著者
白鳥 世明
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.136, no.7, pp.276, 2016-07-01 (Released:2016-07-01)

センサ・マイクロマシン部門(E部門)では,2009(平成21)年4月から2011(平成23)年3月まで中本高道委員長(東工大)を中心にケミカルセンサ技術委員会内に香りのセンシングと再現による感性マルチメディア調査専門委員会を設置し,調査研究を進めてきました。また,2012
著者
白鳥 世明
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

米国のハーバード大学およびMITのグループにより液体を滑らせる撥水・撥油現象として2011年にSLIPSが報告された。続けて申請者らは2013年に透明性と自立性、撥水性、撥油性を兼ね備えたGel-SLIPSという滑液膜を考案した。 ②しかし、いずれの膜も室外環境における風雨に耐えうる機能に乏しいため、本研究では、生物の表皮の代謝のメカニズムを模した生体模倣により自己修復機能を付与することを検討する。初年度は生体における擦り傷の治癒および外表皮の代謝のメカニズムを人工系に取り入れ、申請者らが見出した滑液膜表面(Gel-SLIPS)に 自己修復機能の発現を試みた。樹木の表皮や植物の葉の表面には無数の配管(道管、師管、葉脈)によるネットワーク構造が巡らされ、樹皮の部分的な破損、水分の欠如に対応して徐々に再生していく。本研究ではこうした植物の再生機構のバイオミメティクスを推進している。具体的には葉脈のナノ構造をナノファイバーで作製し、それを薄膜に埋め込んだNano Composite構造を作製た。(1)温度による相転移を活用した固体→液体変化 を活用し、また、(2)表面の液膜、もしくは固体膜の欠損による「液体/固体界面」での拡張係数の変化を活用することで、部分的に物質が欠損した表面への物質移動を促進させる。葉脈類似の構造に関しては、申請者らが確立してきたポリマーのナノファイバー構造を用いて推進している。申請者らは上記の概念をそれぞれ2016年に学術雑誌ACSNano等に発表した。本研究ではこの概念を 滑液膜表面に適応した。その結果、より自己修復性に優れた薄膜を得ることができようになった。
著者
白鳥 世明
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.553-557, 2000-05-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
26
被引用文献数
1

高分子電解質の交互累積膜の吸着過程を水晶振動子微量天びん (QCM) を用いて,吸着質量をその場でモニターしながらロボットアームの動作をフィードバック制御することにより,有機超薄膜の構造制御を行った.これにより,ナノメートルオーダーで構造制御された秩序層構造の超薄膜を常温常圧で得ることができた.また,この手法はポリマーだけでなくモノマーであっても,有機材料だけでなく無機材料であっても,さらに水溶液のみならず有機溶媒でも幅広く適応できることが明らかになった.このヘテロ構造超薄膜を用いた煙センサー,フィルター,有機EL素子,オプティカルデバイスなどへの応用について紹介する.
著者
白鳥 世明 Michael F. Rubner
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.430, pp.21-25, 1998-11-20
被引用文献数
18

電解質ポリマーの交互吸着において、吸着槽のpHをシステマティックに制御することにより、全体の膜厚をオングストロームオーダで制御可能であるばかりでなく、ポリカチオン、ポリアニオンそれぞれの膜厚の寄与分をもオングストロームオーダーで制御することが可能である。また、各電解質ポリマー成分の浸透性を調整することができ、表面の接触角を詳細に制御することが可能である。したがって、電解質ポリマーの交互吸着法は有機エレクトロニクス材料、特に有機複合材料としての超薄膜作成に非常に有望である。