動経験を分析するための有効なツールであることについて考察する.最後に結論を述べる.
著者
齋藤 宏文 金子 智喜 河野 宜幸 村上 圭司 國井 喜則 友田 孝久 田中 孝治 平子 敬一 中須賀 真一 白坂 成功
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J104-B, no.7, pp.669-672, 2021-07-01

低高度地球観測衛星からのデータダウンリンクの高速化を目的に,シンボルレート300 Msps,64APSK変調,及び256APSK変調,左右円偏波多重方式のデータダウンリンクの軌道上実証実験を行った.64APSK変調にて2.65 Gbit/sec,256APSK変調にて3.3 Gbit/secの低高度衛星からの世界最高の通信速度が確認された.
著者
山口 晋一 白坂 成功
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.124-132, 2019

<p>システム開発の要件定義工程において,STAMP/STPA の適用により得られる損失シナリオから導出したコンポーネント安全制約を,開発へ直ちにフィードバックすることは,開発早期でより安全性の高いシステムを構築する上で重要である.本論文では,STAMP/STPA での解析対象となるコントロールアクションから抽出した非安全なコントロールアクションに優先順位をつけて解析を実施する手法を示した.非安全なコントロールアクションは,システムハザードに至り,そのハザードは損失を引き起こす.そのトレーサビリティを利用して,非安全なコントロールアクションに関連づくハザードの影響度から,安全解析の優先順位をつける.システム全体を構成する各要素に対して,本論文で提案する手法でSTAMP/STPA を適用し,優先順位の高い非安全なコントロールアクションから順次,解析する.その結果として得られた,損失シナリオから導出したコンポーネント安全制約を要件定義工程へ逐次的にフィードバックする.それにより,開発早期でのより安全性の高いシステム開発を目指した.そして,放射線治療装置へ適用することで,STAMP/STPA の実施における非安全なコントロールアクションへの安全解析の優先順位づけに対する課題の解決手法を提示することができた.</p>
著者
牧野 由梨恵 白坂 成功 牧野 泰才 前野 隆司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.78, no.785, pp.214-227, 2012 (Released:2012-01-25)
参考文献数
28

In the present paper, WCA (Wants Chain Analysis) is proposed by extending CVCA (Customer Value Chain Analysis). CVCA is a method for visualizing relationship among stakeholders for analyzing existing social systems and designing new social systems. WCA is a method for visualizing wants and needs of stakeholders in CVCA utilizing Maslow's hierarchy of needs. In WCA it is shown that people's wants or needs are finally realized through the looped and linear chain of relationship among stakeholders. With various examples, effectiveness of WCA is shown by describing that characteristics of business/social systems structure can be clearly visualized using WCA. It is described that WCA is useful for analyzing social systems. “Think of others” should be more and more important for humans' satisfaction and happiness in the near future. WCA can be a tool for clarifying what is for others.
著者
白坂 成功 神武 直彦 保井 俊之
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

世の中に存在する多くの問題が、技術あるいは社会科学など、個別の学術分野だけでは解決ができない。本研究では、システムズエンジニアリングとデザイン思考とを統合した学問分野横断的なシステムデザイン方法論の基本的な体系を構築した。この方法論は、対象を俯瞰的かつ系統的にみるシステムズエンジニアリングと、対象を人間中心でみるデザイン思考とを組み合わせたものとなっており、より幅広い対象に有効であるようにするために、1つの決まったプロセスを決めるのではなく、対象に応じて自由にプロセスをデザインできるとした。また、この方法論を実社会の問題に適用してみることで、その有効性の検証をおこなった。
著者
白坂 成功 石橋 金徳 中須賀 真一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
スペース・エンジニアリング・コンファレンス講演論文集 : Space Engineering Conference (ISSN:09189238)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.19, pp."F4-1"-"F4-4", 2011-01-27

Under the current development of mid-to-large size satellites, the high reliability is mandatory to avoid failures and their development cost increases enormously to achieve the high reliability. On the other hand, several universities develop and launch nano-satellites with low cost for the purpose of education from around 2000. To generate new market for satellite utilization, low cost and fast development are key points. The balance of cost and reliability is one of the very important points to realize the markets. The theoretical research toward the balance of cost and reliability is being conducted through the governmental first program "New Space Development and Utilization Paradigm by Nano-satellites Introducing Japan-oriented Reasonable Reliable Systems Engineering". This paper presents the concept of the way to realize the reasonably reliable systems engineering. Current reliability is based on the assumption that there is no miss-design and it only depends on the random failure of parts. However, many of real on-orbit failures were caused by design errors. We propose the new reliability which includes design error and the definition of the reasonably reliable Systems Engineering. The realization concept consists of re-use of design, reduction of complexity, functional redundancy and simple organization to develop nano-satellites.