著者
中島 庸介 保井 俊之 神武 直彦
出版者
特定非営利活動法人 日本コンペティティブ・インテリジェンス学会
雑誌
インテリジェンス・マネジメント (ISSN:21866252)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.15-26, 2011-09-18 (Released:2012-11-09)
参考文献数
17

2008 年のグローバルな金融危機以降, オープンソース・インテリジェンスの重要性が米国のインテリジェンス・コミュニティを中心に認識され, 国家保障に関するインテリジェンスに積極的に活用され出している。本論文は, オープンソース・インテリジェンスをコンペティティブ・インテリジェンスの手法として戦略的に活用する際の好機と制約を明らかにしつつ, テキスト・マイニングをその中核に位置付ける。そして, その具体的な活用事例として, 2010 年問題を抱える日本の製薬業界のこの10 年間のM&A の動向を取り上げ, 手法としての有効性を分析・検証する。
著者
神武 直彦 中島 円 小高 暁
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

発展途上国の農村地域では低所得者層である小規模農家が公式の金融サービスにアクセスできない金融廃除が深刻な問題となっている。借用履歴など記入期間が貸付判断をする際に必要な小規模農家の信用情報の欠如が主な要因だが、これまでに構築された金融機関からの貸付を促進するための小規模農家の信用評価モデルは限定的である。そこで本研究では衛星データやモバイルデータ等の地上データを駆使し、情報の信頼性検証方法等を明らかにすることで、借用履歴に代わるデータ駆動型の信用評価モデル構築を目指す。また、小規模農家の金融廃除経験に貢献するため、モデル構築のみならずアプリケーションとしての信用評価モデルの運用方法を構築する。
著者
原田貴史 石田剛朗 楠田哲也 神武直彦
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.495-496, 2012-03-06

防災時の情報配信については、被害によっては通常の通信インフラが利用できなくなることがあるということがひとつの課題である。また、被災状況は同じ市町村においても必ずしも同一ではないため、それぞれの場所に応じた適切な情報配信をする必要がある。これらの課題を解決するために、我々は、GPS衛星および準天頂衛星を用いた測位技術と准天頂衛星による広域同報小容量データを用いたリアルタイム防災情報配信システムを設計している。本論文では、そのシステムの概要を述べるとともに、構築したシステムがいかに実社会で有効であるかを評価するために行った実験計画の立案方法とその成果について報告する。(282文字)
著者
成田 忍 村田 貴彦 神武 直彦
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.295-304, 2021-12-20 (Released:2022-03-18)
参考文献数
17

本研究では,小学校高学年の探求学習における共同学習時の個人の発言量の偏りを減少させ,個人の発言量を増加させるグループ編成アルゴリズムを設計し評価した.アルゴリズムに児童の興味領域や能力,性格特性データを入力することで,1万通りのグループの組み合わせを作り,個人の予測発言量,グループ内の予測発言量平均値と発言の偏りを予測し,個人の発言量が増加する組み合わせを算出することが可能である.このアルゴリズムによる発言量の偏りの予測精度,発言量の偏り,個人の発言量変化の3つの観点から有効性を評価するため,埼玉県内の小学校で児童を対象に実際にこのアルゴリズムに基づいてグループ編成を行い,共同学習の発話の録音分析とその授業を担当した教員へのアンケートを実施した.その結果,発言量の予測値と実測値には相関が見られ一定の予測ができること,また,普段発言量が少ない児童に発言増加の効果があることを確認した.
著者
櫻橋 淳 神武 直彦 石谷 伊左奈 三鍋 洋司 西山 浩平 石寺 敏 後藤 浩幸
出版者
情報処理学会
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.189-195, 2014-07-15

2011年,東日本大震災およびそれに伴って大規模に進められた計画停電を経て,東京電力管内では電力供給の低下により広く節電を行うことが求められた.電力総需要の約30%を占める家庭部門は,業務部門および産業部門と比較し,電力需要の抑制の呼びかけにどのくらいの電力利用者が対応し,節電を行うのかが未知数であるという課題があった.それに対し,筆者らは,スマートフォンなどの情報端末を通じて参加者の節電の取り組み情報を収集し,収集した情報を分析し,各電力管内での電力使用率などの情報とともにスマートフォンやWebサイトで可視化するシステムを構築した.そして,そのシステムを用いて,ソーシャル・キャピタルと節電行動の関係を実際の節電履歴データを取得して分析すること,およびソーシャル・キャピタルが強くない中でも節電を行う仕組みの実現に寄与することを目的とした実証実験「停電回避プロジェクト」を夏の電力需要が増加する2011年7月1日から100 日間実施した.結果として,①身近なコミュニティにおける節電行動の可視化,②身近なコミュニティでのランキング表示など自身のポジションの可視化,③他の利用者との接続が常時されているというリアルタイム性,の3つを実現し,ソーシャル・キャピタルの度合いが高くない電力利用者に対しても節電行動を促せることが分かった.
著者
ウルヴェ 京 筒井 香 神武 直彦
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.29_71, 2019

『スポーツ産業学研究』第28巻第4号の295ページに下記の誤りがありました.訂正するとともに著者ならびに皆様にご迷惑をおかけしましたことをここにお詫び申し上げます.
著者
白坂 成功 神武 直彦 保井 俊之
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

世の中に存在する多くの問題が、技術あるいは社会科学など、個別の学術分野だけでは解決ができない。本研究では、システムズエンジニアリングとデザイン思考とを統合した学問分野横断的なシステムデザイン方法論の基本的な体系を構築した。この方法論は、対象を俯瞰的かつ系統的にみるシステムズエンジニアリングと、対象を人間中心でみるデザイン思考とを組み合わせたものとなっており、より幅広い対象に有効であるようにするために、1つの決まったプロセスを決めるのではなく、対象に応じて自由にプロセスをデザインできるとした。また、この方法論を実社会の問題に適用してみることで、その有効性の検証をおこなった。
著者
神武 直彦 中安 英彦 川畑 広文 鈴木 裕介 麦谷 高志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.614, pp.63-69, 1999-02-19
被引用文献数
4

宇宙開発事業団では、H-IIAロケットの飛行安全に使用する目的で高性能・低コストのGPS受信機の開発を進めている。従来飛行安全に用いてきたレーダの代わりに、GPSによって得られる位置・速度情報を用いることにすれば、地上側のレーダ局を整備する必要がなくなりコストダウンを図ることができ、また今後の宇宙輸送需要に柔軟に対処することが可能になると考える。本GPS受信機ぱ2000年2月打ち上げ予定の2トン級初号機でフライト実証試験を行い、2002年6月打ち上げ予定の3トン級初号機HTVミッションにて実運用を開始する予定である。本稿では、H-IIAロケット用としてのGPS受信機の特徴を記述し、システム解析によってその有効性を示す。よた、技術モデル試作段階よでの開発状況を報告する。