著者
小出 瑞康 関崎 敬広 山田 修一 高橋 勉 白樫 正高
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.77, no.775, pp.702-714, 2011 (Released:2011-03-25)
参考文献数
11
被引用文献数
5 4

The target of this research is to develop a micro electric power generator for a low cost small river monitoring device. First, the power generation by VIVs, its efficiency coefficient and the optimum condition of the generator were estimated from energy balance analysis based on the assumption that VIVs can be regarded as a resonance oscillation of a linear system. Second, water tunnel experiments were carried out and it was confirmed that the trailing vortex induced vibration (TVIV) occurs on a cruciform circular-cylinder/strip-plate system over a velocity range about 15 times wider than that of Karman vortex induced vibration (KVIV). Finally, power generation experiments were carried out by utilizing TVIV. The generator circuit consists of coils mounted on the circular cylinder vibrated by TVIV and magnets fixed on rigid supports. The generator is shown to extract energy from the water flow in the same way as a viscous damper over the expected velocity range. Although the efficiency coefficient of TVIV is lower than that of KVIV, it is more appropriate for natural rivers of which flow velocity changes greatly.
著者
白樫 正 小川 和夫
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.92-98, 2016 (Released:2016-10-07)
参考文献数
24
被引用文献数
2 10

Fish blood flukes (FBFs) are the most important digenean parasites in marine finfish aquaculture due to their high pathogenicity. Numerous eggs accumulate in gill lamellae and capillary vessels in various organs, interfere the blood flow. This causes fish to suffocate to death or leads to other fatal health problems. In Japan, important culture fish, such as amberjacks, bluefin tuna and tiger puffer are affected by FBFs of different taxa; namely Paradeontacylix spp., Cardicola spp. and Psettarium spp., respectively. FBFs are relatively host specific and utilize a complex two-host lifecycle. To date, the lifecycles have been elucidated for only a handful marine FBF species and all use terebellid polychaetes as the intermediate host. Chemotherapy with the oral treatment of praziquantel is effective and commonly used in fish farms as a sole control measure against FBFs. The development of prevention method is expected with the recent advances in knowledge on the biology of FBFs.
著者
白樫 正高 古塩 淳 徳長 靖 橋本 斉 脇屋 正一
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.75-82, 1986
被引用文献数
2 1

ポンプ・管路系による雪の水力輸送を,市街地のような広い地域からの排雪手段として適用する場合,小径の管を順次合流させ,大径管により長距離を輸送するのが適当と考えられる.本研究ではこのような樹木状配管における合流部の形状で最も基本的と考えられるT字形合流管における雪水二相流の損失動力を実験的に調べた.内径77mmの本管に同径の支管が直角に交る合流管において,雪の吐出し体積分率の等しいざらめ雪・水二相流が合流する場合の,合流前の本,支管流量Q1,Q2,管に沿った圧力の低下,合流後の雪の吐出し体積分率を測定した.比較のための試料としてプラスチックビーズを用いた.合流後の流量Q3一定の条件下で雪水二相流の合流損失は清水(せいすい)の場合と同様の挙動を示した.すなわち,雪水混合体を均質流体とみなして定義した合流損失係数と流量比Q2/Q3の関係は清水の場合とほぼ一致し,雪の混入による合流損失係数の増加は小さい.これに対し,プラスチックビーズ・水二相流ではビーズの分率とともに合流損失係数が大きくなる傾向が明らかである.以上の結果から,ざらめ雪・水二相流のT字管における合流損失動力は,清水についての合流損失係数を用いて概略推定する事ができると考えられる.
著者
白樫 正高
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.159-167, 1994
被引用文献数
9

雪を水と混合してポンプ・管路系により輸送する技術を除雪に応用することは昭和47年ごろから研究されているが,現在まで実用に供された例の報告は,昭和58年に敷設された当時の国鉄福井駅の線路除雪設備があるのみであり,未だ技術開発の途上にある.雪は水より密度が小さく,互いに付着して塊を作りやすいことから,雪水混合体の流れの挙動は石炭や鉱石の水力輸送に見られる通常の固液二相流とは異なる.それゆえ,圧力損失の予測や固体の分率の計測・制御に対する既存の方法がそのままでは適用し難い.本稿では,筆者らのこれまでの研究により得られた,雪水二相流の流動特性についての理解と計測・制御技術を概説する.
著者
梅村 晃由 谷内 宏 内倉 章夫 白樫 正高 AKIO Uchikura HIROSHI Taniuchi
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1987

二年間にわたり、装置の設計、試作、実験を繰返えした結果として、まず水力輸送の各装置について、(1)雪分率測定機:管内を流れる雪水混合体中の雪の割合いを、試料を採取することなく、連続的に測定する装置として、実用化の目途を得た。(2)雪分率調整機:管内を流れる雪水混合体から水のみを抽出する(あるいは水を加える)ことにより、それより下流の雪の分率を調整する装置として、実用化の目途を得た。(3)雪押込機:雪を水と混合してポンプに吸い込ませるための攪はん混合装置の制御系の改善を行った。また市販のスラリーポンプの雪水混合特性を調べ、雪の水力輸送に適するものを選んだ。両者を結合して、市民の使用に適する雪押込機を製作した。つぎに、これらの装置を組合わせて、高い雪分率の輸送実験を行い、雪水二相流の流動特性について、つぎのような点を解明した。(1)流速一定の条件の下の、高い雪分率における直管内圧力損失(2)仕切り弁における圧力損失と閉塞の発生機構(3)雪塊の間欠的投入に伴う、輸送系内の雪分率の変動挙動開発された装置の市内現場における実用試験は、小雪年が続いたため、山から雪を運んで行われ、つぎのことを確認した。(1)装置は所期の輸送能力を有する。(2)閉塞は管路の収縮部における雪塊の停滞によって起る。(3)雪の投入を制御するための警報装置は所期の作動をする。しかし、この装置を市民に使ってもらって、稼動率や信頼性を知る試験は小雪のため行うことができず、今後の課題として残された。